【レシピ】いつもの料理を10分で ⑭炊き込みご飯
しっかりと時間をかけて作る日もあるけれど、それでは毎日がまわらない……。
とはいえ、時短料理は溢れているけれど、
ただただ短い時間で料理ができればいいと思っているわけではない……。
「なぜ」このやり方なら、10分で作れるのか?
「どこ」さえおさえていれば、味の要が守れるのか?
理由を知っていれば、レシピを見続けなくてもサッと作れるようになる。
料理研究家の上田淳子さんに、(ほぼ)10分で作るための、省いていい部分・守るべき部分、そして”発想の転換方法”を教えていただきました。
もちろん、時間をかけて作るレシピは素晴らしいけれど、
日々の小さな幸せには、こういったレシピも必要だなと感じるのです。
この作り方は、”本物じゃない”と思われる方もいるかもしれません。
ですが、名前のついた料理の”想像する絵”にこだわりすぎなくてもいいのではないでしょうか?
定番料理を作る際の、
こういう方法にしてもありなのでは? という
振り幅の広さを紹介していきます。
VOL.14 炊き込みご飯
さて今回のテーマは、「炊き込みご飯」。
炊き込みご飯は、どんな具材をどう入れてもいいわけですが、
例えば人参のせん切りやささがきゴボウ、油揚げの細切りなど、何かと細かく刻むイメージがありますよね。
そんな炊き込みご飯の定番イメージが先行してしまうからこそ、作るのに二の足を踏んでしまう。
でも発想を変えればもっと気軽に作ろうと思えます。
ということで、今回は炊き込みご飯をほぼ10分で作っていきます。(浸水時間/炊く時間を除く)
むしろ5分以内で下準備は完了します!
ほぼ10分で作れるのには、理由がある…!
※浸水と炊飯時間を除く
具材は刻まない!大振りなままで。
炊きあがったらしゃもじで具材を崩せばいい。
具材は、刻みません! ある程度ざっくりと大ぶりに刻んで終わり。
あとは、炊飯器にお米・昆布と一緒に入れてじっくり炊き込むだけ。
そして、炊きあがったらしゃもじでざっくりと具材を崩せばいいのです。
大ぶりなままで炊くからこその具材のホクホク感、ふっくら感も存分に味わえるし、何よりも具材本来の甘み・旨みを感じやすい作り方になっています。
細かく刻んだ炊き込みご飯はそれはそれの良さがありますので、ある意味別もの。
具材を楽しむ炊き込みご飯として作ってみてはいかがでしょうか。
炊き込みご飯
【材料】 2合分
- 鶏もも肉(唐揚げ用)…150g
- サツマイモ…小1本(150g程度)
- シメジ…小1パック(100g)
- 米…2合
- 昆布…5cm角1枚
- 塩小さじ…1弱
- 黒いりごま…好みで
※しょうゆ味にする場合は、塩を入れずに水大さじ2を減らして、醤油大さじ2を加えてください。
※しめじから水分が多少出ます。炊きあがり、固めのご飯が好みの方は少し水を減らして作っても。
【作り方】
1.米は洗って水けをきる。炊飯器の内釜に洗った米と2合のラインまで水を入れて30分ほどおく。
2.しめじは石づきを取る。サツマイモは1cm程度の輪切りにする。
3.1に塩を入れさっと混ぜ、昆布、2と鶏肉を入れ炊飯する。
炊きあがったら、昆布を取り出し、しゃもじで、具材を崩しながら混ぜる。好みで黒いりごまを散らす。
※鍋炊きでごはんを炊く方へ。
加熱時間が炊飯器より短いので、サツマイモはあまり厚く切らないほうがちょうどよくホクホクに炊きあがります。
【バックナンバー】
【PROFILE】
上田淳子:料理研究家。スイスやフランスのレストランで修業を積み、現在の道へ。食育の活動も行う。著書多数。近著に『ごちそうしたい、ほめられたい 実は簡単! ハレの日ごはん』(NHK出版)、『上田淳子のチキンスープ − 鶏肉=具材、スープ。簡単、本格的。』(グラフィック社)など。
撮影/大森忠明 文・構成/松本朋子