【”女子”を全身で感じる本】文庫編集者が選んだ今月の胸キュンな1冊

「明るい気持ちになれる本を教えて欲しい」と、元Mart編集部所属で現在は文芸畑にいる同僚にお願いしたところ、教えてもらったのが、いちごの写真が印象的な1冊。表紙にうたわれた文言も、ちょっとあおってくる感じ。「愛は、変だ。」って!と、興味をそそられ、軽くツッコミつつ読み始めたのが昨日の夜。いい意味で最初に裏切られ、気が付いたらお風呂も入らずに読み切っていました。ある意味、胸をキュンとさせてくれるこちらを本日はご紹介したいと思います。

女子的生活(坂木 司/新潮文庫)

おすすめしてくれた同僚、編集Mによると「主人公の設定に驚きます。今の時代だからこそ、ぜひ読んでほしいです」とのこと。主人公の設定?どういうこと?まあ、ひとまず読んでみようと、深く考えずに手に取りました。

読み進めると、なるほど……。Mが言っていた意味がわかります。表紙にもうたわれた「私、女の子の強さを愛してる。」という言葉に大きくうなずきたくなる、出てくるわ出てくるわのTHE・女子な世界。ゆるふわの下に隠された素顔とか、ガールズトークに潜む確固たる意志とか。いつだったか、はるか昔に参加した合コンすら思い出しました(もう今は合コンよりマッチングアプリの時代なのでしょうが……)。同性として、正直、決して嫌ではない、むしろアッパレと言いたくなるようなすがすがしい女子の世界。女子の強さ。ところどころ、胸をぎゅっとつかまれるような気持ちになりつつも、あくまで読後は前向きな感情が残ったのは、さすが坂木 司さんの作品だなと感じました。

正直、主人公の設定年齢とはまったく違うので、そういう意味での感情移入はなかったものの、過去の経験、あの頃の思い、そして今でも感じる「女の子」をめぐる多くの気持ち。それらが胸をゆさぶり、読み終えたころには爽快さすら感じたのでした。

世の中が不安定な今だからこそ、1冊の本との出会いはとても大切だと感じます。自分の中に眠るさまざまな感情を呼び起こしてくれるのが、本の魅力。皆さまもよろしければ是非、読んでみてください。

書籍選択/文庫編集M 構成/菊池由希子(Mart編集部)