HERS的気になる器作家さんたち　⑨林沙也加さん

林沙也加さん
カップ&ソーサーM

カップの底の丸みとソーサーのくぼみがぴたりと合う精密なデザイン。ソーサーは小皿として使っても。￥7,700。カップ約Φ7.5×高さ5cm、ソーサー約Φ11×高さ3cm

「磁器土は水を含ませるとしなやかに伸び、器に柔らかな曲線やハリを与えます。その性質に導かれるようにして生まれたのがこのカップ&ソーサーです」という林沙也加さん。たまごのようにスムースな触り心地は、作家がろくろの上で感じてきた土のしなやかさを連想させ、なんとも気持ちがいい。
かつて中国の山村を訪ねた際、数人でひとつのテーブルを囲み、磁器の茶盃で何煎もいただいた素朴なお茶が、林さんにとって理想のお茶時間。磁器は極限まで薄く作ることもできるけれど、あの時のように緊張せずに使えるものがいいと思うから、光にかざすとわずかに透けるくらいの適度な厚みにとどめているそう。お茶をこよなく愛するからこそ生まれた形に、ひとめ惚れ。

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撮影／邑口京一郎　取材・文／衣奈彩子　構成／松本朋子

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