子ども用にタブレットを買いたい!けんすうさんにオススメ聞きました
緊急事態宣言の延長によって休校が長引いている地域も多く、子ども達にとっては、どうしてもマンネリ化しがちな自粛期間。この機会にタブレットを買ってオンラインで習い事をしたり、勉強になるYouTubeや学習用ゲームなどで有意義に過ごしてほしいと思っているママも多いはず。そこで、ガジェット好きで有名な起業家のけんすうさんに、おすすめのタブレットを教えてもらいました!
古川健介(けんすう)さん
1981年生まれ。マンガの新刊・無料情報メディア「アル」を運営するアル株式会社代表取締役。早稲田大学政治経済学部卒業。2000年に学生コミュニティ「ミルクカフェ」を立ち上げ、2006年に株式会社リクルートに入社。2009年に退職し、「nanapi」を運営する株式会社ロケットスタート代表取締役に就任。2014年にKDDIグループにジョインし、Supership株式会社取締役を経て現職。最近はエンジェル投資家としても活動を行う。Twitterのフォロワーは20万人を超える。
note:https://kensuu.com/ Twitter:@kensuu
親がiPhoneを使っているなら、最初の選択肢はiPad
—— いざタブレットを買おうと思っても、いろいろな種類があって何を買えばいいか分からないというママは少なくありません。まず、何で絞り込むといいでしょうか?
まず、ご自身が使っているスマホに合わせてしまうというのは一つの手です。たとえば、iPhoneを使っている人なら、圧倒的にiPadのほうが楽なはずです。使い方はほとんど同じで、iPhoneが使えばすぐに使うことができますし、データの共有もできます。iPadで写真をとったものをiPhoneでも見られるようにする、などのことも簡単にできます。また、iPadを子ども専用にする場合、ペアレンタルコントロールと呼ばれるものを使えば、保護者のiPhoneから、子どものデバイスでの、特定のアプリを使えなくしたり、機能制限をしたりすることも簡単にできます。
—— iPadといっても、いろいろな種類があって迷ってしまうという声もあるのですが…。
iPadには4つの種類があります。これはもう「何を大事にするか」で決めていいと思うので、それぞれの特徴を説明します。
■ iPad Pro
……仕事でも使える高性能なiPad。大きな画面サイズと非常に高い性能があります。そのかわり84,800円〜10万超えと値段が高い!保護者の方が仕事で本格的に使う、動画編集をガッツリしたい、とかならいいかもしれません。
■ iPad Air
……もっともバランスが取れたiPadです。ぶっちゃけ、ほとんどのケースで、iPad Proよりもこちらのほうがしっくりくると思います。54,800円からという値段ですが、保護者の仕事用にも、子どもの勉強用にも使えます。以下で紹介する、iPadとの違いですが、大きく変わるのが、性能と画面の綺麗さ、本体の重さです。「動画をさくさくと綺麗な画面で見たい」「本格的なゲームがやりたい」「手に持つときや持ち運びするときの重さも気になる」という人ならiPad Airが良いと思います。
■ iPad
……いわゆる、廉価版のiPadです。画面や性能が他よりも劣るぶん安く、34,800円〜手に入るのが魅力です。廉価版といっても、普通に動画をみたり、電子書籍を読んだりする分にはほぼ気にならないレベルです。
■ iPad mini
……小さいサイズのiPad。とにかく軽くて、小さいので、小学校に入る前くらいまでの子どもには使いまわしがしやすいです。性能も十分で、子ども専用にしたいケースや、動画や電子書籍などの用途が主であればオススメできます。気軽に外にも持ち運べ、値段も45,800円〜とiPad ProやAirと比べても手が出しやすいです。
—— うーん。悩んでしまいますね。オススメするものを絞るとしたらどれですか?
