「朝バナナ」の効果とは? ダイエットや美容に期待できるうれしい働き
果物のなかでも手軽に食べられて、ダイエットや美容にもよいとうわさのバナナ。とくに朝にバナナを食べる「朝バナナ」が注目されていますが、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。今回は朝バナナの効果や、昼や夜に食べた場合の違いなどを紹介します。
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朝バナナの効果4つ
バナナを朝食に取り入れた場合、どのような効果が期待できるのでしょうか?
ダイエット効果
朝バナナにはダイエット効果が期待できます。
- ・朝食にプラスしてとることで満足感を高め、昼食や夕食、間食のドカ食いを防ぐ
- ・朝食をとっていない方は、エネルギー消費のスイッチが入ることで脂肪燃焼を助ける
このような働きから、体重減少が見込めます。
むくみ解消
バナナにはカリウムが多く含まれます。100gあたりのカリウム含有量は360mgで、キウイフルーツの1.2倍、りんごの3倍もの量です。カリウムは余分なナトリウムを排出する作用があり、塩分の摂りすぎが原因となるむくみに効果的です。
寝起きのむくみが気になる方は、朝にバナナを取り入れてみるとよいでしょう。
便秘解消
朝食にバナナを取り入れることで、便秘解消も期待できます。
バナナの食物繊維は便の材料となるほか、腸内環境を整える役割もあります。ヨーグルトなど、乳酸菌を含む食べ物とあわせてとると、さらに効果が期待できるでしょう。
また食べ物が腸に入り、腸のぜん動運動がおきることで、排便をスムーズにしてくれます。
美肌効果
バナナに含まれるポリフェノール、ビタミンCには抗酸化作用があり、肌をきれいに保ってくれます。
抗酸化作用とは、肌のシワやしみなどの老化現象の原因となる活性酸素の働きを抑えたり、取り除いたりする働きのことです。
熟したバナナほどポリフェノールの含有量が高いといわれているため、茶色い斑点(シュガースポット)が出ているバナナを選ぶとよいでしょう。
どうして朝がよいの? 昼や夜はNG?
「朝のフルーツは金」といわれるように、バナナは朝に食べるのがおすすめされています。「昼や夜ではダメ?」と思うかもしれませんが、朝にとるメリットを確認してみましょう。
- ・朝に取り入れることでエネルギー消費のスイッチが入る
- ・消化管の活動をスタートさせ、便秘対策も期待できる
- ・バナナに含まれるブドウ糖が脳のエネルギー源となる
これらは昼や夜では得られにくいメリットです。またバナナは果物の中でもカロリーが高いため、活動量の多い朝に食べることでしっかり消費されるようになります。
ただ、どうしても朝にとるのが難しい場合もありますよね。昼や夜にとる場合でも、朝とは違うメリットがあります。反対にデメリットもありますので、チェックしてみましょう。
昼に取り入れる場合のメリット・デメリット
昼にバナナを取り入れるメリットとデメリットは以下が考えられます。
<メリット>
- ・忙しいときでもすばやくエネルギーチャージできる
- ・間食の代わりに取り入れることでカロリーオフが期待できる
<デメリット>
- ・お腹いっぱい昼食を食べたあとにバナナをとると、満腹感から眠くなることがある
デメリットを避けるため、昼食後に時間を空け、間食として取り入れるのがよいでしょう。
夜に取り入れる場合のメリット・デメリット
夜にバナナを取り入れるときに考えられるメリット・デメリットは以下があります。
<メリット>
- ・安眠を助けるセロトニンの材料となるトリプトファンをとれる
- ・夕食後にアイスやプリンなどのデザートを食べる代わりに食べるとカロリーオフ
<デメリット>
- ・夜は活動量が減るため太るリスクがある
- ・お腹いっぱい食べることで、寝つきや睡眠の質に影響する可能性がある
トリプトファンとは必須アミノ酸のひとつで、体内で作り出せないため食べ物から摂る必要があります。幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの材料となる、大切な栄養素です。
デメリットを考えると、夜バナナは積極的にすすめられません。夜にバナナを取り入れたい場合、高カロリーのデザートの代わりにしたり、寝る直前を避けたりすることで、デメリットをなるべく回避しましょう。
朝バナナダイエットは本当に効果がある?
