中学生の娘がひどい生理痛や偏頭痛で学校を休むほど悩まされています。対処法はありますか?【高尾美穂先生のお悩み処方箋】

産婦人科医の高尾美穂先生が、相談者の心に寄り添って優しくアドバイス!Mart読者世代である30~40代女性の人には言いづらいお悩みにお答えいただきます。第23回は中学生の娘の生理痛と頭痛についてです!

目次

  • 悩める女性の心を軽くしてくれる!高尾美穂先生
  • 【相談テーマ】中学生の娘のひどい生理痛と頭痛をなんとかしたい
  • 中学生もピルが服用できるので、選択肢のひとつにしても
  • 痛みが起こる背景についても考えてみる
  • 【高尾先生のお悩み処方箋】中学生の娘の生理痛と頭痛の改善にできること
  • 【相談を終えて】親子で話合いつつ、できることから始めてみます!

悩める女性の心を軽くしてくれる!高尾美穂先生

高尾美穂先生
産婦人科専門医・婦人科スポーツドクター・ ヨガ講師。産婦人科専門医として、女性の健 康をサポートしつつ、それぞれのライフステージ・ライフスタイルに合った治療を提案する一方、スポーツドクターとして、女性のプロアスリートへのサポートも行っています。雑誌やテレビほかさまざまなメディアでも、女性のお悩みへの優しいアドバイスが好評です。

【相談テーマ】中学生の娘のひどい生理痛と頭痛をなんとかしたい

Mart読者

相談者:Kさん
東京都在住
契約社員

中学生もピルが服用できるので、選択肢のひとつにしても

Kさん:14歳の娘がいるのですが、生理痛と頭痛がひどくてつらそうなんです。なんとかしてあげたいのですが……。

高尾先生:生理痛と頭痛は同じ時期に起こりますか?

Kさん:タイミングは別々で、頭痛は生理周期に関係なく起こっているようです。生理痛は最初の2〜3日、特に2日目の痛みが強いよう。どちらもひどいときは学校を休むほどつらく、昨年度の後半は10日以上休んでしまいました。

高尾先生:病院に行くなどなにか対処はしていますか?

Kさん:生理痛がひどいときに産婦人科に診察に行き、ロキソニンと漢方薬を処方されました。漢方薬は苦くて続かなかったようですが、ロキソニンは痛いときに飲んでいます。

高尾先生:漢方薬は味が苦手な人もいますよね。でも、一度試してみる価値はあると思います。苦みを感じない錠剤タイプもあるので、病院で相談してみてもいいかもしれませんね。

K:それは知りませんでした。飲まないと効果があるかどうかわからないですよね。

高尾先生:また、生理痛を軽減するもう一つの方法としては、ピルという選択肢もあります。まだ早いのでは?と思うかもしれませんが、中学生でも生理があるのであれば服用することができます。ただし、頭痛もあるのでその場合はそちらの原因を先に調べる必要がありますね。

Kさん:頭痛は何か関係があるんですか?

高尾先生:頭痛の原因によっては、ピルを飲むことで脳卒中などのリスクが高まることがあります。特に、頭痛の前に目の前がチカチカしたり暗くなる頭痛の場合は要注意で、ピルの服用は禁忌です。

Kさん:そうだったんですね。

高尾先生:よく頻繁に頭痛が起きるからというだけで、「私は偏頭痛持ちです」という人がいますが、自己判断ではわかりません。一度頭痛の専門医に診てもらい、原因をはっきりさせるといいですね。その頭痛が気圧の変化によるものや生理周期に伴うものなど、偏頭痛でないのであればピルが服用でき、生理痛を軽減できる可能性があります。

Kさん:わかりました。先に頭痛の原因も調べてみようと思います。

高尾美穂先生

痛みが起こる背景についても考えてみる

高尾先生:娘さんだけに限らず誰にでも言えますが、痛みに関してはいざというときに効く、自分に合う薬を探して常備しておくと安心です。市販の痛み止めの多くは1錠に複数の有効成分が入っていることが多く、1錠に1種類の有効成分のみの処方薬より効く場合もあります。私もいざというときのために持っている頭痛薬は、市販のものですよ。15歳になれば大人用の薬が服用できるようになるので、いろいろ試して自分に合うものを見つけるのもいいかもしれませんね。

Kさん:そうなんですね。痛みが緩和されて、学校にもっと行けるといいのですが……。

高尾先生:痛みが楽になると安心ですよね。それに加えて、中学生が学校を休む場合、痛み以外にもなにか原因がないか考えてみてもいいかもしれません。

Kさん:痛み以外のことですか?

高尾先生:Kさんの娘さんがそうとは限りませんが、中学生は多感な時期で、学校に行けないほどのひどい痛みが起こる原因には、別の背景があるというケースも散見します。痛みとは違う理由で、学校に行きたくない場合もあるかもしれません。

Kさん:そういう場合はどうしたらいいのでしょうか?

高尾先生:まずは親子でしっかりと話し合うことが大切だと思います。子どもは親に自分のすべてを見せているわけではありません。子どもの社会のなかで悩み、親にあえて見せない部分もあるでしょう。本人が自覚していなくても、なにかに悩んでいることもあるかもしれません。

Kさん:原因は別にある可能性も考慮するべきなんですね。

高尾先生:そうなんです。本当に体に不調があるのかもしれないので、病院で頭痛などの検査をするのはもちろんですが、それに加えてほかの可能性を考えてみることも大切です。親子でいろいろと話し合うことで意識していなかった問題に気づくことができたり、実は悩んでいることがあると打ち明けてくれることもあるかもしれません。

Kさん:いろいろな可能性を考えてみることが大切なんですね。親子で話し合いをしながら、痛みなどが軽減できればいいなと思います。

【高尾先生のお悩み処方箋】中学生の娘の生理痛と頭痛の改善にできること

  1. まずは頭痛専門の病院で頭痛の原因を調べる
  2. 生理痛軽減にはピルもひとつの選択肢に
  3. 自分に合う市販の痛み止めを探す
  4. 痛み以外の原因も考え親子での話し合いを大切にする

【相談を終えて】親子で話合いつつ、できることから始めてみます!

Mart読者の娘さん

学校を休むときには悩みがあるか聞いてみたのですが、「特に悩みはなく、学校は楽しい」と言っていました。学校の話は普段はあまりしないので、もう少し話し合えればと思います。

いいお医者さんを探し、市販薬も含め合う薬を探し対策も考えてみます。ありがとうございました。