【LIFESTYLE】料理家 こてらみやの「ベランダと暮らす」vol.17

桃栗三年柿八年?

残暑お見舞い申し上げます。
まだまだ日中は暑い日が続くようですが、日が暮れると虫の音が聞こえるようになり、
風の匂いにも秋が感じられるようになりました。

さて、今回は、「桃栗三年柿八年」のお話です。
ことの始まりは、昨年の6月。撮影用として送っていただいた冷蔵保存の栗を常温に置きっぱなしにしていたら…、なんと! 根? らしきものがぴょこんと出てきたのです。

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初めて見る愛らしい姿。
捨ててしまうのは忍びないから、育ててみよう! と植え付けてみたのです。

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残念ながら2個植えたうちの1個はお亡くなりになってしまいましたが、残りの一つは根付いたようなので「栗男(くりお)」と命名しました。植え付けから半月で根の割れ目から芽らしきものが現れ…、

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その5日後には双葉が!

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その後の成長は目を見張るものがあり、1週間でこの大きさにまで成長しました。

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ここまで育つと、「自分で育てた栗を食べてみたい!」という欲が出てくるのは私だけではないでしょう。
栽培方法を調べてみると、栗は自家受粉が難しいとのこと。他品種をそばで育てる必要があるとのことでしたが、ベランダに大きな栗の木が2本あってもねー。ということで、栗は食べられなくても葉っぱは、栗のお菓子を撮影するときの小道具として使えるから、引き続き育てることにしました。
そして1年が経った今年の7月になんと! 花が咲きました。
まさか、こんな幼木のうちに花をつけると思っていなかったからびっ栗です(笑)。

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栗の花をこんなに間近で見るのは初めて。よくよく見ると、雄花(手前)と雌花(奥)のように見えますね。自家受粉は難しいと分かっていながら、雄花の花粉を雌花にちょこちょことつけてみましたらば…、

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? 雌花が膨らんできた? もしかして受粉成功??

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1ヶ月後の栗男はピンポン球ぐらいに大きくなって、これはもしかしたら秋には収穫して食べられるかも!!

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と喜ぶのも束の間。栗男ジュニアの姿が無い!もしや鳥に食べられた?と下に目をやると、鉢の上にコロンと転がっていました…。

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そりゃそうですよね。生まれたばかりの1歳児に子供を育てられるわけがないもの。何事も成し遂げるには、それ相応の年月がかかるということを果物で例えた、「桃栗三年柿八年」ということわざがあるのですからね。
 休眠期に入ったら、ひとまわり大きな鉢に植え替えて、栄養たっぷり蓄えさせて育ててみようと思います。
みなさまも、栗男の成長を見守っていてくださいね!

こてらみや

料理家。毎日食べたくなるような、素材の持ち味を生かしたシンプルな料理を得意とする。休日の楽しみは、ベランダで収穫した果物やハーブを使ってびん詰めを仕込むこと。著書に「魔法のびん詰め」(三笠書房)など。instagramアカウントは @osarumonkey

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