【40代50代の美容医療】2020年上半期の大ヒットは【乳歯髄幹細胞】と【基底膜アプローチ】
コスメの世界において今年の圧倒的な話題といえば、乳歯髄培養上清液と基底膜アプローチと言えるでしょう。その潮流は美容医療業界にまで浸透中! 今までは美容医療からの化粧品の流行が当たり前でしたが、完全に順序が逆転したのは初めて。その逆転が起きた理由を今月は掘り下げます。
3年前はドクターすらまったく予想ができなかった乳歯髄培養上清液コスメの爆発的ヒットは読者のリアルボイスから
池田 コロナで生活が一変しましたね。外出の機会が減ったからこそ、ダウンタイムが必要な施術がクリニックでも人気になったり、美容医療の動向も今年は様変わりです。ダウンタイムが生じる施術時には、炎症を抑える乳歯髄培養上清液の点滴がマストになりました。
村井 うちでも乳歯髄の点滴を定期的に継続なさる患者さんが多数いらっしゃいます。こんな時期だからこそ、免疫力アップや感染症予防のためにも培養上清液やエクソソームが美容医療業界でも定着しつつありますね。当院では乳歯髄幹細胞培養上清液を取り入れたエステメニューも行っておりますが、最近はその認知度にも驚いています。
吉澤 美STで何回も取り上げられたレカルカ化粧品のサロンですね。
池田 美STの読者さんは良いもの、悪いものの仕分けが明白ですから、残っていくものこそがリアルなんですよ。
村井 効果を実感しなければ化粧品もクリニックの施術もリピートはあり得ませんからね。世の中にはこんなに化粧品が溢れていますが、それなのにすぐに売り切れてしまうレカルカは、やはり満足度が高いのでしょうね。実際、さまざまなヒト由来系の培養上清液がありますが、乳歯髄にスポットが当たるとは、3年前だったら考えられませんでしたから。
吉澤 患者さんからシルファームの評価を伺ったときも、実は予想以上の評価だったので驚き、光治療でもピーリングでも得られない肌感を得られるとハマっていらっしゃいます。肌の手触り、質感、透明感、ハリ感までは、なかなか自分ではわからないので、患者さんにいろいろと教えて頂くことも多いです。
池田 開発者のナー先生は天才肌のドクターで昔から信頼していますが、ダーマペンのようにドラッグデリバリーシステムとして、シルファームを今後は使うことも考えています。
売り切れ続出で入手困難なレカルカは、モデルや読者の口コミから大ブレイク!
幹細胞培養上清液の由来は脂肪、骨髄、乳歯髄、臍帯などさまざま。ではなぜ乳歯髄由来がここまでの評価を受けたかと言えば、EGF、FGF、IGFなど79種類の成長因子を含んでいるから。成長因子は各々役割が違うため、より多くの成長因子を含んでいればいるほど、あらゆる肌トラブルに期待度大。BABY CELL CREAM、EYE LASH SERUM G 302 、SYM SERUM ESSENCEは乳歯髄コスメブームを作った立役者ですが、特に欠品続きのシムセラムはベスコス認定間違いなし。
人気コスメは基底膜アプローチがキーワード。ならば基底膜レーザーもやってみたい!
ビバリーヒルズのセレブの肌メンテに欠かせないシルファームは、基底膜アプローチが可能な肝斑にも効果の高いマシン。有効成分をシルファーム後に塗布すればドラッグデリバリーシステムにより更に肌活!
医療が化粧品のトレンドを引っ張る時代は終わったと感じています
池田 毎月、美STを眺めながら感じるのですが、次から次へとコスメの新製品が登場し続けているわけで、美ST読者さんの美意識の高さと知識力に感服しております。肌感の流行や流行りのリップなど僕たちもしっかり理解していれば、カウンセリングもよりスムーズに運ぶだろうし仕上がりの満足度もアップするはず。
吉澤 ハイライトやシャドウの位置もトレンドがありますから、注入時に参考になるヒントがメークページにはたくさんあります。
村井 美人の基準に敏感であることも美容外科医としては大切ですよね。技術力はもちろんですが、感性のアップデートも常に意識していなければ。
池田 僕は「バレない、腫れない」が昔からのポリシーですが、ビフォー、アフターの写真を並べたときに、何を施して変化したかを他人に悟られたら失敗だと思うんです。何をしたかわからないけれどキレイになった! と感じてもらうのが僕の仕事。特に今回のテーマのように化粧品の延長上に美容医療の新しいポジションがある場合、患者さんは抵抗なく「医療」を受け入れてくださるわけだから、基底膜アプローチや乳歯髄培養上清液は新しい価値観を美容医療業界に植え付けてくれたと感じています。
吉澤 化粧品業界のトレンドをもっと勉強したくなりました。
村井 レカルカサロンにいらしてくださる方の美意識もトップレベルだと思います。うちは化粧品と距離感が近いこともあり、医療だけで何とかしようと初めから考えずに、患者さんが取り入れやすい、受け入れやすいことからスタートしています。
池田 昨年の美STスパークビューティフェスにいらしていたゲストや美魔女さんも本当に若々しくキラキラしていて圧倒されました。雑誌が日本女性のQOLを確実に底上げしています。
美に関するアドバイスをトータルで提案できる環境が2020年のクリニックの理想像
柔軟な吸収力と知識を備えていなければ、美ST読者と感性を共感し合えないんです
美STは教科書。「美の空気感」を毎月しっかり追求しながらインプット
2020年『美ST』7・8月合併号掲載 撮影/中村 香、清水ちえみ 編集/小澤博子