女優・酒井若菜さん(42歳)「若く見えるとかキレイとかより、年輪のように顔に歳を刻みたい」

40代になり、自らを慈しむ「自愛」に目覚めたという酒井若菜さん。年齢を重ね、自分のご機嫌をとることや、心身と向き合って足りない部分を補うことの大切さに気づいてきたと言います。酒井さんが40代になってやめたこと、そして新たに自愛のために始めたこと。そして、結婚願望についても語ってくれました。

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《プロフィール》
1980年、栃木県生まれ。女優、作家。代表作としては『木更津キャッツアイ』(’02)、『マンハッタンラブストーリー』(’03)など。他にも『Mother』(’10)、『マッサン』(’14)、『透明なゆりかご』(’18)、『ホメられたい僕の妄想ごはん』(’21)、『シジュウカラ』、『絶メシロードseason2』、『覆面D』(’22)など数々の話題作に出演。またWEBマガジン『&Q』を毎週日曜日に配信中。

お話を伺ったのは……女優・酒井若菜さん(42歳)

「若く見える」とか「キレイ」とか、そんなことより年輪のように顔に年齢を刻むことが大切

40代になる少し前にやめたことは、まつ毛エクステ。10年以上続けていたので顔の印象が変わってしまうのが怖くて、どうしても取ることができなくて。でもある日、ふと思ったんです。「本当にこのままいくの?こんなバサバサなまつ毛で、素朴なお母さん役ができる?」って。それで思い切って取ってみたら愕然としましたね。私ってこんなに老けてた!?って(笑)。ネットでも散々言われましたね。劣化したとか、老けたとか。 だけど、「私は役者。若く見えるとか、キレイとかそんなことより年輪のように顔に年齢を刻むことも大切」と。そのタイミングでシワやシミに対する考え方も変えました。もちろん、人に不快感を与えないように、そして自己肯定感を下げないようにスキンケアはしっかりするけれど「美しさ=若さ」では決してないことはわかっていないといけません。特に私は、美人になりたいんじゃなくて、良い女優になりたいから。でも職業に関わらず、ある程度大人になったら「何をやるか」よりも「何をやらないか」を決めたほうがスマートで品のある人生を歩める気がします。仕事、ライフスタイル、美容…あらゆることに言えることだと思います。

まつエクをやめる代わりに、まつ毛ケアやまつ毛アイテムにこだわるようになりました。これは香港のアイディアグッズのサイトで購入した、USBで充電できるホットビューラー。カールが長持ちするし、温度も2種類から選べるし、万人にフィットする形状だと思います。値段は1,800円くらいとお安く、掘り出し物でした。

日常のあらゆる瞬間で自分のお気に入りに囲まれる生活が心地いい

あまりにも日常的すぎてつい見逃してしまいそうな部分にもこだわり出したのは、ここ最近のことかもしれません。1日の始まりである朝の洗顔にしても、これまではどこにでもありそうな普通のターバンをつけていましたが、気持ちが上がるカラフルなヘアピンにチェンジ。誰にも見られていない時に、どれだけ自分を愛しみ、もてなしてあげられるか。そういうことが大切なのだと思います。

洗顔後の朝食で毎日いただくのはマリエン薬局のハーブティーとプロテイン。ハーブティーはいくつも常備していて、例えば肌が乾燥していれば潤い系のブレンドを、昨晩食べ過ぎていればリセット系のブレンドを、という風にその日の体調や肌の状態によってチョイスしています。朝一番に、まずは自分と向き合うこと。足りなさそうなものを補ってあげること。そんな風に自分に親切にしてあげることから1日を始めると、忙しない毎日にも少しゆとりができることでしょう。一歩外に出たら、自分より優先させなければいけないことだらけ。だからこそ「私は私が大好き」と言ってあげる時間を作ることが大切だと私は思います。

プロテインは40歳を過ぎた頃に飲み始めました。たるみの大きな原因はタンパク質の不足なので、手っ取り早く摂取できるプロテインは重宝しています。これ、ピーチ味でめちゃくちゃ美味しいんです!夜寝る前に、「あー、早く明日の朝飲みたい!」って待ち遠しいくらい。

バイブルとまで呼べる本ってそうそうないのですが、私にとっては向田邦子さんの本がまさにそれですね。初めて読んだのは30歳前後だったかと思います。あまりの素晴らしさに衝撃を受けました。亡くなられてから何年も経つのに、いまだにスタイルブックや料理の本が出版され、都度新たなファンを獲得しているという、いい意味で恐ろしい作家。書き手として憧れの存在ですね。

結婚したくないというより、結婚願望がないんです

結婚願望ですか?うーん、ひとりがやっぱり居心地が良いんですよね。今年43歳になりますが、もちろんこれまでもいろいろ恋愛はしてきました。誤解がないようにお伝えすると、けっして結婚したくないわけではないんです(笑)。ひとりが一番だと言うつもりもない。ナチュラルに、ただ成り行きに身を任せるのでいいんじゃないかなと思っています。結婚という契約にこだわりはないですね。 好みのタイプは…そうですねぇ、やっぱり好きなことやものが同じなのは大事ですが、それ以上に、好きじゃないことやものが一緒な人がいいです。「これ、悲しいよね、こういうのは嫌だよね」、という部分が一致する人。そういう負の部分の価値観って揺らがないと思うんです。「何をやるか」ではなく「何をやらないか」という考え方と同じように、自分の中のNGをしっかり見極めていくことが、大人としてのマイルールです。

▶︎インタビュー第1回:グラビアアイドルから女優への軌跡を語る「幾度もの試練や葛藤がありました」

 

▶︎インタビュー第2回:「また新たな道を切り拓くことができた」休業期間を救ってくれたものとは

 

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《衣装クレジット》 シースルートップス¥11,000(Fumiku)ワンピース¥58,300(RYU KAGA)ジレ¥37,400(RURI W.)アクセサリー、靴/スタイリスト私物 《お問い合わせ先》 Fumiku  info@fumiku.tokyo) RYU KAGA ☎090-2988-0272 RURI W.  contact@ruriw.com

撮影/来家祐介〈aosora〉 ヘア・メーク/森下奈央子 スタイリスト/伊藤彩香 取材/キッカワ皆樹 編集/永見 理

美ST