松嶋菜々子さんの誰もが憧れる「優しい笑顔の源」とは?

昨年50歳を迎えてた女優の松嶋菜々子さん。その美貌は衰えることを知らず、さらに心も体もよりラクに柔軟になっているそう。今回は松嶋さんのその優しい笑顔の源に迫りました。

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お話を伺ったのは…松嶋菜々子さん(50歳)

《Profile》
’73年神奈川県出身。’96年NHK連続テレビ小説「ひまわり」のヒロインに抜擢され、’97年『恋と花火と観覧車』で映画デビュー。代表作に映画『リング』『ホワイトアウト』『眉山』『祈りの幕が下りる時』など、ドラマ主演作は大河ドラマ「利家とまつ」「救命病棟24時」シリーズ、「やまとなでしこ」「家政婦のミタ」など。放送中の「アナザーストリーズ 運命の分岐点」(NHK 総合金曜21時~)ではナビゲーターを務める。夫婦初共演の「SHISEIDO MEN」のCMは話題に。

年齢を経ると、爆笑するくらい笑ったり、大声を出すことが少なくなってきますよね。40代の頃は率先して絶叫マシンに乗って、キャーッと大声出していこう、なんて思ってました。でも50代は激しい乗り物に乗ってめまいがしたり、首が痛くなったら困ります(笑)。それよりは自分の気持ちに素直になって、優しい笑顔を作ることを心がけています。今日も真っ青な晴天でとても気持ちが良くて、あー、風が心地いい、太陽が降り注いで気持ちいい、と身近にある気持ちよさを感じることで自然と撮影でも笑顔になれました。

演技も同じ。嬉しい、楽しい、ありがとう、は全部違う笑顔で、それぞれの気持ちを作ることが大切。笑顔は表情じゃなく、気持ちだと思うので。口角を上げて笑顔の練習をするよりも、その気持ちを思い浮かべて、どれだけ楽しむかで笑顔になっていく。そのために、自分の心を軽くして、考え方も物質的にも無駄を削ぎ落とすことを心がけるようになりました。

私はストイックなイメージを持たれがちですが、自分では究極の自堕落な人間だと思っています。こんな自分ではいけない、頑張らなきゃ、こうでなければいけない、と仕事も私生活でも真面目にこだわりすぎて、自分で自分を苦しめていたことに最近気づきました。「面倒くさい」という言葉も使ってはいけないと思っていましたが、

最近、家族には言うんです。面倒くさがる自分も、だるくてやりたくない自分も今は赦せるようになったから。でも「面倒くさい」とダイレクトに言うのは気が引けるので、「あら、それは手間だね」と言い換える(笑)。さらに「どっちでも」とか「何でもいい」などをいつも言えるような自分でいたいですね。寝て言えるようになれたら最高。とはいえ、まだまだ進行形で、こういうとき、こういう考え方をするんだ、でもそうじゃなくていいよね、と俯瞰で自分を見つめられるようにはなったけど、ついこだわりが出てしまい自問自答する日々。少しずつ手放しながら闘っている感はありますね。

口角を上げるより楽しいことを思い出して

これからの10年で、そんな自分を習慣化して、もっともっとラクになっていい笑顔が出るといいな。こんなふうに自分を見つめられるようになったのは、子供たちも自分のことは自分でできるくらい成長して、私自身も仕事とプライベートの考え方に余裕が生まれてきたから。人生にはいろんな状況がふりかかってくるので、これからもその都度、理想形は変わってくでしょうね。だから、そのときそのときで自分が快適にいられるように工夫したい。

インテリアひとつとっても、グリーンに囲まれたリビングに憧れたり、写真立てが並ぶ装飾にしたときもあって、頻繁に家具の移動もしましたが、結局、今落ち着けているのは、物がないスッキリしたリビングでした。むしろ何事にも完成形はないと柔軟に考えて、日々過ごせたらいいですね。

《衣装クレジット》
Tシャツ¥103,400 パーカ¥341,000(ともにロロ・ピアーナ/ロロ・ピアーナ ジャパン)ピアス[WG]¥500,500 ブレスレット[WG]¥1,306,800 リング[WG×ダイヤモンド]¥968,000 すべて「ジュスト アン クル」(カルティエ/カルティエ カスタマー サービスセンター)

2024年『美ST』3月号掲載
撮影/中村和孝 ヘア・メーク/面下伸一(FACCIA) スタイリスト/大沼こずえ(eleven.) 取材/安田真里 編集/漢那美由紀

美ST