【老化チェック付き】更年期から始まる「ひざの痛み」解決法4つ

立ち上がる時や、階段を昇り降りする時につらい膝の痛み。40代50代で膝に違和感を感じ始めたという人は少なくありません。特に冬のシーズンは痛みを感じやすいといわれていて、まさに今の季節がつらい時期。今回は膝の痛みの原因、そして簡単に行える膝のセルフケアも併せてご紹介します。

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1.40代50代の膝の痛みは変形性膝関節症かも

40代50代の膝の痛みの多くは「変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)」といわれています。まずは、変形性膝関節症の原因、そして膝の症状のチェックリストを見ていきましょう。

①変形性膝関節症の原因

変形性膝関節症の罹患者の多くは女性で、男性の約2倍といわれています。
その理由は女性ホルモンにあります。40代50代の更年期世代は女性ホルモンのエストロゲンの分泌が急激に減少し始めます。エストロゲンは体の様々な機能に関わっており、骨や軟骨、筋肉の健康を維持する重要な役割があります。エストロゲンが減少すると、すねや膝にあるお皿の軟骨の摩耗が早くなり、膝の痛みの原因になります。
また、女性は男性に比べて筋肉量が少ないのも膝に負担がかかる理由です。

②膝の症状チェックリスト

膝の症状のチェックリストです。当てはまるものにチェックを付けてください。

□ 脚を伸ばしても膝が完全に伸びない
□ ガニ股が目立つようになった
□ 正座ができない
□ 運動時に膝が痛む
□ 膝の曲げ伸ばしでゴリゴリと音がする
□ 階段を降りている時に膝の力が抜ける
□ 和式トイレで立ち上がるのがつらい
□ 膝の皿が外側にズレている感じがする
□ 膝がガクガクする
□ 膝を曲げると張った感じや、腫れた感じがする
□ 膝の皿部分を押すと浮いた感じがする
□ 膝の形が左右違う

当てはまるものが多いほど膝の健康状態が悪い可能性があります。特に、最初の4つに当てはまるなら老化による変形性膝関節症の可能性が、最後の3つに当てはまるなら膝に水がたまっていて、変形性膝関節症や関節リウマチの可能性があります。

2.膝の痛みを感じたらまずは整形外科へ

膝の痛みや異変を感じたら、まずは整形外科の受診をおすすめします。自己判断せず専門家に診てもらうことが大事です。
変形性膝関節症には保存療法(運動や薬で症状を和らげる方法)と手術療法の2種類があり、医師の診断のもと適切な治療方法を選択します。一般的には、まず保存療法を数か月続け、目立った効果が見られず膝の痛みや変形が悪化している場合は手術療法という流れになります。

3.膝の痛みを軽減するセルフケア

整形外科を受診したら、医師の判断も仰ぎながら日常でできるセルフケアを行っていきましょう。ここからは簡単に実行できるセルフケアをご紹介します。

①患部を温める

変形性膝関節症などの慢性化した痛みには、患部を温め血行を改善するのがおすすめ。痛みの緩和や軽減が期待できます。38~39度くらいのお風呂にゆっくり浸かりましょう。半身浴でも大丈夫です。そのほかには温湿布や温めたタオルを使うのも有効です。
ただ、急に膝が痛み、腫れや熱感がある場合、患部を温めることはかえって逆効果になることがあるので、その場合は冷やすことが必要です。

②ウォーキングをする

加齢による筋肉量の低下も膝を痛める原因になるので運動をすることが大切ですが、ジョギングでは膝に負担がかかりすぎる人におすすめなのがウォーキングです。
ウォーキングをする時は、まっすぐ前を見ながら下腹部に力を入れ背筋を伸ばし、前に出す足をピンと伸ばしてください。正しい歩き方を意識して歩くことで膝への負担が減ります。
通常のウォーキングがつらいという人には温水プールでの水中ウォーキングもおすすめです。水中なら膝への負担が大幅に減り、歩くのがつらい場合でも無理なく運動できます。

③膝のストレッチをする

膝のストレッチをご紹介します。注意点として、膝に熱がある場合や、痛みが強い場合は行わないでください。

(1)まず椅子に浅く座り、足を床につけます。
(2)片方の足を前方に伸ばし、つま先を真上に向けます。
(3)背筋を伸ばした状態で、やや前傾姿勢になりましょう。つま先を真上に向けたまま、30秒この体勢をキープします。
(4)もう片方の足も同様に行います。

伸びにくくなった筋肉を伸ばすことで、立ったり座ったりする動作が楽になるでしょう。

④漢方薬を飲む

膝の痛みには、漢方薬もおすすめです。漢方薬は体の慢性的な不調を改善することを得意としています。自然にある植物、鉱物由来の生薬で構成されている漢方薬は、西洋薬に比べると副作用のリスクも低いといわれているのです。

膝の痛みによく処方される漢方薬に「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」があります。胃腸の働きを高めて水分の代謝を改善し、体の中の余分な水分を排出して、関節の痛み、むくみなどを解消します。汗っかきの傾向があり、色白でぽっちゃりしたタイプの人に向いています。
炎症が強い場合は、「薏苡仁湯(よくいにんとう)」が用いられます。こちらも水分の巡りを改善する漢方薬ですが、防已黄耆湯と違い、汗っかきタイプには向きません。炎症を伴う重だるい痛みを感じる場合に適していて、関節痛、筋肉痛などを緩和します。

教えてくれたのは…「あんしん漢方」薬剤師 中田早苗さん

デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

編集/根橋明日美

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