【性教育】「生理」について子どもに正しく伝えるには?

こんばんは!とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事・のじまなみです。

今回は、「生理(月経)」についてよく寄せられる質問をテーマにお話ししたいと思います。

 

今、初経を親に相談しない女の子が増えていることをご存じですか?

私たちの時代よりもインターネットが身近であるだけに、幼い頃からアダルトコンテンツを見ている子どもは親が想像している以上に多く、小学校高学年になる頃には「性に関する話題=いやらしいこと」、つまりタブーであるととらえていく傾向にあります。

親子で体のことや性のことについて話す習慣がないとすると、自分の体に起きた変化について相談する先はやはりインターネット。「生理」についての正しい知識を得る前に、性についての歪んだ知識を得やすい状況にいるのです。

 

一方では、生理について正しい認識を持とうと促す動きが広まっているのも確か。男女ともにポジティブに受け入れられるよう、どう子どもたちに伝えていけばいいのか、大人たちの課題といえそうです。

では、具体的に寄せられたご質問を例にお答えしていきます!

 

 

Q:生理のこと、伝える?隠す? 子どもへのよい伝え方を教えてください。

 

「驚かせたくない」「説明の仕方がわからない」といった思いから、生理について隠しているというママもいらっしゃるかと思います。

実は、生理はもっとも「性教育」に適したタイミング! お風呂の際に、経血を見た子どもは『ママおなか痛くないの?』『怪我したの?』『こわい!』など、本当に様々な反応をしますが、どれも素直な反応です。中には驚きのあまりママが病気になっちゃった!とショックを受けてしまう子もいます。そうならないように、お風呂に入る前に生理の説明をしてから入るといいですね。

 

『生理は赤ちゃんの卵のベッドの交換日なの。あなたもふかふかの布団で眠ると気持ちがいいよね? ママの子宮も同じように、いつ赤ちゃんの卵が来てもいいように、ふかふかのベッドを毎月用意しているのよ。そして古くなったベッドは毎月1回、新しいベッドに交換されているの。その時に血液が出てくることを生理というのよ』
『生理は、自分の体を知っておくために大切なことでもあるの。病気ではないけれど、少し疲れたり、眠かったり、お腹が痛かったりすることもあるから、自分の体の声を聞いて、そのときの自分にあった付き合い方をしていけばいいんだよ』

 

伝え方もご家庭によって様々だと思いますが、こんなふうに毎月話してあげると、生理への抵抗感は減り、優しさと思いやりをはぐくむことにも繋がります。女の子でしたら、入浴時マナー(体を洗った後に洗い場が汚れていないか意識すること、湯船に月経血が浮いていたら取り除くなど)も伝えることができますよね!

外出先で一緒にトイレに入った際に「ママが大怪我してる⁉︎」と、パニックになる子どももいるため、前もって知らせておくことをオススメします。

 

 

Q:男の子にはないから、息子には生理について説明しなくてもいいですか?

 

いいえ。ぜひ、ママの言葉で生理について説明してあげてください。男の子が生理について知っておくことはとても大切なことです。PMS(月経前症候群)のことを含め、女性の体の仕組みについて正しく理解しておくと、お年頃になった時に相手を気遣う気持ちを持った優しい子に育っていくことでしょう。

 

 

Q:どうしても自分自身が生理にネガティブなイメージを持っていて、娘に正しく伝えられるか心配です。

 

A:お子さまが、生理に対してどんな印象や感情を育むかは、親の影響がとても大きくかかわっているといわれています。しかし、だからといってママの生理で起こる不調を無理に隠す必要はありません。「生理だからお腹が少し痛いんだよ。だから優しくしてくれたらうれしいな」と素直な気持ちも一緒に伝えることで、自分を大切にし、お友だちを思いやる子になってくれるかもしれません。

お薬に頼る方法もあるし、最近では生理用品も機能的かつバリエーションが豊富になり、生理とのつき合い方も多様化しつつあります。初潮を迎える前からお子さんと一緒に語り合う、そこからスタートしてみてくださいね!

 

また、生理を迎える年齢くらいになると、自分の性に戸惑いを覚える子もいるため、大人の女性への変化である第二次性徴をポジティブに受け入れることが難しい場合も。いろんな会話をしていく中で、お子さんがどんな気持ちを普段抱えているのか、いつでも打ち明けられる関係を築くことが子どもたちの心の安定にもつながっていくことでしょう。

 

イラスト/おぐらなおみ 出典:『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)

 

 

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◉のじまなみさん

性教育アドバイザー。防衛医科大学校高等看護学院卒業後、看護師としてのキャリアを経て、2016年「とにかく明るい性教育【パンツの教室】」を設立。夫と3人の娘の5人家族。著書『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)『男子は、みんな宇宙人! 世界一わかりやすい男の子の性教育』(日本能率協会マネジメントセンター)がヒット中。

『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』のじまなみ/著 おぐらなおみ/イラスト(辰巳出版)¥1,400