一流割烹のメニューが深夜まで楽しめる和バル/ひと皿の向こう側

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仕事、コンサート、観劇などなど、なんらかの理由で食事のタイミングを逃してしまったとき、深夜に真っ当な料理を味わえる店があったら嬉しいですね。それが和食で、しかもリーズナブルであれば言うことなしですが、そんなお店はまず無い……と、諦めている方も多いのでは?

今年の4月、銀座にオープンした【時喰み】は、深夜まで一流の日本料理店で供されるレベルの料理をアラカルトで楽しめる“和バル”。なんと、銀座の高級割烹【徳うち山】【銀座くどう】の系列店です。

お通しとして出される「焼胡麻豆腐」は2店の名物料理で、表面を香ばしく焼いて中をトロトロに仕上げた胡麻豆腐の美味しさに、この店の実力を確信するはずです。_EN_9712

誌面でご紹介したのはこちらの「甘鯛うろこ揚げ」(¥2,200・税込)_EN_9726
この店をオープンするにあたり、絶対にメニューに入れたい一品だったとか。高級日本料理店のコースではお馴染みのひと皿を、アラカルトで食べられるなんて。しかも、ワインやシャンパーニュと一緒に。

甘鯛のうろこを松かさや花びらのように美しく開かせる最大のポイントは油の温度だそうです。油の状態を見極め、温度を調整しながら揚げます。
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「うろこが綺麗に開くと嬉しいですね」(料理長・佐々木寛和さん)
「甘鯛うろこ揚げ」がメニューにあることで驚くお客さんも多いとか。

こちらは冷菜から「名物 フォアグラ最中」(2個で¥1,400・税込)。_EN_9725
最中の皮に挟まれるのは、フォアグラ、のし梅、いぶりがっこ。フォアグラは蒸してから京都「山利商店」の白味噌に漬けて、さっぱりとした味わいに仕上げてあります。のし梅の酸味が加わるとより軽やかに。いぶりがっこを加えることで、合わせるお酒を選ばないひと品になるそうです。いぶりがっこの食感も心地よいアクセントになっています。

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そして、揚物からご紹介するのは「蔵王牛ビフカツ」(¥2,800・税込)。
黒毛和牛とホルスタインの交雑種である蔵王牛は、脂の美味しさと野性味のある赤身の美味しさを併せ持つ牛。内腿の内側部分にある柔らかくてキメ細かい部位の旨みを、衣で包み込んでサクッと揚げた一品です。
添えられるのは、カラシ、雪塩、ウスターソースにケチャップを加えた甘味のあるソース。

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そして、シメの食事として人気の「炊きたて白米 痛風飯/いくら、唐墨、生うに、キャビア」(¥3,000・税込)。なんと、痛風の方からの注文も多いのだそうです。
これを見れば抗い難いことがわかりますが……。

ちなみに「痛風そば/いくら、唐墨、キャビア」(¥2,800・税込)も人気。_EN_9737
注文を受けてから土鍋で炊きあげる白米は山形の「つや姫」を使用。
「あまり粘り気の強い米ではないので、お客様が食べ疲れないように、硬くならないように注意して焚いています」(佐々木さん)

ワインリストには、“和食に寄り添うこと”を基準に選ばれたフランス産の上質で手頃なワインが並びます。赤・白それぞれ2種類、ロゼ1種類をグラスで提供。ソムリエの久保岡奈美さんに選んでいただいたお勧めの3本がこちら。
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右から、繊細でキリッとした口当たりの「シャンパーニュ・ロンバール ブリュット・レフェランス」、「シャトー・サン・ミシェル」は、ボルドーの有名シャトーが造るカジュアルタイプの赤ワイン。「発酵系の素材、味噌や醤油との相性が良いので最初から最後までこれ1本で通す方もいらっしゃいます」(久保岡さん)
そして、グラス、ボトルともに現在の一番人気がこちらのロゼ。ピノ・グリ100%。「ブルゴーニュ・コート・サンジャック・ピノ・グリ」。こちらも料理を選ばず楽しめます。

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日本料理の王道的な料理の中に並ぶ「マカポテサラダ」(マカロニサラダとポテトサラダを一緒にしたもの)「長芋 帆立 バター醤油焼き パルミジャーノ」といった、ひと捻りした料理にも料理の技術の確かさとセンスを感じます。
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料理長の佐々木寛和さんとソムリエの久保岡奈美さん。この二人で店を切り盛りしています。忙しく料理しながらも、カウンターのお客さんの問いかけに優しく応じてくれる佐々木さん、テキパキと適切なアドバイスでワインに導いてくれる久保岡さん。

いいお店ができました。“和バル”万歳!
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【時喰み】
東京都中央区銀座3-11-6 鈴木ビル2階右手側 ☎03-6264-2809  月曜〜金曜17:30〜翌3:00L.O.2:00)*2:00までに連絡がない場合は閉店 土曜17:3024:00L.O.23:00) 休 日曜祝日 201948OPEN

撮影/牧田健太郎 取材・文/齊藤素子 編集/川原田朝雄

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著者プロフィール:
「モキチ」ことライター齊藤素子。銀座・泰明小学校卒業。OLやギャラリー勤務を経て、1995年『VERY』創刊時にライター稼業を始める。食や旅のページを中心に雑誌やWEBで活躍中。その一方で、世界初の腰痛専門WEBマガジン『腰痛ラボ』では編集長を務める。