「粧す」=しょうす?よく使うのに漢字になると読めない言葉4選
日頃から、何気なく使ったり、耳にしたりしている言葉。きっと、たくさんありますよね。もし、その言葉が漢字表記になったら、あなたはいくつ読めるでしょうか? そこで今回は、“よく使うのに漢字になると読めない言葉”をピックアップしてご紹介。知っているはずなのに、意外と読めない言葉たちを集めてみました。
1. 「愈々」
「愈々」とは「前よりも程度が高まるさま」、また「その時期がようやくやってきたこと」を意味する言葉です。きっとあなたも、一度は耳にしたことがあるはず。
とはいえ、普段はひらがな表記になっていることがほとんどで、漢字を見たことがある人はかなり少ないかもしれませんね。ヒントは「愈」一文字、また「弥々」と書いても「愈々」と同じ読み方をしますよ。
そんな「愈々」の正しい読み方は……
「いよいよ」です。
「いよいよ」は、上記で紹介した以外にも、色々な漢字表記があります。たとえば「逾」「彌」も「いよいよ」と読みますよ。
2.「粧す」
「念入りに化粧をすること」や「着飾っておしゃれをすること」を「粧す」と言います。「粧す」というよりも、どちらかというと「粧しこむ」「お粧しする」といった言葉のほうがなじみがあるかもしれません。「しょうす」「ぬかす」ではありませんよ。
そんな「粧す」の正しい読み方は……
「めかす」です。
先ほど例として紹介した言葉は「粧しこむ(めかしこむ)」「お粧しする(おめかしする)」と読みます。ちなみに「粧」という漢字には「よそおう」「つくろう」といった意味がありますよ。
3.「潤ける」
つい「じゅんける」などと読んでしまいがちな「潤ける」。「潤ける」とは「水に浸ってふくれる」「水分を吸ってやわらかくなる」ことを意味する言葉です。「水を吸って、紙がすっかり潤けてしまった」といったように使われますよ。
そんな「潤ける」の正しい読み方は……
「ふやける」です。
「潤ける(ふやける)」を初見で正しく読むのは、なかなか難しいかもしれません。でも、意味が分かると何となく合点がいきますよね。
4.「扨措」
「扨措」という漢字だけを見ても、一見何のことだか想像がつきにくいですよね。「扨措」は「刀を借りること」ではなく、「それはそれとして」「それはともかくとして」といった意味があります。ある話題から、別の話題にうつる時によく使う言葉です。
ちなみに「扨措」と似た意味を持つ言葉には「それは置いといて」「閑話休題」などがあります。何となく、ピンと来た人もいるでしょうか?
「扨措」の正しい読み方は……
「さておき」です。
「扨措」をすらすらと「さておき」と読めたら、周囲から知的な印象を持たれるかもしれませんね。
よく使うのに、漢字になると読めない言葉。あなたはいくつ読めたでしょうか? 「見たことあるかも!」というものもあれば「まったく見当がつかない……」というものもあったかもしれませんね。ほとんどの場合、ひらがな表記で用いられる言葉ばかりですが、漢字表記も知っておいて損はないはず。ぜひこの機会に、覚えておくと良いでしょう。
参考文献
現代言語セミナー〔編〕『つい他人に試しくなるもっと読めそうで読めない漢字』角川ソフィア文庫
根本 浩『エッ、この漢字、みんなそう読むのに、どこが間違い?』主婦の友社
文/大内千明 画像/Shutterstock(Rawpixel.com、EZ-Stock Studio、Ahanov Michael、Roman Samborskyi)