フジ西山喜久恵アナ、30年のキャリアと仕事の変遷を語る。【就活生へのメッセージも】
就活生応援企画としてスタートしたフジテレビ×JJのコラボ企画も今回が最終回。ラストを飾ってくださるのは、『めざましどようび』や、『めざましテレビ』の「きょうのわんこ」のナレーションを担当している西山喜久恵アナウンサー。1992年に入社してからこれまでのキャリアを踏まえつつ、女性アナウンサーとして働くことの変遷を語っていただきました。
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最後のバブル採用と言われた入社当時
Q. 西山アナウンサーが入社された1992年は、テレビ局が置かれた状況も含めて今とは大きく異なっていたと思います。当時の様子を振り返っていただけますか?
私が入社した1992年は、最後のバブル採用と言われていた年なんです。今は新入社員の数も20-30名程度ですが、私の同期は70名。世の中もバブルの残り香があって、フジテレビは毎週三冠王(3つの時間帯の平均視聴率トップを取ること)を取っていたような時代でした。
3期上には、八木亜希子さん、河野景子さん、有賀さつきさんがいて、その3名は今のように女性アナウンサーがバラエティで活躍したり、ある種タレントとしての側面を持つような立ち位置を担っていく礎を築いた方々。そんな3人の後輩として入社したので、漠然といろいろなことをやらなきゃと思いながら働いていたように思います。
Q. その他に印象に残っていることがあれば教えてください。
新人アナウンサーは画面に出る仕事以外に、アナウンス室内の雑務を行うのも日課でした。経理に伝票を持って行ったり、電話に出たり、先輩方が部屋に入ってきたらお茶を淹れることも。フジテレビ新人アナが代々やってきたことで、「この先輩はブラック、この先輩は砂糖がいくつ」ということを覚えていましたね。今はそのような業務はないので、今の新人にそういう話をすると「え〜、そんな感じだったんですか!?」と驚かれます。それは時代が変わったな、と思いますね。
新人当時、『スーパータイム』のお天気中継で
フジテレビならではの働きやすさって?
Q. フジテレビでの長いキャリアを振り返って、フジテレビならではの働きやすさは感じますか?
ママアナウンサーが多いというのはあると思います。私自身も13年前に出産をして、復職するという経験をしましたが、その時点で先輩方が「子供を産んでも働きやすい環境」を作ってくれていました。子供が病気で入院したときも、「こっちはいいから1週間休んでしっかり看病しなさい」と言って生野アナにピンチヒッターをお願いしてくれて、制作陣も体制を整えてバックアップしてくれました。そういう環境を先輩方が作ってくれたのは、フジテレビの大きな魅力だと思います。女性にとって働きやすい環境、子育てをしつつ、キャリアも伸ばしていける職場だと思うので。
育休後に復帰した「スパイスTV どーも☆キニナル!」©️フジテレビ
西山さんの入社当時と現在、求められるものはどう違う?
Q. 今では後輩を指導する立場だと思うのですが、西山さんの入社当時と比べて、アナウンサーとして求められる素養や能力は変わったと思いますか?
意外と変わらない部分が多いように思います。私の入社当時も、司会をするだけではなく、ニュースを読むだけでもなく、バラエティ番組で罰ゲームをしたり、なんでも挑戦させてもらいました。そこで一生懸命やる姿を誰かが見てくれて、評価してもらって信頼を得ていくというのは、昔と今で番組の内容に変化があったとしても変わらないところだと思うので。そういう意味では約30年が経ちますが、本質的には変わらないのかな…と思います。
Q. 番組の中でアナウンサー自らの意見を求められる機会は増えているように思うのですが、そのあたりはどうですか?
その部分は大きな変化ですね。私が新人の頃は「自分の意見を言うなんて滅相もない、この原稿をしっかり伝えよう」という感じだったので。今でも原稿をしっかり伝えるというのは基本ですが、2000年を超えたあたりから少しずつアナウンサーも意見を求められるようになってきたように思います。さらに言えば、三田アナウンサーがここ数年でナチュラルに自分の意見を言い、それをお茶の間のみなさんに支持していただいて、そういう風潮が広まっていったのかな? と感じています。
Q. これまで記事を掲載してきた、井上アナ、三田アナ、生野アナ、みなさんそれぞれに魅力をお持ちだなぁと感じたのですが、「フジテレビっぽい」アナウンサーってどんな人なんでしょうか?
よく聞かれるのですが、本当にウチのアナウンス室って似ている人がいないんです(笑)。何系ってまとめられない人ばかりで。入社してきてからも、「フジテレビらしく育てよう」みたいなことは一切なくって、その人らしく育ってくれたらいいなというか。それが良い方向にいっているのかな? と思いますね。
就活を控える学生に伝えたいこと
Q. 西山アナウンサーはアナウンススクールの講師も担当していらっしゃいますが、学生を見ていて思うことはありますか?
こういう時代なので仕方ないとは思うのですが、テレビをもっと見て欲しいな、と思うことがあります。今は本当に魅力的なコンテンツが溢れているので、それが現実なのかな…とも思うのですが、番組について深く話していると「あんまり見ていないのかな?」って感じることがあります。この世界を目指す以上は見て欲しい。さらにいえば、「今のテレビってどうなんだろう?」「これからはどうあるべきなんだろう?」ということを語れるくらいであってほしいなと思います。
Q. そこでも「自分の意見」は大事になってくるんですね?
日頃からニュースを見て「私はこう思う」とか、自分自身のフィルターを通して意見を言える学生さんにお会いすると、「きちんと考えて生活しているんだな」と思いますね。私自身、「ジャーナリストであれ」と先輩に言われて。もちろん言葉を操る、きちんと伝えるというのも大切ですが、1人のジャーナリストとして何が問題で、何をどう変えていくべきなのかというところまで考えなさい、と教わりました。あるニュースに対して「こういう見方をしなければいけない」ということではなくて、「私はこう思う」というのを自分で考えて自分の言葉で伝えられる、今はそういう方が求められている気がします。
Q. 西山アナウンサーが、学生のみなさんに「フジテレビ」をアピールするとしたら、どんなところがあげられますか?
フジテレビは、頑張っている人を応援してくれる社風がすごく強いんです。例えば女性だからできない、子供がいるからできないということはほとんどなくて。私もおばちゃん世代ですが、駅伝の実況に挑戦させてもらったり、そのお仕事がきっかけで駅伝にハマり、夢中で取材をしていると「じゃあこの頑張りを生かせる番組を作ろう」という感じで制作陣も動いてくれたり。そういうチームワークの良さと、頑張っていればチャンスをもらえる社風は、学生のみなさんに知ってもらえたらなと思います!
2014年富士山女子駅伝中継所、襷リレー実況時
フジテレビ×JJの就活生応援企画の最終回を飾ってくれた西山アナウンサーのお話、いかがでしたか? 長いキャリアの中で感じたフジテレビの魅力、そして実際に学生の皆さんと接する立場だからこそのメッセージは、テレビ局を目指すみなさんに響いたのではないでしょうか?
井上清華アナウンサー、三田友梨佳アナウンサー、生野陽子アナウンサーの3名へのインタビュー記事もJJnetで公開されているので、合わせてチェックしてみてください!
撮影/佐々木大輔 取材/望月優夢 編集/岩谷 大