みずみずしくてやわらかくほんのり甘い。さまざまな魅力を持つ、春キャベツのおいしいシーズンがやってきました。ロールキャベツに炒めもの……。定番の料理ももちろんおいしいけれど、せっかくだから、新しいレシピで、春キャベツをとことん味わい尽くしましょう。

野口真紀さん
料理研究家。料理雑誌の編集者を経て現在の道へ。家族が喜ぶ定番おかずから、ワインに合うおつまみまで、幅広いレパートリーを持つ。近著に『ぱらぱらきせかえべんとう』（アノニマ・スタジオ）など。

①そのままで

ガツンときかせたにんにくの 風味が、軽やかな春キャベツの魅力を引き立てます。しっとりとした口当たりかつ食べ ごたえ抜群の肉味噌は、焦がさないようにじっくりと火を通すのがコツです。

キャベツの力士味噌ディップ
材料（３〜４人分）
キャベツ ……適量
鶏ひき肉 …… 500ｇ
にんにく（みじん切り）……4〜5片
ごま油……大さじ２
A
味 噌……大さじ５
砂糖 …… 大さじ４
酒、みりん……各大さじ３

作り方
１.キャベツは芯のかたい部分は除き、適当な大きさに切る。
２.フライパンにごま油、にんにくを入れて熱し、にんにくにほんのりと色がついてきたら鶏ひき肉を加えて炒める。肉の色が変わってきたら混ぜ合わせたAを加えて水分を飛ばすようにして炒める。３.１に２をつけていただく。

②せん切りにして和える

キャベツのみずみずしい食感を最も楽しめる料理法。同じく旬の新玉ねぎと合わせて、春らしい一品に。ハムやきゅうりを加えてボリュームアップさせたり、ソテーした肉や魚に添えたりするのもおすすめ。

キャベツと新 玉ねぎのシンプルサラダ
材料（３〜４人分）
キャベツ……1/4個
新玉ねぎ……１個
A
酢、太白胡麻油 …… 各大さじ3
砂糖 ……大さじ1/2
塩、胡椒……各適量

作り方
1.キャベツは芯のかたい部分は除き、せん切りにする。
2.新玉ねぎもせん切りにする。
3.ボウルに２、Aを入れて全体を混ぜ、１を加えて和える。冷蔵庫で冷やしてからいただく。

③粗く刻んで和える

季節の変わり目で胃が疲れているときでも、するっと入ってくる体にうれしい山形の郷土料理。キャベツにねばりけのある食材を合わせます。豆腐やごはんの上にかけてアレンジを楽しんで。

キャベツのだし風
材料（３〜４人分）
キャベツ …… 1/８個
みょうが……３個
大葉……５枚
オクラ……５本
万能ねぎ……10本
納豆昆布（乾燥）……15ｇ
めんつゆ（ストレートタイプ）……100㎖

作り方
１.キャベツ、みょうが、大葉は粗く刻む。オクラはさっと塩ゆでし、粗く刻む。万能ねぎは小口切りにする。
２.ボウルに１、ほかの材料をすべて入れて混ぜ合わせる。昆布がやわらかくなるまで冷蔵庫で冷やす。

④一口大に切って、和える

味の決め手はいりこの旨みとごまのコク。ごまは和える直前にすると、風味よく仕上がります。春キャベツはやわらかく、味がなじみやすいのであと一品欲しいときにもサッと作れて重宝します。

キャベツといりこのごま酢 和え
材料（３〜４人分）
キャベツ……1/4個
いりこ……大さじ３（約10ｇ）
大豆の水煮缶……1/2缶（90ｇ）
A
白ごま……大さじ３
酢……大さじ４
砂糖……大さじ２
しょうゆ……大さじ１

作り方
１.キャベツは芯のかたい部分は除き、一口大に切る。さっと塩ゆでし、ざるに上げる。
２.すり鉢にごまを入れてよくすり、他のAの材料を加えてさらにする。
３.２にいりこと大豆を入れて全体を混ぜ、いりこがしんなりしたら１を加えて全体を和える。

次回に引き続きます。

撮影／邑口京一郎  取材・文／高田真莉絵  構成／松本朋子