【医師に聞く】体はなぜむくむ? 大人のむくみのしくみとケア法

こんにちは。美容担当編集Nです。

家時間が多くなることによって、運動不足になりがちな方、今多いですよね。

運動不足になると「体重が増えてしまう……」と単純に思いがちですが、その体重増加の一つの原因に代謝不足による「体のむくみ」があげられます。HERS世代で一番多いむくみのお悩みと言えば、やはり「脚」のむくみではないでしょうか。

 

 

むくみのしくみを知ろう

HERS5月号「大人のむくみにきちんと向き合う」では、大人の女性ならではのむくみのしくみや原因、ケア法を紹介しています。

きむら内科クリニック理事長であり、日本循環器学会専門医の木村謙介先生曰く、

「むくみは自己判断で大したことはない、と放っておきがちになってしまいますが、体が発しているSOSのサイン。今の生活を見直すきっかけにしましょう」とのこと。

「40代、50代の女性のむくみは、ホルモンバランスの乱れ、自律神経のバランスの崩れから、血流が悪くなっている方が多いです。特にむくみが目立ちやすい脚は、長時間の立位や座位の影響、運動不足からくる下肢の筋肉量の低下や静脈弁(血液の逆流を防ぐために付着する弁)機能の加齢による低下などにより、血流が悪くなり、細胞周囲の間質液が過剰に増え、水分を滞留した状態に。これがむくみのしくみです」

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むくみ予防に必要なことは?

①ふくらはぎの筋肉を鍛える

「ふくらはぎは第二の心臓と言われているため、この部位の筋力の低下で脚のむくみが悪化することも。ここの筋肉を鍛えることで脚から心臓に血液を戻すポンプ機能が高まります。気づいた時にこまめに背伸び運動を。長時間座っている時は、かかとを上下に動かすことで筋肉を刺激しましょう」

 

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②塩分の多い食事は控える

「家族、特に食べ盛りの年齢の子どもがいる方は、味付けが同じ食事を摂るのを控えた方がいいでしょう。塩分の摂りすぎると体に水分が貯留します。食事量・減塩の見直しのきっかけにしてみてください」

 

③マッサージをする

「過剰に増えた間質液を排出させるには、リンパドレナージュも有効です。むくみを気が付いた時にこまめに行いましょう」

 

④放置しない

「顔のむくみが長く続く場合は、全身もむくんでいることも考えられるので注意が必要。マッサージなどで輪郭がすっきりする場合は心配はありませんが、全身症状が続く場合には、心臓、肝臓専門内科クリニックを受信した方がよいでしょう。むくんでいるからと言って、すぐに大きな病気があると考える必要はありませんが、どんなにし小さくても体のSOSのサインだと捉え、ポジティブに改善をしていきましょう」

 

【お話を伺ったのは……】
医療法人きむら内科クリニック理事長・医学博士
木村謙介先生
http://www.kimura-naika-clinic.jp/

 

イラスト/吉岡香織〈asterisk-agency〉 取材・文/金沢由紀子 構成/中山佳奈子