「朝バナナダイエット」は、効果の高いダイエット法として、2008年ごろにブームになったことがあります。
当時の朝バナナダイエットは、朝食をバナナ1~2本に置き換えることで、カロリーカットするという方法でした。こちらの方法では、計算上1カ月で1.7kgやせられます。(※1)
また朝食にプラスしてバナナを食べ、昼食や夕食のドカ食いを防いで8割程度に抑えられた場合、月に1.2kgほどやせる計算になります。(※2)
あくまで計算上にはなりますが、適切な方法であれば効果が期待できるダイエット法ということがわかります。
また肥満と腸内環境の乱れは関係があると考えられているため、朝バナナで腸内環境を整えることもダイエットに有効です。
※1:朝食500kcal(白米150g、納豆1パック、目玉焼き、味噌汁、ヨーグルト)をバナナ1本93kcalにすることで、407kcalカット。体脂肪1kg7000kcalと考えると、1カ月で1.7kg分となる。
※2:昼食・夕食を合計1400kcalとっていた場合、8割程度にボリュームを抑えられれば280kcalカット。体脂肪1kg7000kcalと考えると、1カ月で1.2kg分となる。
朝バナナダイエットを行う際の注意点
朝にバナナを食べることでダイエット効果が期待できますが、以下の点に注意しましょう。
置き換えダイエットはNG
先ほど、朝食をバナナ1~2本に置き換える方法を紹介しましたが、こちらはおすすめできないダイエット法です。「手軽な方法でやせられる!」とブームにはなったものの、そもそも置き換えダイエットはリスクがあります。
バナナが栄養豊富とはいえ、ほかの食べ物をとらないとなると栄養が偏り、思わぬ不調を生むことも考えられるためです。
バランスのよい食事をとっている方は置き換えダイエットをするよりも、それ以外の間食や昼食、夕食の内容を見直すほうが健康的にやせられるでしょう。
タンパク質や野菜を意識して取り入れる
バナナは糖質やビタミンC、食物繊維などさまざまな栄養素を含みますが、タンパク質やビタミンD、鉄などはあまり含まれていません。
卵、豆腐、肉や魚などのタンパク源や野菜もしっかりととることを心がけ、栄養が偏らないように気をつけましょう。
夕食はヘルシーなものを選ぶ
朝にバナナを食べたからといって、昼食や夕食をたくさん食べてしまうと、やせるばかりか反対に太ってしまう恐れもあります。
とくに夕食は活動が減る時間になるため、脂質の多い料理を避け、あっさりとしたメニューにすることでダイエット効果を高めてくれますよ。
間食はカロリーの低いものにする
昼食や夕食と同様に、間食もカロリーの低いものにしましょう。間食に菓子パンや洋菓子、スナック菓子、また甘い飲み物をとっている習慣を続けたままでは、効果を得られにくくなります。
たとえばヨーグルトやゼリー、チーズ、糖質オフのお菓子などを選ぶとよいでしょう。
朝バナナダイエットは朝食習慣がない人におすすめ
朝バナナダイエットは、朝食習慣がない人におすすめです。先ほど紹介した通り、代謝のスイッチを入れてくれたり、腸を動かして便秘対策となったりするダイエット効果はもちろん、日中を元気に過ごせるエネルギーチャージにもなります。
朝は食欲がない方でも、バナナからはじめてみると、体の変化を実感できるのではないでしょうか。
朝バナナで元気な毎日を!
朝バナナは、ダイエット、美肌、むくみ、便秘対策など、うれしい効果がたくさん期待されます。きれいになりたい方、毎日を元気に過ごしたい方にはぴったりの方法です。
調理の手間がなく手軽に食べられるメリットもあります。特に朝食を食べる習慣がない方は朝バナナを積極的に取り入れてみてください。
この記事を書いたのは……管理栄養士 広田千尋さん
管理栄養士。保育園・保健センター・病院で幅広い年代の健康づくりをサポートし、2020年より独立。
栄養や食に関するコラム執筆、監修、健康に配慮したレシピ作りなどを行っている。
プライベートでは1児の母であり、毎日の食事作りに奮闘中。身近にある材料でとにかく簡単に作れるレシピの提案を得意としている。