内田恭子さんが大人に支持される理由【ファッションについて綴る新連載スタート】

知性のある上品なファッションと聡明なキャラクターで人気の内田恭子さん。VERY NAVYで、彼女が愛する「モノ、コト、場所」を通じてその〝審美眼と価値観〟を知るエッセイ連載がスタート。今回はご自身の誕生石でもあるパールのお話です。

内田恭子さんの

my LEGEND++vol. 1++

“10年もの”

ウエダジュエラーの
ロングパールネックレス

 ウエダジュエラーとの出会いは遡ること20年以上前。帝国ホテルにある創業130年以上続く老舗宝飾店の4代目植田さんは大学のゼミの先輩。まだ学生だった当時は、手の届かない“大人の世界”だなと遠くに感じていたのに、ここ10年ほどは、自分へのプレゼントとかご褒美だとか理由をつけつつ、目の保養に訪れる。ウエダのジュエリーは、質の高さはもちろんのこと、凜としながらも、決して主張しすぎない存在感がいい。一生使えるものだから、もし娘がいたら「これは昔母が着けていたもので…」なんて言って欲しかったのに。
 数年前に家族でふらりとお邪魔した時のこと。「すでにフォーマルなパールが一本あるなら、次にお勧めなのがこれ」と、植田さんが出してきてくれたロングパールネックレス。小粒のアコヤパールが潔く並んでいてシンプルなのに華やかな感じ。
 6月生まれの私は、若い頃パールの誕生石が好きになれなかった。なにせ「お母様」のイメージが強いし、もっと光り輝くダイヤモンドやエメラルドに憧れていた。それが今ではその艶やかさが美しいと感じる。それに普段使いにしても、パールに負けない年齢にもなってきた。
 だけどパール選びは難しい。種類やサイズ、長さによってはどうしても保護者会のお母様感が増してしまったり、畏まりすぎてしまう。でもそんな心配は必要ないくらいバランスのいいロングパールネックレス。
 私はシンプルなスタイリングが多いけれど、それにパッと輝くアクセントをだしてくれる。急なお出かけやお呼ばれにも、それを身に着けるだけでなんとかしてくれる優れもの。
 動くたびに胸の下の方でパールたちが大きく揺れているのが目に入ると、気分も上がります。二重にしたり結んだり、たらんと一重でジャケットに沿わせたり、きちんとしているのに遊び心がある。どんな場面に出て行っても恥ずかしくない良識と華やかさがありながら、楽しむ余裕を忘れない大人。私もそんな人でありたいな。
Jacket_Celine One-Piece_Totême

Profile

内田恭子さん

1976年生まれ。フジテレビのアナウンサーを経て、結婚を機にフリーランスに。現在は幅広いメディアで活躍する一方、上品かつ高感度なファッションも話題に。11歳と8歳の男児のママ。

モデル・文/内田恭子 撮影/谷田政史〈CaNN〉 ヘア・メーク/佐藤健行〈HAPP’S〉 スタイリング補助/三上津香沙〈DBless〉 構成/松井美雪 編集/羽城麻子

 

VERY NAVY10月号『 [新連載] 内田恭子さんのMy LEGEND vol.1 ウエダジュエラーのロングパールネックレス』から
詳しくは2021年9/7発売VERY NAVY10月号に掲載しています。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。
*すべて内田恭子さんの私物です。