《29年間ビューティ担当のベストコスメ》【第27回】ディオールのカプチュール トータル セル ENGY スーパー セラム
常に攻めのスキンケアをしても、それに応えてくれる肌の力がなくては無駄になってしまいます。消耗が速く、再生は遅い。そんな肌に手を焼く今日この頃、ジワジワと肌のエネルギーが高まる最新美容液がDior(ディオール)から登場。生来備わっている肌の可能性を引き出す最先端皮膚科学が、効きます!「健康な肌がキレイな肌」という当たり前の基本を思い出しました。
今月の殿堂コスメはディオールの「カプチュール トータル セル ENGY スーパー セラム」
カプチュール トータル セル ENGY スーパー セラム 30㎖¥16,000(パルファン・クリスチャン・ディオール)。エネルギー、治癒、細胞生成、自己修復、再生、強化という肌が持つ〝6つの生体機能〟を活性化する4種の植物を配合した「フローラル コンプレックス」が、幹細胞に働きかける。予防としても悩み解決としても効果があり、肌の元気を上げて若々しさを取り戻す美容液。2020年1月10日発売。
\ここがすごい/
1:それぞれの幹細胞にアプローチする総合美容
2:幹細胞の持つエネルギーが若々しさの鍵
3:自分の肌のベストを追求する
幹細胞という最先端科学を満足感と幸福感のために。「健康的にキレイになる」という旬の美容観を体現した美容液
長年、コスメの世界を見てきて最近思うことがあります。それは、皮膚科学の進歩に伴い化粧品が進化しているのは事実ですが、打ち出し方が昔のように〝科学押し一辺倒〟ではない、ということ。じゃ、科学は何のため? そのスキンケアで女性は何を得られる? と考えた時、「健康的にキレイになりたいのよ」と思う人が増えているように思うのです。
シワやたるみなどを気にするのは当然のこと。でも最近私が使うのはガシガシに攻めてくるというより、使っているうちにいつの間にか肌が好調、と感じるスキンケア。かといって、即効性がないわけではないですよ。即効性は、化粧品を使う目標の肌を実感させてくれるという点で大切。でも肌そのものを健康にしなくては効果は持続しませんよね。2020年1月10日に発売されたディオールの「カプチュール トータル セル ENGY スーパー セラム」(以下、スーパー セラム)は、香りやテクスチャーが心地いいなあ、と使っているうちに「あれ?乾いていない」「頰のあたりがツヤツヤだ」「肌色がトーンアップしている」そんなことに気づきます。自然に健康に、総合的に。それがとても今っぽい。
スーパー セラムは「幹細胞」へアプローチする最新スキンケアです。幹細胞とは、私たちの体に備わる再生する時の出発点となる細胞。自分で複製でき、何にでも変化できる、いわば細胞工場のようなもの。しかし幹細胞が肌の全細胞に占める割合は0.2%しかありません。世界で1970年代に表皮幹細胞、2000年初めに真皮や脂肪の幹細胞が発見され、皮膚の幹細胞研究が本格化しました。それ以来、多くの国内・国外ブランドがいわゆる〝幹細胞コスメ〟の研究に取り組んでいます。
「これはミステリーではありません。サイエンスです」というキャッチコピーで1986年に誕生したディオールのカプチュールは、美ST世代にとって常に新しい科学美容を提案する存在です。ディオールは2004年から幹細胞研究に取り組んできました。'06 年に「カプチュール トータル」として生まれ変わってから、'08年に周囲の細胞を保護することで幹細胞がうまく働くこと、'13年に皮下組織の幹細胞を活性化すると修復力が向上すること、'15年に幹細胞が同期している事実を発見し幹細胞のコミュニケーションを良くすれば肌は若返る、'16年に肌密度をコントロールする幹細胞SKPsを発見して働きを活性化させる、という知見による製品を発表してきました。今回の新美容液は、「20代と40代の幹細胞の数は変わらない、しかし幹細胞の潜在的なエネルギーは半分になる」という知見に基づいています。昨年、山中伸弥教授率いる京都大学iPS細胞研究所とディオールが共同研究を開始することが発表されましたが、この知見がそのきっかけの一つだったと言われるほどの大発見!今まで、幹細胞に寿命はないが加齢によって数は減少すると言われていたはず。この知見は40代には福音ですよね?だったら、今ある幹細胞を元気にすればいいのですから。
再生の速度が遅くなり、例えばバスタブの水が溜まるより速く水が抜けていく、あるいは燃費の悪い車――そんな肌になってしまっている40代のために、1,667種もの花をスクリーニングして再生力と生命力に優れた植物、'06年からカプチュール トータルに配合されているマダガスカル島のロンゴザと、シャクヤク、ホワイトリリー、ジャスミンを組み合わせました。またディオールには「アジア イノベーションセンター(AIC)」があり、有効成分を肌に届けるための処方設計はAICの大きな役割。バイオ発酵由来の「リポペプチド」による肌との親和性が高いデリバリーシステムは日本の技術。浸透力に優れ、保湿の持続力が従来の13倍という次世代ヒアルロン酸も日本発です。そこにラグジュアリーブランドとして、心地よく過ごすための香りとテクスチャーの追究も、もちろん欠かしません。
健康だと感じる幸せや、キレイな肌になることの一人一人の満足感、そんな〝ヒト中心〟の考え方に、幹細胞研究という最先端科学の粋が使われています。幹細胞は一人一人違うもの、だからこそ求める美しさを総合的にとらえて、それぞれ異なる可能性を最大限に引き出すという、これから最も望まれるスキンケアへのアプローチになり得るのです。
\使い切りました♡/
朝晩3プッシュ使って、1カ月と少しで使い切りました。化粧水のあとクリームの前に使用。みずみずしく肌にスッと溶け込むけれど乾かない。91%が自然由来成分で、シリコンや鉱物油、酸化防止剤「BHT」を使用していないため、肌にも環境にもいい。ディオールには世界中飛び回りながら、ここではこんな病気の時にこんなものを食べる、塗る、といった膨大な知識を持つプラントハンター的な人がいて、マダガスカル島のロンゴザを現地では食べている事実から成分を選んだり、そのロンゴザは収穫のタイミングが難しいため野外でずーっと張り付いて観察し、ベストな時期に収穫したり。人間っぽい沢山の苦労がこの1本に詰まっているなあと思いながら、現在2本目を使用中。テクスチャーと香りが秀逸で、使うのが楽しい!
『JJ』時代から美容を担当。スーパーモデルブーム、 日本上陸前のM·A·Cをブレイクさせる。愛ある視点で厳しく化粧品を選び、「コスメは感動!」が信条。美ST ONLINEでの連載「30年目のコスメ愛」も好評。
2020年『美ST』4月号掲載 撮影/河野 望 編集・文/石原晶子