【優香さん】にとってのタイパとは?「まったりお茶する時間が幸せと気づきました」
私を幸せにできるのは私、美容のモチベーションも自分のため。誰かのためでなく、“自分のために綺麗でいること”が心地よく幸せに生きる基準になり、周りをもハッピーにできる。そんな私らしい美しさを更新し続ける女性にフォーカスする連載です。
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今まで、なんとなく感じていた罪悪感を最近手放せて、少しだけ自愛上手になれたかも
《Profile》
1980年生まれ。東京都出身。スカウトされたことをきっかけに芸能界入り。
バラエティ番組などで活躍する一方、女優としても才能を発揮し、テレビ、映画、舞台などで幅広く活躍している。
ここ3年くらいで自愛に対する感覚が激変しました。以前の私は時間の有効活用がいちばん大事で、マッサージなどのスケジュールをパンパンに詰め込み、複数の要件をコンプリートする達成感がストレス解消であり、動いていないとモゾモゾして落ち着かないタイプでした(笑)。カフェでぼーっとするとか、ケーキを食べながらとりとめのないお喋りをする時間がもったいなくて罪悪感さえ感じていました。
でも子どもが生まれたからなのか、コロナ禍を経たからなのか、今は一人でも友達とでもカフェでまったりできるようになったんです。かかりっぱなしだったエンジンの切り方が少し分かってきて、がむしゃらだった部分が少しずつおさまって、自分の中で新しいリズムが生まれてきた気がします。「まったりお茶する時間ってこんなに幸せなんだ」と新しい気づきを得るようになりました。子どもができたことは本当に大きなターニングポイント。以前より社交的になって自分から発信しながらいろんな方と話すことが楽しくなったおかげで、共感してもらえるってこんなに自分を楽にしてくれるんだな、とも気づきました。
思いを誰かと共有することが自分を解放してくれるんだと発見して肩の力がすうっと抜けてくれた気がします。年齢を重ねてくると体力的気力的にも、昔は3個やれていたことが2個に減ってしまうこともあります。
でも今はあれもこれも、という焦りが減ってきて、自愛への向き合い方に変化が訪れた結果、自分自身への声かけで増えた言葉が「ま、いっか」。やりすぎにならないよう、生活ペースを少しだけゆったりさせることで「これくらいがちょうどいいんだよ」と自己暗示をかけるように繰り返しています。
一人で抱え込まずに周りを頼れるようになりクールダウンのコツがつかめてきました
自愛のためのアプローチでまず挙げたいのがカッピング。私はいつも頭の中で同時にいろんなことを考えてしまうので、ヒートアップするのか上半身がのぼせやすいんです。頭が熱くて眠れなくて疲れやすく、イライラすることもしばしば。頭寒足熱という言葉があるほどですから、首から上はクールに保ち、下半身は冷やさないようにするのが体には良いと聞いているので、いろいろ対策を試みた結果、カッピングが合うことがわかりました。背中や肩、頭にも吸い玉をつけることで血行促進や自律神経の調整にひと役買ってくれていると思います。ビオスチームのサロンにも通っていますし、のぼせやすい頭を冷やす“アイスビーニー”もお気に入り。
それと、一人でクールダウンの時間を設けることも大事。家族が寝静まったあと、夜中に一人でリビングのテレビでバラエティやドキュメンタリー番組、映画やドラマを見てリラックスすることもあります。そんなときのお供はぬるめのホットウイスキー。
また、それまで全部抱え込んで、がむしゃらに走り続けて、人に弱みを言えなかった自分が、少しずつ人に頼れるように。キツイな、辛いな、でも言ったら心配かけちゃうな、と思っていたけれど、これ以上抱えてたら限界を超えてしまう。目に見えない痛みこそ、自分をどんどん蝕んでしまう。そうなる前に周りに言えるようになったんです。これも自分にとっての大きな変化。
自分のことは自分でしか見てあげられないし分かってあげられないし、助けてあげられないから、ちゃんと頼れるようになって、その分余裕ができて、これまでとは違った「意識してスイッチをオフにする」という自愛につながってきたのかもしれません。
《衣装クレジット》
トップス¥30,800 靴¥53,900(ともにダブルスタンダードクロージング/フィルム)パンツ¥48,400(シチズンズ オブ ヒューマニティ/アルアバイル)インナー(スタイリスト私物)ピアス¥81,400(マリハ)
2024年『美ST』4月号掲載
撮影/秋山博紀 ヘア・メイク/遊佐こころ スタイリスト/石毛のりえ 取材/柏崎恵理 編集/菊池由希子