はじめてタブレットを買うとしたら、スマホの延長で使える大きさのiPad miniにしてしまうか、ちょっと奮発してiPad Airを買うのがオススメです。Appleは昔の端末でも長く使える点が魅力なのですが、iPadはその中でも、かなり長い期間使う事ができる商品だと思います。今のiPadは、おそらく4〜5年後でも全く問題なく使えるはず。となると、「大きさと持ち運び重視でiPad miniを買う」か「大きくて使いやすいiPad Airを買う」の2択でもいいかもしれないですね。
iPad以外で、使いやすいオススメは?
—— iPhoneユーザーならiPadということでしたが、iPhoneでない人や、もっと値段を下げたい、という人向けのタブレットはないでしょうか?
まず、コスパ重視だったら、Amazonが出しているFire 7 タブレットがとにかく安いです。定価で5,980円で購入することができます。しかも、たまにセールなどで、3,000円がクーポンで還ってきたりすることがあり、驚異的な価格の安さです(※注 サイズの大きいFire HD 10タブレット/15,980円もあり)。保護者が使用する場合も、AmazonのPrime Videoを観たり、AmazonのKindleで電子書籍を購入している人にはかなりオススメできます。
——すごいコスパの良さですね!安いのはうれしいですが、注意することはありますか?
まず、アプリの数はやや少なめです。他のAndroidタブレットと違って、Amazon独自のストアを使っていることから、対応しているアプリ数が少ないんです。たとえば、YouTubeアプリはないので、Webサイトを見るときに使うブラウザで見るしかありません。また、さすがに動作も非力ですし、液晶もそこまできれいというわけではありません。
——なるほど。YouTubeやゲームをしたい子どもは多いので、そういう意味ではあまり向かないのかもしれないですね…。
Fire 7 タブレット キッズモデルというものもあります。これは値段が11,980円と、普通のFire 7タブレットよりも高いですが、2年間は何度壊しても交換してくれたり、「FreeTime Unlimited」という、使い放題で子ども向けのゲームや動画が見放題というものもあります。「FreeTime Unlimited」は普通に使うと、月額480円になりますが、キッズモデルを買うと1年間無料になるので、実質的には「キッズモデルは、子ども向けの様々な特典がついている分値段が高い」と思っておけばいいと思います。
保護者がAmazonをヘビーに使うユーザーだったり、最初の1台はとにかく値段が安いものが欲しいという人だったり、すでに家にタブレットがあり、2台目の子ども専用のタブレットがほしい、というケースにピッタリだと思います(※注 サイズの大きいFire HD 10キッズモデル/19,980円もあり)。
——ほかに、Androidユーザーにオススメのタブレットはありますか?
個人的にはHUAWEI MediaPad T5 10などが良いと思います。これは2万円程度で買える割に、かなりコスパがいいAndroidタブレットだと思っています。もう少し画面が小さく、高性能なHUAWEI MediaPad M5 liteもいいですね。3万円ちょっとで適度な性能と値段、重量とバランスがとれています。どちらもキッズモードがあり、利用時間等の管理もすることができるのも使いやすいかなと。
―― ありがとうございます。最後に、タブレットを買う時の注意や考え方などがあれば教えて下さい!
いろいろ言いましたが、身も蓋もないことをいうと、ほとんどのご家庭でのタブレットの使用用途は「YouTubeやNetflixなどの動画をみる、ゲームをする、インターネットで何かを調べる」くらいに集約されるので、その意味では、どれを買ってもたいした差は出ないとも言えます。なので、デザインで選んだり、見た目が気にいるものを選ぶのでもいいのでは…と思う自分もいます。
また本体に高いお金をかけるより「キーボードやペン、タブレットを置くスタンド」など周辺機器を買うほうが使いやすさは格段に上がる気がします。特にスタンドは、2,000円程度で良質のものが買える割にさまざまな場面で使えるので満足度の高いアイテムです。性能にはそんなに差がないので、用途やデザイン、質感でぜひ選んでみてください。
取材・文/古川ケイ