トレンドだけじゃない!「自分に似合う」が必ず見つかるブランドは?

今の美容業界の“当たり前”や人気のもとを掘り下げる名物連載。今月は、今でこそ浸透した“その人らしさ”を表すメイクの先駆けともいえるアーティストブランド「NARS」。世代、プロアマを問わず支持され続ける数多くの名品は、ブレないメッセージがあるからこそ生まれてくるのです。

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左から:今や一般的になったマルチスティックもNARSが先駆け。NARS ザ マルティプル 1517N ¥5,500、日本No.1ヒットは、マットなのに絶妙なツヤを実現する透明パウダー。マスクメイク時も重宝。ライトリフレクティングセッティングパウダープレスト N 5894 ¥5,830、アイコニックシェード“オーガズム”はチークから。女性が高揚する時の内から滲む血色感を表現。’99年に誕生以来、全世界で愛され続ける。NARS ブラッシュ 4013N ¥4,730、ベースが整っていなければ、何を塗っても美しく見えないという考えから開発されたアイシャドウ下地も隠れた名品。NARS スマッジプルーフアイシャドーベース¥3,740

メークは自己表現のツ ール。圧巻の感性と品質で固定観念を打破

現在も定番から限定品まで、数百種の試作品含め全ての製品作りに携わる創始者フランソワ・ナーズ氏。

NARSを塗るだけで装いが洗練される。そんな印象を持つ理由は、創始者フランソワ・ナーズが、メイクをファッションの一部として捉えているからこそ。生まれはフランス南部、ファッション好きの母の影響により幼い頃から雑誌のページを飾るモデルのスケッチに没頭し、美への興味と鋭い感性も磨かれていきます。

パリの有名な美容学校を卒業すると、若くしてメイクアップアーティストとして成功を収めるように。その活躍が米国版ヴォーグ編集者の目に留まり、’84年、NYに拠点を移します。当時はスーパーモデルが人気を博すなど画一的な美が求められる時代でしたが、フランソワ氏にとってメイクとは、覆い隠すものではなくパーソナリティを表現するもの。’94年、自身の哲学を具現化するブランド『NARS』を立ち上げます。

最初に発表したのは彼の感性から導き出した12色のリップ。これまでにない洗練された色と質感に大きな反響が集まりました。その後も1本でアイ、リップ、チーク、ボディの全てを仕上げる『ザマルティプル』、性別や年齢、人種を問わず誰にでも似合うカラー『オーガズム』など、メイクの固定観念を覆す先進的な提案で人々を魅了します。

来年30周年を迎えるにあたり掲げるメッセージは“TRUST YOURSELF”。肌トーンや骨格などの基準に縛られず、惹かれる色を自由に手に取り、思うままに遊んでほしい。NARSのアイテムと一緒なら、きっとメイクの楽しさと自分自身の新たな可能性を知ることができるでしょう。

※掲載商品のお問合わせ先はすべてNARSです。

2024年『美ST』1月号掲載
撮影/吉田健一 取材/大山真理子 編集/浜野彩希

美ST