【元AKB48高橋みなみ】総監督としてモチベーションを保てた秘密を明かす
20代が抱える、社会人としての悩みに高橋みなみさんが答えるこの企画。今回は仕事におけるモチベーションに関する相談が寄せられました。仕事の結果は出せているけれど、目標が見つからない–。たかみなさん、どうすれば!?
※この記事はJJ2017年4月号を再掲載したものです。年齢などはすべて当時のものとなります。
今月のお悩み
仕事のモチベーションに悩んでいます。
今の仕事に就いて3年。部内ではある程度の成績を出していて、同期の中では一番です。また、まだ他の部署への異動はなさそう。目標を立て、それを実現し、と繰り返しているうちに、次に達成したい目標を失ってしまった感じです。
先輩に相談しても「まだ若いんだから言われたことをやっておけばいい」と返されるだけ。長い間芸能界で活躍されているたかみなさんは、大きな目標を掲げられない状況に立ったとき、どうやってモチベーションを保ったり、上げたりしていますか?
(メーカー勤務・25歳 H.Eさん)
小さな目標からコツコツと。いつか大きな財産になるから
あなたにとって今こそ本当の試練だと思います! お話を聞いて、仕事に対しての貪欲な姿勢は素晴らしいという印象を受けました。私がAKB48に在籍しているときは、例えば「紅白(歌合戦)出場」とか「東京ドームでライブ」など、明確な目標があったから、それに向けてひたすら進むことが第一でした。ある程度達成できたとき、もちろん次のステップについて考えますよね。応援してくださっているファンの方々の顔も浮かぶ。目標を設定して、達成して、を続けなくてはいけない時期がくるわけです。モチベーションを保つこと。実はこれが一番大変。思い返せば、長い間もがいていたように思います。
まず部署内で成績を出せていることは、すごい!結果を出して次のステップへ進むことって、誰でもできることではないと思いますし、やりきった課題は次の課題への原動力にもつながります。先輩からのアドバイスで「言われたことをやっておくように」とありますが、このアドバイスは聞いておいたほうがいいのではないでしょうか。勇み足になるよりしっかり受け止めて、あと2、3年先のゴールを作ってみてはどうですか?なぜなら、異動ってあなた一人だけの問題ではないからです。先輩や上司など周りへの配慮も忘れずにしたほうがいいと思います。そうして、自分の中でタイミングだと思ったら、明確な時期とともに「次のステップに進みたい」と伝えてみてください。それが社会人の礼儀だと思います。
ハードルが高い目標を立てることは悪いことではありません。それはいつか叶うものだと思います。私の場合、大きな目標はもっと先の未来にある、と心に留めておいて近くにある目標から根性で乗り切ってきました。
もちろん挫折だってたくさんありました。納得がいかない結果のときは、まず何がだめだったのかを考えます。引きずるとうまくいかなくなる。失敗あってこその成功。一回で成功なんで、まぐれに近いということも経験が教えてくれました。目標をクリアしたとき、その結果を明確に褒められるのって自分しかいないんですよね。
マラソン中にこまめに水を取るように、適宜自分を褒めることって大切。息抜きのチェックポイントは必要。私も走り続けたらその都度息抜きや自分へのご褒美を考えたりします。モチベーションは人それぞれですが、目標に向かい続けるといつか自分の本当にやりたいことが見えてきます。悔しいことも、うれしいこともたくさん乗り越えて。途中でやめなければ、自分の人生がもっと豊かになる感覚がつかめます。すぐに結果を求めようとせず、あなたらしく走り続けてみてください!
撮影/玉井俊行 ヘア・メーク/Chisa〈ROI〉 スタイリスト/黒田菜菜子 取材/角田枝里香