俳優・稲葉友さんが、30代に突入した今感じることは…【映画公開記念スペシャルインタビュー】
映画『よっす、おまたせ、じゃあまたね。』で橋本 淳さんとW主演を務めた俳優・稲葉 友さん。30歳を迎えた今、俳優業への向き合い方やライフスタイルに変化は––?稲葉さんの“今”に迫ります。
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30歳は、いい意味でも悪い意味でも考えることが増えました
−−ちょうど1年前にお話を伺ったときは30歳目前で、「気負わず、構えず、何事もなかったかのように30歳を迎えたい」とおっしゃっていました。30代に突入した今、心境に変化は?
実際になってみると、いろいろと考えなきゃいけない年齢なんだな…と(笑)。例えば「向こう10年で」みたいな、自分がどうなりたいかのビジョンを自分の意思でも、意思とは関係ないところでも考えなければいけなかったり。まあ、そういうものなんだろうなと割り切って、あまり焦らずにいます。
プライベートでは、ちゃんと健康診断に行こうと思うようになりました(笑)。外食が面倒なこともあり、ちゃんと自炊をしているので、食生活では問題なさそうですが。最近も友達夫婦が「大型スーパーに来たけど、何か買うものある?」と連絡をくれたので、なんて最高な連絡なんだ…!と思いながら、「じゃあ、あれとこれ」って食料品の買い出しを頼みました。大量の食材を小分けにして冷凍庫に入れながら、「僕はこういうのが性に合ってるな」と実感しましたね。
1年前のインタビューはこちら
年下の共演者が増えて、現場での“在り方”が変わってきた
−−撮影現場では演者、スタッフともに年下の人が増えてきたと思いますが、立ち振る舞いや過ごし方は変わりましたか?
周りが変わったのはすごく実感しています。10代で初めて現場に行くときは、みんなすごく心配してくれたけど、今は「稲葉くんのキャリアあれば、このくらいは出来るでしょ」みたいな。信頼もありつつ、求められることも増えたと思います。自分が越えなきゃいけないハードルを感じつつ、うーん……それに伴って自分の生き方もじわじわと変わってきてはいるかな。
撮影現場では「自分はこう振る舞おう」というのはとくに決めていなくて、周りの雰囲気や共演者の方に合わせています。もしも相手が10代の方だったら、ひと回りも年上の先輩が喋らなかったら怖いだろうから、コミュニケーションを積極に取ろうかな、とか。みんなで作品をつくる流れの中に自分がしっかり組み込まれていて、その中でちゃんと機能できている、という状態が心地よいですね。
コミュニケーションは、相手に合わせるタイプ。“いいヤツ”でいたい
−−人との距離感を縮める、稲葉さんなりの「コミュニケーション術」があれば教えてください。
“術”とは言えないかもしれないけど、自分がどうしたいかよりも、相手に合わせる意識の方が強いですね。「あ、この人お喋りだな」と感じたら、僕も無限に喋りますし、落ち着いた雰囲気が心地よさそうだと感じたら、静かに過ごします(笑)。僕としては、どちらも居心地は悪くないんです。いい塩梅でその場にいられる工夫をするかな。でも本当は、寡黙で仕事の出来がよい人がいちばんカッコいいと思います(笑)。ミステリアスな感じには憧れますけど、僕には向いていないので…。それなりに喋って、賑やかしたりもして、「なんか、あいついいヤツだな」って思われるくらいが、身の丈に合ってますね。
共演者・橋本 淳くんの職人気質に憧れます
−−俳優の仕事をしていくにあたり、憧れの存在はいらっしゃいますか?
先輩でも同世代でも、尊敬できる方は本当にたくさんいるんですが……。今回、映画『よっす、おまたせ、じゃあまたね。』で共演させてもらった橋本 淳くんの、職人のような組み立て方というか、「何でもいいよ」と言いながらも、すごく強いこだわりを持っている部分が、本当にカッコいいなと思います。そういう方とご一緒すると、僕も凝り固まらないように、何でも吸収できるようにいないと、と刺激になりますね。
−−最後に、今年は3年ぶりに夏を満喫できそうなムードがありますが、どんなことをしたいですか?
僕、「遊びたい!」みたいな欲が人より少ないんです。そうだな……親戚一同で集まれたら嬉しいかな!うちは親戚付き合いがしっかりあるタイプの家族で、父方の親族だけでも30人くらいいるんですが、コロナをきっかけに集まる機会がすっかり無くなってしまったので。みんなでばあちゃんを囲んで、一緒にご飯を食べたいですね。
映画『よっす、おまたせ、じゃあまたね。』
橋本 淳 & 稲葉 友のW主演!引きこもりの男“ちばしん”を自称幽霊の“ながちん”が連れ出して始まる、可笑しくも切ないロードムービー。
6月16日(金)〜渋谷シネクイントにて1週間限定レイトショー。
6月23日(金)〜アップリンク吉祥寺、kino cinema立川髙島屋S.C館ほか全国順次公開予定
フォトギャラリー(全5枚)
衣装詳細:ジャケット¥63,800(スティーフ/スティーフショールーム 03-6721-0549)シャツ¥13,200(ヌワールファブリック/ジーンズ ファクトリー 卸団地本店 088-861-5100)パンツ¥35,200(ハビィー/ハビィー 03-6555-5451)シューズ¥16,500(ヴァリジスタ グローバル スタジオ/アースマーケティング 03-5638-9771)
撮影/木村 敦 ヘアメーク/永瀬多壱 スタイリング/添田和宏 取材・文/伊藤綾香 編集/平賀鈴菜(CLASSY.ONLINE編集室)