「夫婦のセックスレスを描こうと思ったのは自身の体験もありました」。漫画家・花津ハナヨさんインタビュー
『情熱のアレ 夫婦編~夫婦はレスになってから!~』作者・漫画家 花津ハナヨさん
1993年「なかよし」でデビュー。 2児の母。代表作は『CAとお呼びっ!(』小学館)。レスを描いた 『情熱のアレ』シリーズが大人気。
「私自身レスに悩んだ過去も。 話を聞いてもらったり、漫画を描いてアウトプットの場を作ることで気持ちが楽に」
『情熱のアレ』は10年ほど前にカップルのセックスレスを描いたものでしたが、今回夫婦編を描こうと決めたのは自分の体験もありました。
産後、仕事復帰するかのタイミングに多忙を極め、セックスレスに。性欲がまったくなくなってしまったのを、宋先生(丸の内の森 レディースクリニック院長)に相談したところ、性欲よりも夫婦関係に問題があるのでは? と指摘され、それが今作を描くきっかけになりました。
そもそも上の子を出産した時、夫の仕事が忙しく、ほぼワンオペ育児だったんですね。初めての子育て、生活のすべてが赤ちゃん中心で周りに相談できる友人もいない。辛かったですね。きっとその時、夫に吐き出せなかった思いが残っているのか、今でもモヤッとすることも。それが宋先生に指摘された夫婦の問題だったかもしれません。
最近は、夫との生活の中でモヤッとしたら手紙で伝えるようにしています。口でうまく伝えるのは、難しい時もありますよね。 本来、ちゃんとコミュニケーションが取れていたらセックスレスにはならないのかもしれないのですが、夫婦間って伝わりにくいことが多々あるもの。そんな時は相手に期待しすぎないのも大切かもしれません。
取材は、どちらかというとレスよりもセックスフルの方を中心に行いました。どうしたら良好な関係を保てるのか知りたくて。 うまく続けるには、「この日にしよう」とか「二人でデートする日」を決めているご夫婦が多かったですね。
付き合っている時は自然な流れでできていたものも、子供がいるとそういう流れになりにくかったりするものですよね。 実はそんなふうに話せるようになったのは、ここ何年かで。長女が保育園に入りたての時は自分のことを話せず友達もできにくかったんです。
自分はこういう人間ですって先に伝えたほうが良好な人間関係を築きやすいと改めて思いました。 こうして、いろんな人と話すことは大切。 セックスレスや、他のことで悩んでいる方には「どうか自分の中に溜めないで!」と言いたいです。
私にとっても漫画を描くことがアウトプットの一つ。心の中に溜め込んでいるものを、外に表現することで少しスッキリすることができます。ブログでもいいかも。
あとはこの作品が、息抜きだったり気分転換になってもらえたらと思って描いているので、何かにつまずいた時、お手に取ってもらえたら嬉しいです。
イラスト/花津ハナヨ 撮影/河内 彩 取材/竹永久美子 ※情報は2021年6月号掲載時のものです。