「持続可能なまち」とは?モデル小野千恵子母娘のSDGs取材
「バターのいとこ」を知っていますか?那須の牧場で牛乳からバターを作る際に出る大量の無脂肪乳を使い、その価値を高めることで、食べる人、酪農家も、お菓子を作る地域も、みんなが幸せになり、地域の活性化につなげたいという思いから生まれたお菓子です。
それがファッション界を牽引したビジネスマンの心も動かし、今回ご紹介する「持続可能なまち」へ。経済効果があって、はじめて「持続可能」になることを教えてくれる、今回のストーリーです。
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GOOD NEWSの持続可能なまち
東京ドーム約1個分、豊かな森の中で「森との共生」をキーワードにした観光施設。那須の銘菓「バターのいとこ」と、サマンサタバサ創業者が代表を務めるサマンサグローバルB&Rがタッグを組み、その思いに共感する食やライフスタイルのテナントが集結。
就労支援を備える食品製造工場の併設、施設内のゴミを減らしていく取り組みを積極的に行い、来場者を含め関わるすべての人が幸せになる「観光、福祉、農業」の一体化を目指す。
栃木県那須郡那須町高久乙24-1 https://gooooodnews.com/
今回のSDGsへの取り組み
◯ 対談したのは...
サマンサグローバル B&R/GOOD NEWS
非常勤取締役・世永亜実さん
サマンサタバサのカリスマプレスから取締役へ。その経験を活かし、オイシックス・ラ・大地でも活躍。2児の母として、ビジネスパーソンとして、環境問題に取り組む。
<右>モデル・小野千恵子さん
ヨーロッパ生活も経験し環境意識も高い2児の母。夫はサッカー元日本代表の小野伸二選手。欧米では企業の社会貢献も投資の指針だと語る。
<左>小野里桜さん
幼い頃から続けているミュージカルの活動と、部活のライフセービング部にも力を入れている高校1年生。本日お気に入りの「いとこのドーナツ」は友人の土産にもセレクト!
◆ SDGsをいかにして持続可能なビジネスとして成立させるのが、企業の役割だと思うんです
里桜
一つのお菓子から、こんな大きな〝まち〟ができるってすごいですね!
世永
そもそもこの「バターのいとこ」は、地元の起業家と東京の著名なパティシエがタッグを組み、廃棄される無脂肪乳を使って作ったお菓子なんです。那須は酪農が盛んですが、牛乳からバターを作る工程で、90%が無脂肪乳となって廃棄になっていました。もったいなくても、小さな酪農家では対処できなかった課題でした。
千恵子
それが地元の起業家の力で、美味しいお菓子に生まれ変わって、大ヒットになったのですね。
世永
はい! その美味しさやコンセプトにサマンサタバサ創業者で元社長も感銘を受け、新たなタッグを組むことで、さらに大きな「まちづくり」という構想になりました。
◆ 廃棄するものに付加価値をつけて大変身させる、デザインの力ってすごいですね!
千恵子
ドーナツやブラウンチーズブラザーなど新しいお菓子も美味しいです。
里桜
牛さん愛に溢れたデザインもネーミングも可愛い!
世永
社会の課題をデザインの力で解決したいという思いがあります。物を買うとき、デザインは大事な要素。ファッション業界にいる私たちが自負するノウハウで、サステナブルなアクションを形だけにせず、ビジネスとして成り立たせることが大事だと思っています。
千恵子
企業だからこそサステナブルは非営利なものになるのかと思っていました。
世永
社会貢献=自己犠牲ではアクションは、なかなか広がらないと思っています。良いことをして、豊かに生きていける、誰もが憧れるビジネスにしたいんです。
◆ 今日、私が貯めたポイントがこの施設の何に役立つか楽しみです!
里桜
お菓子以外のお店もあるんですね。
世永
規格外で市場に出せないロスフラワーを販売するお店や、切った髪の毛を堆肥化するバーバー、地元だけではなく全国からあらゆるサステナブルショップが出店してくださいました。レストランエリアには、ミシュラン一つ星シェフ・鳥羽周作さんが率いる「シズる」がレシピ監修したレストランも今後オープン予定なんですよ。小さな1店舗だけでは叶わない集客や訴求力も、多くが集まることで大きな力になります。
千恵子
それが地元経済の発展につながりますね。
世永
はい! 食品製造工場は様々な背景を持つ方への就労支援にもつながっています。その方々が作り出す魅力的な商品が、来てくださる方には楽しかったな、美味しかったなという思い出になってほしい、そしてご購入いただいたものが「サステナブルポイント」となって、ゴミを減らしていく取り組みや、豊かな森を維持するための活動に還元される。まずは小規模からでも関わる人が幸せになれる循環を作り、ビジネスの力で「持続可能」な循環力をつけていくことが目標です。
Shops
今回の持続可能な開発目標
生ゴミを堆肥化するコンポストを設置することでゴミを減らすことで森との共存共栄や、地元の雇用を生み出す仕組みを作っている。
撮影/中田陽子(マエティコ)モデル/小野千恵子、小野里桜 ヘア・メーク/今関梨華(Linx) スタイリスト/小川真央 取材/竹永久美子 ※情報は2022年10月号掲載時のものです。
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