「幸せに働く」ためにはどうすればいいですか?専門家がアドバイス
ジャーナリスト・浜田敬子さんから、40代の後輩たちへ。幸せに働くためのアドバイス。
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「自分で選んでいる」と思える働き方ほど、この先の幸福度は上がります
◯ 浜田敬子さん
AERA編集長、BUSINESS INSIDER JAPAN統括編集長を歴任し、現在はフリージャーナリストとして活躍。「羽鳥慎一モーニングショー」や「サンデーモーニング」などのコメンテーターや、ダイバーシティーや働き方改革についての講演なども行う。著書『働く女子と罪悪感「こうあるべき」から離れたら、もっと仕事は楽しくなる』(集英社)が同世代女性の共感を呼び話題に。
時短勤務が制度化されたのが2005年。出産がそれ以前か以降かで40代でも働き方や意識はだいぶ違うかもしれません。
でも今なお、日本のワーキングマザーは、子どもへの罪悪感やマミートラックなど、「こんなに頑張っているのに、なんのために働いてるのか」という思いを持つ局面が多く、結果、仕事を辞めてしまうことが一番の問題。子育て中は「キャリア」より働き続けることを優先したい人、変わらずバリバリ働ける環境の人など、一律ではありません。
今回のテーマでもある「働く幸福度」は、自分がどう働きたいかを上司(それ以上に夫)と交渉し、働き方を自分で選べているかどうかが大きいと思います。
満足感は、自分の人生をコントロールできてこそ得られるもの
フリーランスを選ぶ人も増えていますが、ある程度時間や場所を自分で決められる、シームレスな働き方も幸福度は高いはず。要は、時間を効率よく使い「自分の人生をコントロールできている」と実感できる人ほど幸福度は高まるはずです。
私自身も2年前にフリーランスになり、産後15年目にして子どもが帰宅する時間に家にいて、家族3人が揃う夕飯を新鮮に感じています。仕事の合間を使えるようになったら、苦痛になっていた料理も再び好きになりました。何があるかわからない人生で、仕事は自分が自由に生きるための手段。できるだけ辞めない選択をとれたらいいですね。
40代からの再就職は、10年以上ブランクがあると企業へは難しい場合も多いのは事実。でも、長らく専業主婦だった私の同級生たちも今は皆、自治体・市役所の臨時職員、前職の保険の審査業務の経験を生かしたアルバイトなど何らかの仕事をしています。NGOのボランティアを始めた人は、やがて能力が評価され、海外出張までしていました。
事務系のブランクがあるなら、家事のスキルを直で活かせる、家事代行や料理の作り置きサービスの仕事もあります。私も含め、このサービスなくしては仕事が回らない人は多く、どれだけ助けられているか。自分が稼いだお金を、家事スキルにお支払いし、その方の自立や満足度につながるなら、女性たちの間で循環するこのお金と敬意は、究極のシスターフッド。女性同士の助け合いだと思います。
この先は子育てだけじゃない、介護が始まる人も少なくないでしょう。そうするとね、「あなたの休みはいつ?」という状態になります。だから週に1度は映画1本でも、カフェで1時間お茶でもいいから自分の自由になる時間を持って。
これも、自分で人生をコントロールしていると思える大事な時間。何より心と体を健康に保つことが幸せには欠かせません。
撮影/河内彩、BOCO ヘア・メーク/只友謙也、谷口結奈<ともにP-cott> 取材/小菅祥江、竹永久美子、角田ひかる ※情報は2022年9月号掲載時のものです。
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