【中学受験⑨】実際に気になる学校に行ってみよう!
皆さん、こんにちは。教育ジャーナリストの鳥居りんこです。今回からは、いよいよ「実際に学校説明会に参加してみよう!」編をお送りします。
「学校説明会へはいつごろから参加したほうがいいのかしら?」と優雅に考えている時間はありませんよ。中学受験を考え始めたら、学年に関係なくすぐに行ってください!学校説明会はスピードが命なんです。
まずは「行く前のウォーミングアップ=準備」です。
この連載でもお伝えしていますように、中学受験の志望校選びは“結婚相手”選びとそんなには変わりません。ならば、1度は結婚したことがあるであろう母であるあなたは経験者!「お茶の子さいさい、楽勝!」ってなもんですよ!自信もって、意中の相手を探しに行きましょう。
前回お伝えしたように、通える範囲内の学校の中で、HP或いは公開中の学校動画などを覗いてみて「ここ、いいかも!?」とちょっとでも好感を持てた学校、それはすべて「志望校リスト(仮)」に入れます。
さあ、ようござんすか!?早速、「狩り(=意中の学校調査)」に参りますわよ。
1 学校説明会にエントリーする
今年も既に各校、学校説明会シーズンを迎えております。昨年はオンラインのみの説明会に追い込まれていた学校さんたちの多くが「リベンジ!」という熱い思いで、現地での学校説明会を実施しています。
しかしながら、ご存知のとおりのコロナ禍です。3密を防ぐ意味でも、ほぼすべての説明会は“予約必須”。当然、定員があります。
学校説明会情報は「2022年中学受験・イベント・説明会日程」みたいな検索キーワードで一目瞭然。もちろん、塾もそのスケジュールは情報発信していますので、塾のHP、或いはお子さんが持ち帰る「チラシ系」もくまなくチェックしましょう。特に、ランドセルの底にプリント類が蛇腹状に潜伏しがちなお子さんのママたち、要チェックですよ。
特に、人気校は「即日満員御礼」で〆切りますので、まずは「気になったら→GO!」です!
2 オンライン説明会を視聴する
昨年度、このコロナ禍で学校のICT化は著しい進化を遂げました。ほとんどの学校がオンライン説明会の開催にこぎつけられたわけですが、今年は経験値をさらに上げて、各校はオンライン説明会にも動画配信にも力を入れ続けています。
実際に、学校の空気を吸いに行くことが一番良いのでありますが「予約できなかった」「日程が合わない」「既に終わっていた」など、ご家庭には色んな事情がございます。
そういう時、一昔前は「参加を諦める」という選択肢1択だったわけですが、今の皆さんは違います!あなた方には「オンライン視聴」という道もあるのです。いい時代になりました。さあ、早速、オンライン説明会に予約を入れましょう!
「え~?また予約が要るんかいっ!?」ですか?
そうですよ、ほぼ全ての学校に「予約」が必要です。自分が「どこの誰か」をお伝えすることは、もうマナーですね。何故なら、私学は「(学校から)選ばれし者が行く場所」。 学校を選びに行くのですが、同時に“選ばれし者”として名乗りを上げなければなりません。
「メアドとかパスワードとか書き込むの、めんどくさ!」とお思いでしょうが、「お子さんの名前」を残しておくことは、決して損にはならない(かと言って、めちゃくちゃ有利になるという意味ではないので誤解なきよう。このことは、また別日にご説明しましょう)ので、登録を頑張りましょう。
ぶっちゃけね、中学受験は「めんどくさがりママ」には向かないものなんですが、大丈夫!あなた、既に塾に大金、払ってますから「元を取るため」に、ムクムクと力が湧いてきますから!
3 イザ、出陣!の準備を開始する
学校説明会に参加する前に、お勧めしておきたいことがあります。それは「ノート作り」。学校ごとに我が家オリジナルの「評価ノート」を作成することです。
学校説明会は2時間あまりの時間で開催されることが多く、駆け足で説明されます。理念や教育方針、6年を通してのカリキュラム、学習の様子、行事、部活、進路進学指導についての説明が主ですが、これに校内見学などがセットされることもあります。これらは、アッと言う間で、慣れない内は、よく分らないまま終わってしまうこと多し。
これは場数を踏むごとに「ふむふむ」と納得しながら聴けるようにもなるのですが、ビギナーさんには、ちょっと辛いかもしれません。独特の“雰囲気”があるんですね。
しかも、「学校説明会あるある」が待ち構えているわけです。ママたちは私から見れば、まだまだ十分すぎるくらいの若ママですが、それでも“お年頃”年齢ではあります。この“お年頃”の注意点は!?
学校にお邪魔する毎に「何処の学校の話だったかを思い出せなくなる!」。「あれ?あの先生、いいこと言ってた気がするけど、どこの学校の先生だったっけ?」なんてこと、普通にあります。いや、あなたが悪いわけではないです。みんな“お年頃”のせいですから!
これの解決方法がこれです。「我が家オリジナルノート」の記入。是非、記憶が鮮明な内に「我が家オリジナル評価表」にその「訪問記」を残すことをお勧めします。
まずはあらかじめ「共通事項」を選出しておきましょう。これは、自分がチェックしたいと思っていることを洗い出すって意味です。
例えば、図書館の蔵書の数、プールの有無、望む部活動の有無、校庭の広さ、トイレの綺麗さ、学食の有無、生徒の雰囲気、大学合格指導、めんどうみの良さなどなど・・・。
簡単に〇×△で記入でき、後で見返した時に、その学校の空気が思い出せるものに仕上げることが目的です。このノートが実は大切。最終的な併願校を決める際の重要な鍵になってくれるので、「覆面調査員」にでもなった気分で、敵情視察(いや、敵ではないですから“味方”情視察ですかね?)して来ていただきたい。そのために、まずはこの「ノート」を事前に用意しておいてくださいね。
次回は6月15日にお会いしましょう。
鳥居りんこ・・・作家、教育・介護ジャーナリスト
003年、長男との中学受験体験を赤裸々に綴った初の著書「偏差値30からの中学受験合格記」(学研)がベストセラーとなり注目を集める。
その後シリーズ化され、悩める保護者から“中学受験のバイブル”と評され、中学受験を辛かった思い出ではなく、子どもとの絆を感じられ、子育てが楽しくなる内容に、心救われ涙する保護者が続出しました。
ブログ:湘南オバちゃんクラブ https://note.com/torinko
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構成/加藤景子 イラスト/村澤綾香