ずぼらも包み込む苔玉の懐の深さ

母が花や植物が好きな人なので、実家には庭にも家の中にもたくさんの植物がありますが
実家を出てから20年……娘の私は室内で植物をうまく育てられたことがありませんでした。

サンスベリア、パキラ、グリーンネックレス、カポック……
乾燥に強い、丈夫、育てやすい、そんな言葉に惹かれて何度か育てることにチャレンジしましたが
気が付くと枯れている、いつもその繰り返しでした。

わかっています。ずぼらだからです。

そんな私が、実はもう1年以上植物を育て続けることに成功しています。
IMG_3147

苔玉です。
モデルのマエノリさんが苔玉を習っていて、作品の写真を見せてもらったときに
そのダイナミックさに感動し、その後HERSのイベントで先生に苔玉の講義を
お願いする機会があり、そのとき苔玉の虜になったイベント関係者数人で
3か月に1度くらいのペースで、苔玉作りを先生に教わっています。
上の写真は右が桜で左は紅葉。
桜の苔玉は1年ちょっと前、先生の素敵なご自宅でつくったときはこんな感じでした。

さくら20190303

それが1か月後には満開に!

さくら20190322

部屋で桜が楽しめるなんて! とはしゃいだのが去年の3月。
そこから、然るべきタイミングに手入れが必要なのですが、乾いてきたら水をあげる
(水をはったボールにドボンとお風呂のように入らせるだけ)のみだったせいか、
今年はこのときの1/5くらいしか咲かず……。

早くもずぼら力を発揮してしまいましたが、先生曰く3年目になってやっと咲いた人も
いるそうで、来年はまた満開にさせようと、母からいい肥料の情報を入手しています。

IMG_3148

こちらは、右が一昨年の12月に作った松、左が去年の12月に作った松。
1年で……ボッサボサですね。本当は切りそろえたりしたほうがいいんでしょうが、
あえてそのままにしています。切って失敗するのも怖いし、なにせずぼらですからね。

今まで植物の世話ができなかったのに、なぜ苔玉の世話は楽しく続けられるのか?
やはり自分の作品というか、自分が手を加えたものだからの愛着があるからでしょうか。
自分の子どものような、ペットのような……そんな気分に近いかもしれません。
世話は基本、乾いたら水をあげるだけ。夏はほぼ毎日ですが、冬は週に2度ほどでOK。
昨年夏に1週間ほど家を留守にしたときは、苔に覆われた土台はカッサカサに乾いてしまい
ここまでか、と思いましたが、無事に復活してくれました。

この春はまた桜の苔玉をつくる予定でしたが、新型コロナウイルスのせいで
レッスンをお休みすることになり、今年の桜の木(苔玉の元)は先生の家で
満開を迎えてしまったそうです。

この状況がよくなったら、今年の桜の苔玉を早く作りに行きたいなあとその日を心待ちにしています。

 

HERS最新号はこちらでお買い求めください。

 

編集NN