知らないと恥ずかしい!社会人なら覚えておきたい「間違った言葉遣い」8選
当たり前のように使っているその言葉遣い、本当に正しいですか? 聞きなれた言い回しのなかには、文法や敬意を示す対象が間違ったまま使われているフレーズがあります。
そこで今回はマナー講師の西谷依里子さんに、知らないまま使っていると恥ずかしい“間違った言葉遣い”を教えてもらいました。よく耳にするフレーズ、実は間違っていたかも……!
(1)「今お時間よろしかったですか」
“今”の状況を確認するのに、過去形の「よろしかった」はおかしいですよね。
「今お時間よろしいですか」が正解! 感覚的に「~でよろしかったでしょうか」と使用している人を見かけますが、文法的に誤りなので要注意です。
(2)「どうぞいただいてください」
“いただく”は謙譲語ですので、相手にお菓子や飲み物をすすめるときの言葉として間違った表現。
正しくは、「よろしければ、どうぞ召し上がってください」です。
(3)「コーヒーと紅茶、どちらにいたしますか。」
“いたす”は“する”の謙譲語で、自分の動作に使う言葉です。飲み物を選ぶ人は自分ではありません。相手に選ぶ権利がありますので、尊敬語の“なさる”を使いましょう。
「どちらになさいますか」が正解です。
(4)「部長がおっしゃられた通り」
丁寧な言葉遣いを意識しすぎて過剰な敬語(二重敬語)になっているため、間違ったNG敬語です。シンプルに「おっしゃった通り」で、敬語は完成されています。
敬語を使わなければと意識しすぎると、過剰な表現になってしまう傾向にあります。テキストに書き起こしてみると、間違いに気づきやすくなりますよ!
(5)「お名前頂戴できますか」
名前は誰かにあげることも、もらうこともできません。
「お名前を伺えますか」「お名前をお教えいただけますか」「お名前をお聞かせいただけますか」などの伝え方が適切です。
(6)「お電話の声が遠いのですが」
「あなたの声が小さいから聞こえない」と、原因が相手にあるような言い方は避けましょう。「電話機や電波の調子が悪くて聞こえにくい」のようなニュアンスの言葉で伝えるようにすると、好印象につながりますよ。
「申し訳ございません。少々お電話が遠いようなのですが」というフレーズであれば、声が聞こえづらい状況をやんわりと伝えることができます。
(7)「〇〇様はおられますか」
“おる”は、“いる”の謙譲語です。主語が相手の場合は、尊敬語を使いましょう。
「〇〇様はいらっしゃいますか」が正解です。
(8)「あいにく〇〇は休みをいただいております」
休みは会社からもらっており、お客様との会話で会社に対して敬語を使っているのはおかしいですね。敬語の対象が人ではないのでわかりづらく、間違いやすい言い回しです。
正しくは、「休みを取っております」です。
よく耳にする言葉が正しい敬語とは限りません。迷った場合は、「主語が誰なのか」「誰に対して使う敬語なのか」を考えてみると、敬語の正解が分かってきますよ!
間違って使っていた場合は、今回を機に見直しましょう。
文/西谷依里子 画像/PIXTA(ピクスタ)(kazpon、Mai、topic_kong、Pangaea、jhphoto、voduy84、PanKR)