水上恒司さん「初めは全てひとりでやろうと思っていた」|改名・独立から1年、今思うこと
12月8日より大ヒット上映中の映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』に出演した俳優・水上恒司さん。デビュー後すぐに注目を集め、着実にキャリアを駆け上がりながら、昨年には改名・独立という大きな転機も。再出発後の本格始動を経て今感じていること、真摯な姿勢が垣間見える仕事論について語っていただきました。
休みの日もきっちり8時間で体を起こすように
—— CLASSY.では“ウェルビーイング”という価値観を提唱しています。水上さん自身が毎日を心地よく過ごすために意識していることはありますか?
睡眠時間をしっかり確保すること。ベストは8時間です。今までは休日に体が疲れていたらひたすら寝るっていうのが多かったんですけど、最近は寝すぎると逆にあまり回復できていない気がして。どれだけ疲れていても8時間で体を起こして、そのあとの過ごし方をちょっとスローペースにするようになりました。
—— 体内時計で自然と目が覚めますか? それともアラームをかけますか?
アラームを設定することが多いですね。この取材の前日がオフだったんですけど、アラームでちゃんと8時間後に起きました。もちろんまだ寝たいって思う日もありますけど、8時間ルールを大事にしています。
自分ひとりでは生きていけないことを実感した1年
—— 2023年は改名後、本格始動された1年だったように思います。振り返って、今どんなことを感じていますか?
周りの仲間へのリスペクトと感謝を実感する1年でした。もともとは改名後、自分ひとりでいろいろなことをやろうとしていたんです。お仕事をいただくにあたって、自分自身を売り込むとか、担当者の方とのやり取りもそう。その業務を今周りの仲間がやってくれていて、改めて自分だけでは生きていけないことを実感すると同時に、支えてくれている人たちのすごさを感じました。できないことは周りに頼っていけばいいし、本当に支えられてなんぼだなと思います。僕もそのぶん周りを支えていければいいなと思うので、それを踏まえて2024年も、仲間たちと一緒にステップアップしていきたいです。
—— 周りの方との関係の築き方で大切にしていることは?
「ごめんなさい」と「ありがとう」を必ず言うこと。どれだけ仕事ができる人でも、そこがいい加減な大人は人として残念だなと、僕は思うので。間違えたときは「ごめんなさい」って素直に言える人でありたいです。そういう姿勢があれば、ちゃんと軌道修正できますし、人間関係も良好に保てると思います。
周りの方を幸せにしつつ、自分も豊かになっていくことが理想
—— 作品への出演が増えるにつれ、周囲からの反響も大きくなっていると思います。周りからの評価には、どう向き合っていますか?
世の中の意見に関しては、あまり見ないようにしているところがあります。どこか自分の意思とは逆になるような気がするんですよね。評価してほしいと思うときこそ、評価されなかったり、評価されないだろうなって思ったら、意外と評価されたとか。自分でプロデュースするようになってからは、マネジメントの立場でバズる、バズらないみたいなことも考えるようになりましたけど、それだけのために仕事するのは自分的に違うかなと。
—— 自分自身と向き合うことが第一でしょうか?
そうですね。自分と、あとは自分の周りにいる仲間ですね。「このときよかったよね」「おもしろい芝居してたよね」と仲間が言ってくれたら、僕自身も嬉しいです。この仕事を一緒にできてよかったなと思うから。似たところで現場のスタッフの方々に「よい芝居を見れた」と思ってもらうことも大事ですし、そうやって周りの方を幸せにしつつ、自分も豊かになっていく。それが結果的によい評価につながることが理想だなと思います。
毎作品出てくる反省点と向き合っています
—— 仕事で悩んだり、落ち込むことはありますか?
たくさんあります。これが読者の方の励みになるとは思わないけど、僕も結構悩みます!(笑)。ただ悩みというより、反省に近いですかね。今回の映画“あの花”でもそうでしたし、反省点がない作品は今までにないんじゃないかな…。撮影の場では自分のベストを尽くすんですけど、あとから振り返ったときにいろいろと出てくるというか。反省点がないならないで、何かが止まっているんじゃないかなとも思います。
—— ご自身の反省点とどのように向き合いますか?
自分が手を抜いたことが原因ならどん底くらいまで落ち込むんですけど、全力を尽くした上でダメなら、じっくり時間をかけて何がいけなかったのかを振り返ります。どうしたらこういうテクニックが身についただろうとか、ここはこうしたらよかったなとか。次に向けてできることを考えますね。
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PROFILE
水上恒司
1999年5月12日生まれ、福岡県出身。ドラマ『中学聖日記』(18年)で俳優デビュー。近年の主な出演作は映画『死刑にいたる病』(22年)、ドラマ『真夏のシンデレラ』、映画『OUT』(ともに23年)など。放送中のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』に村山愛助役で出演。24年2月2日には映画『熱のあとに』の公開を控える。
映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
12月8日(金)より全国公開中
目が覚めると、そこは1945年の日本。初めて愛した人は、特攻隊員でしたー。 親や学校、すべてにイライラして不満ばかりの高校生の百合(福原遥)。ある日、進路をめぐって母親の幸恵(中嶋朋子)と喧嘩をして家出をし、近所の防空壕跡に逃げ込むが、朝目が覚めるとそこは1945年の6月…戦時中の日本だった。 偶然通りかかった彰(水上恒司)に助けられ、軍の指定食堂に連れていかれる百合。そこで女将のツル(松坂慶子)や勤労学生の千代(出口夏希)、彰と同じ隊の石丸(伊藤健太郎)、板倉(嶋﨑斗亜)、寺岡(上川周作)、加藤(小野塚勇人)たちと出会い、日々を過ごす中で、彰に何度も助けられ、その誠実さや優しさにどんどん惹かれていく百合。だが彰は特攻隊員で、程なく命がけで戦地に飛ぶ運命だったー。
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撮影/木村 敦 ヘアメーク/Kohey スタイリング/カワサキタカフミ 取材・文/所 優里 編集/平賀鈴菜(CLASSY.ONLINE編集室)