《29年間ビューティ担当のベストコスメ》【第26回】ITRIMのエレメンタリー シャンプー N

肌悩みだけでも大変なのに、髪にまで老化の波が。ここのところ話題の高級シャンプー、とても気になります。買ってみて失敗だったら? そんな危険は冒せない、その気持ち、よくわかります。効果はもちろんのこと、何故そこまで高価なのか、理由にも納得したいですよね。調べてみたら、その存在意義は、髪の悩み払拭だけでなく、現在と未来のビューティの在り方にもつながっていました。

今月の殿堂コスメはITRIMの「エレメンタリー シャンプー N」

ITRIM エレメンタリー シャンプー N 250㎖ ¥10,000(ITRIM)天然由来成分93%のノンシリコンシャンプー。3つのイトリン共通成分であるメリッサ葉油はレモンバームとも言われ、高い抗酸化力、抗菌作用、抗炎症作用があり、その精油は採油量が少なく希少かつ高価で有名。ビワ葉エキスは収れん作用、保湿作用に優れる。メロン種子油は水分と油分のバランスを保つ。リニューアル後に配合されたレモンマートルは血行を促進し頭皮を柔らかくし、ベルガモットは頭皮の水分と皮脂分泌のバランスを整える。2018年9月登場、2019年8月リニューアル。

\ここがすごい/
1: 土壌や農法にもこだわり厳選した希少成分を配合
2: 優しく、且つ、効くオーガニック
3: 少量でOK。一度で違いがわかる洗い上がりで、実はコスパよし!


髪質改善はもちろん、白髪、脱毛の悩みまでフォローできるから高級シャンプーに投資すれば結局お得です

 白髪、うねり、ハリ・コシ不足、抜け毛、ぺったり……老けた印象を助長してしまう大人髪の悩み。齢を重ねるとお金がかかるのね、とため息をつくこともしばしばです。

 ここ数年、化粧品会社が発売するヘアケアが目立ちました。高価なものが多いなか、最高峰と言ってもいいでしょう、〝諭吉シャンプー〟ITRIM(以下、イトリン)の「エレメンタリー シャンプー N」。1万円という価格でどんな効果があるか興味がありますよね。実は使い始めたのは去年の7月、その時は前身「エレメンタリー シャンプー」だったんです。8月7日にリニューアルされショックを受けつつも、使って効果があったら新バージョンを買おう、ということに。

 結論を先に言いますと、ものすごく良かった! かねてからの悩みであるうねりがなくなった。3週間サロンに行かないと白髪だらけだったのに、白髪が目立たないのでサロンの回数が減った。サラサラツヤツヤしっとり。一回洗っただけで髪質の違いがわかる。5カ月たっても左ページの写真のとおり残っていますが、新バージョンも購入し、もちろん使ってみました。

 そもそも1年もたたずにリニューアルした理由は何でしょうか? 2018年9月に登場した後に特に目立った口コミは「白髪が減ってきた」「髪の毛が増えてきた」ということでした。キー成分であるホップエキスは頭皮環境に有用なポリフェノールを含有し、髪の生成を促して色ツヤを改善します。サポート成分であるイカスミエキスは毛髪を構成する18種のアミノ酸を含み、黒髪の色のもとであるメラニン色素がたっぷり。また、オオムギ発酵エキスもメラニン生成に有効。ビターオレンジ果皮エキスは皮脂溶解や血行促進作用、さらに脱毛の原因となる5αリダクターゼを減らすという研究結果があります。

 これだけ配合されていてさらに何を強化したかったのかというと、「発毛サイクルの正常化」でした。そこでプラスされたのがゴボウ根エキスです。奈良県の伝統野菜「宇陀金ごぼう」の根から抽出したエキスは毛包細胞に働きかけ、老化により発毛サイクルが滞った髪を健康にするのです。イトリンは有用植物と天然素材を組み合わせて製品を作ります。その選択基準は、長く食経験があるもの、あるいは食経験がなくても長く現地で使われているもの。植物は人の在り方に置き換えることができます。花は生み出す力、葉は呼吸する力、幹は土台(筋・骨格)を作る力、根は滋養強壮作用を秘めています。イトリンはそこから発想して成分開発を始めます。ゴボウ一般の「黒く、太く、長い」見た目は強靭な髪のイメージと重なりますよね。中でも宇陀金ごぼうは、一般的なゴボウより長くて太いのが特長。根の張り方はものすごい力で引かないと抜けないほどだそう。人の長年の英知とそれに基づいた勘によってスタートする製品作りがとても興味深く、私は信じられる気がするんです。

 イトリン共通成分のメリッサ葉油はフランスの産地限定で輸入され、ビワ葉エキスは茂木ビワで知られる長崎県のビワから、メロン種子油は夕張メロンの種子からコールドプレス製法で。配合されている天然由来成分は93%、箱の全成分表示を見ると数多くの天然由来成分が記載されていますが、そのほとんどが土壌からこだわり、伝統的な農法で育てられた希少価値のある成分です。加えて、作る工程で緻密な計算と科学の力を駆使すること、オーガニックといえども必ず効果を出すこと、香りもテクスチャーも最後の一滴まで心地よく使える〝情緒〟とも言うべきものの追求、そのせめぎ合いがイトリンの製品を完成させるのです。

 頭皮の血行、油分と水分の正しいバランスが大人の髪を健康にするから、頭皮を柔らかくし養分を行きわたらせるのがシャンプーの役割。だから洗浄とはいえダメージは与えない。髪は滑らかな泡でふんわりと洗い、まるでオイルシャンプーで洗い上げたような手触りに。泡切れがよくすすぎの水も少なくて済み、さらに流すことを考え分解する成分だけを使っています。

 美味しくて良い素材の食べ物は、少しだけ食べても満足度が高いですよね。シャンプーもそれと同じ。1万円で5カ月として、ざっくり計算すると1回約66円。この仕上がりと効果、しかも未来の環境への投資とも考えれば、コスパはとてもいいと思います。


\使っています♡/

前身「エレメンタリー シャンプー」、5カ月使ってもまだこんなに残っているのは使う量が少しで十分だから。私のようなショートヘアは1回100円玉大の量、ミディアムヘアなら500円玉大。軽く泡立てて髪全体に馴染ませ、両手を使ってマッサージすると思った以上の泡ができて、その泡の質が最高にいい!界面活性剤も石油系合成界面活性剤ではなく、アミノ酸系と植物由来であり、その配合バランスにより豊かな泡立ちと細やかな泡を維持するように処方されています。シャンプーのみでOKなほど流し終えた後の髪の手触りが最高です。新しくなった「エレメンタリー シャンプー N」は、より髪がフワフワになりボリュームアップする!と感じました。自然な植物精油の香りもいい。

『JJ』時代から美容を担当。スーパーモデルブーム、 日本上陸前のM·A·Cをブレイクさせる。愛ある視点で厳しく化粧品を選び、「コスメは感動!」が信条。美ST ONLINEでの連載「30年目のコスメ愛」も好評。

29年間ビューティ担当・ 編集 I

2020年『美ST』3月号掲載 撮影/河野 望 編集・文/石原晶子

美ST