甘くして飲むのがスタンダード。美を育む【ほっこり欧米のお茶】6選

暑さ寒さに関係なく、甘い飲み物が好きな印象がある欧米。ティータイムが長い&回数が多いのも特徴です。また、モロッコの人は宗教上お酒を飲まないため、嗜好品として甘いお茶文化が発展したという説も。体と心を癒す世界のお茶を紹介します。

【ロシア】紅茶&ヴァレーニェ

東京・用賀のロシアンビストロ「イクラバル」のシェフ。ナターリヤさん特製のヴァレーニェ(ミックスベリー、ブルーベリー他季節のフルーツ)はお店で購入することも可能。「ロシアンティーというと、紅茶にジャムを入れたものというイメージがありますが、手作りのヴァレーニェを口に含みながら紅茶を飲むのが基本。ロシア人はティータイムをとても大事にしていて、わが家には代々伝わる紅茶のブレンドレシピもあるんですよ」

教えてくれたのは……松野ナターリヤさん

紅茶のおともに欠かせない自家製のジャム=ヴァレーニェ。夏にはヴァレーニェを水で割った「モルス」が定番。各家庭で作るヴァレーニェを食べながら、たくさんの紅茶を飲む。

【アメリカ】アップルサイダー

りんごとスパイスが好相性。ホリデーシーズンの定番ドリンク

ハロウィンや感謝祭、クリスマスの定番で、寒い季節に体を温めてくれるドリンク。アメリカで〝サイダー〟といえば「りんご果汁」。

りんごジュースに、シナモン、クローブなどのスパイス、オレンジなど柑橘のピールを好みで加えて煮出し、熱々を飲む。

左・【イタリア】オルヅォ 右・【イギリス】バーリーウォーター

左・オルヅォ/古代種の大麦を焙煎してコーヒーのように味わう
見た目も味もインスタントコーヒーに似ていますが、ミネラル豊富でノンカフェイン。イタリアではエスプレッソマシンで抽出するのが定番です。

右・バーリーウォーター/レモンバームの香りが爽やか!夏にぴったりの「白い麦茶」
日本の麦茶は焙煎した麦を使いますが、英国のそれは精白した大麦を煮出した、薄い乳白色の飲み物。レモンバームとレモン汁がたっぷり入ります。

オルヅォ

イタリアに古くから伝わる大麦飲料で、麦を煎って細かく砕いたものをお湯に溶いたりエスプレッソマシンで抽出して飲む。

バーリーウォーター

精製した麦とレモンバームをとろ火で煮出し、レモン汁、砂糖、クエン酸を加えて煮詰め、シロップ状にして保存。水や炭酸水で割って飲む。

左・【モロッコ】ミントティー 右・【ドイツ】ハーブティー

左・ミントティー/ミントの香りと強烈な甘みが高い気温と乾燥した風土にぴったり
町中のカフェやレストラン、家庭でも親しまれているミントティー。フレッシュミントと砂糖はとにかくたっぷり。その激甘がいつしかクセになります。

右・ハーブティー/家族の健康と癒しに欠かせない多種多様な薬草茶
ドイツでは紅茶よりもハーブティーやフルーツティーが人気。普通のマーケットでも多種多様なお茶が並び、嗜好品としてはもちろん、メディカルハーブティーとして常備する人も多いのです。

ミントティー

中国緑茶とたっぷりの砂糖、ミントを入れたポットに熱湯を注ぎ、しばらく蒸らせば出来上がり。甘さが夏の疲れを癒してくれる。

ハーブティー

写真は呼吸器系のトラブルに役立つサルビア(セージ)、リラックス作用のあるリンデン、ジャーマンカモミール。

2020年『美ST』10月号掲載 撮影/高梨浩二(人物)、小林愛香(静物) フードコーディネート/中山暢子 取材/伊藤由起 編集/小澤博子

美ST