“予約の取れない”中学受験講師が教える「辛くない受験」のポイントとは
励ましの言葉以外に家庭の中でどのようにコミュニケーションを取るべき? 予約の取れない中学受験講師・齊藤美琴さんに聞きました。
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自らも名門中学受験を経験した心理学者が語る、”中受”への親子の向き合い方
教えてくれたのは…齊藤美琴さん
自身も大手塾の受験経験があり、塾講師としても受験指導の実績多数。現在は独立し中学受験のコーチングをメインに子どもの教育に携わり保護者からも絶大な信頼を得る。メディアでも活躍。
家族で誰も苦しく思わない 〝辛くない受験〟にしましょう!
「残り90日」は受験が現実的になり、志望校合格までの距離が見えて一喜一憂しがちな時期です。でも、目先の問題にとらわれず、気持ちよく本番を迎えられるようにしたいものです。
先が見えずに不安がっている子には、未来にどんな選択肢があるかを話しておくことで安心感を与えることも。小学生なので伴走は必要なのですが、子ども扱いをしすぎないことも大切です。
この時期は親のメンタルが非常事態かもしれませんが、両親の不安が子どもに移っている場合も多いです。少し目線を外し、親が楽しむ時間を作ってみてください。
両親が言い合う姿を見せるのは、子どもに無駄に自責の念を抱かせてしまいます。 父母で役割分担を決めておくといいでしょう。
思春期は人生の中でも大きな成長を遂げる時期。両親や環境次第でいくらでも変わります。中学受験の経験は一生もの、苦しいものや思い出したくないものになってしまうのはもったいない。悔いなく、辛くない受験にしたいですね!
<ラスト3カ月に大事なこと>
- 「相性のいい先生=メンターとなる先生」との関係を深めておく
- なぜそこがいいのか――志望校に対して具体的にポジティブに
- 親は子どものことばかり考えず、楽しみを見つけて機嫌よく過ごす
- 模試での失敗はチャンス。その時に親も自分の失敗談を話す
- 子どもの合意のもとで、快適な勉強空間と環境を作る
- 1日の終わりは、受験とは切り離した話題でクロージングする
<例えば家でこんな取り組みを!>
勉強の環境作りも工夫を。「あれやったの?」とケンカにならないためには見える化が大事。マグネットを動かすことで達成感も得られる。
受験用のチェックノート。間違いやすいことや志望校についてのメモなどをまとめておくと受験日当日のお守り代わりにもなる。
<現役受験生ママの感想>
サボりがちな時に「受験やめようか」と怒りを娘に浴びせることも多々。夫からは叱責を、娘からは距離を置かれていました。
美琴先生に、私は悪い情報を吸収しやすく、その不安は娘に悪影響になると指摘を受け…。 受験生である前に多感な女の子、寝る前、1日のクロージングに荒れた指にネイルオイルを塗ってあげたり、素敵な女性になってほしいと伝わるように接したり、学校や塾友の話を聞いたり。講義後は娘や家族へ刺々しい言葉がなくなったと夫も私の変化に驚き、真の意味で受験母モードにシフトチェンジできたと感心しています。
娘との関係も修復でき、本心から誉め言葉や励ましが出るようになりました(A.S.さん 46歳 IT関連)
撮影/沼尾翔平 取材/竹永久美子 ※情報は2023年12号掲載時のものです。
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