“30代でレス夫”を問い詰めたら「過去の病気」を言い訳に使われて…【セックスレス AND THE CITY -女たちの告白-】|美ST

日本では、半数以上の夫婦が陥っているといわれるセックスレス。「レスだけど不満はない」という夫婦も少なくありませんが、スポーツ用品メーカーに勤務するりえさん(仮名・36歳)は、レスであることに強い不満を持っているそう。同じ会社に勤める夫・文雄さん(仮名・37歳)に話を切り出したところ、深刻な雰囲気の中で拒絶され、気持ちが萎えてしまったといいます。

■そろそろ2人目を妊活したい。でもセックスレス

りえさんは、栄養士と保育士の資格を持つ子供好きなワーキングマザー。かつては保育園で保育士として働いていたものの保護者との軋轢に疲れ、退職。転職先で文雄さんと出会い結婚したそう。
「7歳の一人息子も大きくなってきたので、そろそろ2人目の子供、もしできるなら女の子も育ててみたいという気持ちがムクムクと大きくなっています。生理前に性交渉を持ちたいという欲求が湧くこともあって、3年間もセックスレスという現状に不満を感じています」。

セックスレスになったきっかけは、子宮筋腫の手術でした。
「お腹がぽっこりしてるのはずっと気になっていたんです。姉が看護師をしているのですが、私の婦人科系の不調を話したら“すぐ病院に行きなよ”と急かしてくれました。検査をしてみたら大きな筋腫ができていて経過観察よりも手術を勧められました。そのまま総合病院を紹介されて手術。無事に終わりましたが再発の可能性はあるそうです。でももっと深刻な病気かもしれないと不安だったのでホッとしました」。
入院中、ワンオペ育児を担ってくれた文雄さんは、退院後もかいがいしく家事をしてくれたといいます。
「夫は独身時代に介護士の資格を取っていて、介護実習の経験があります。手術当日は実家に息子を預けて病院で待っていてくれました。血を見ても動じないタイプで出産にも立ち会ってくれましたし、手術後に出血してしまったときもナースコールを押して手を握ってくれたり。本当に助けられました」。

■手術前からすでに半分レス状態だった

実は長男の出産後から、完全なセックスレスとまではいかないまでも、回数は少なかったそう。
「私が基礎体温をつけてお酒の勢いで誘って何回か妊活した、という感じです」。
けれど子宮筋腫の手術をしてからは、性交渉は完全になくなったといいます。
「何度か寝ているときに抱き枕みたいにくっついてみたんですけれど、さり気なくはがされてしまって。私にもそこから果敢に攻めるほどの情熱があったわけではなく、そのまま背中を向けました」。

再び性交渉を意識したのは、自身の年齢が“妊娠適齢期”から外れそうだと感じたから。
「うちは息子を私立小学校に入れてしまったので、経済的にも時間的にも私の体力的にも高度不妊治療までは考えていませんでした。となるとタイミング法しかない。そう思って基礎体温計を夫の目につくところに置いてアピールしてみました」。

■「子供は1人でいい」と言う夫の本音

最初は見て見ぬふりをしていた文雄さん。しかし、りえさんが「今日は2人目ができそうな日なんだけど」とLINEを送ると、文雄さんから「ちょっと話そう」と子供のいない部屋に呼ばれたそう。
「夫は『子供は1人でいいと思う。今から生まれる子が20歳になる頃には自分は定年も近い。経済的にも心配だ』と妊活に否定的でした。私は『できたらラッキーくらいの感覚でいいじゃない。それとも私とじゃ嫌ってこと?』と詰めてしまって……」。

次第に雲行きが怪しくなってきたとき、文雄さんはぽつりと「無理かもしれない」とつぶやいたそうです。
「彼は『りえに魅力がないわけではない』と弁解していました。でも『俺のほうがナーバスになって性交渉が成立しないかもしれない』と。妊娠や子宮筋腫の手術で女性の体の繊細さを見すぎて『性交渉みたいな乱暴な行為がとてもできる気がしない。正直、怖くなって萎えると思う』とまで言ってきました」。

■気遣いが、逆にショックだった

りえさんにとっては、普段はきわどい冗談も飛ばすフランクな夫が、言葉を選び気を遣って話してきたことが逆にショックだったといいます。
「腫れ物に触るように扱われた気がしました。そもそも妊娠の立ち会いも、手術後の看病も、頼んだわけじゃない。ありがたかったとはいえ、自分から寄り添ってきたのに、今になって“繊細だからできない”って……」。
性交渉をあきらめ、高度不妊治療に踏み切るべきか。りえさんは今も、悩み続けています。

※本記事では、プライバシーに配慮して取材内容に脚色を加えています。

取材・文/星子 編集/根橋明日美 イメージ写真/PIXTA

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