皮膚科へ行く前に対策したい…医師に聞いた「急な肌荒れ」でできること3つ

季節の変わり目はもちろん、急に肌荒れが起こる危険は常にあります。「肌荒れ=炎症」が肌老化の大きな原因。ジワジワと肌を老けさせる状態を防ぐために変化の兆しを見逃さず、即対応すべき。美ST世代は日常から“ゆらぎ老化対応”スキンケアが基本です。今回は、銀座スキンクリニック院長・坪内利江子先生にお聞きしました。

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皮膚科へ行く前に対策を取りたい!対応方法は?

1:突然やってくるから兆しを見逃さないで!

イラスト/PIXTA

化粧のりや肌状態がなんとなくいつもと違ったり、ムズムズ感やカサついた手触りを感じたら、肌が敏感な状態に傾き始めたサイン。いつも以上に保湿を強化すると同時に、お手入れをシンプルにしながら様子を見てください。明らかな赤みや皮膚の毛羽立ちなどが出てきたら皮膚科医に相談を。

\ Check Point /
◻︎いつもの化粧品なのに急に違和感を覚えた
◻︎肌がむずがゆく、常にチリチリしている感じがする
◻︎化粧のりが悪くなり、いつもと仕上がりが違う
◻︎肌がカサついて、つっぱる
◻︎上記のことを繰り返す

2:不足だったり、やりすぎだったり...当てはまったらお手入れをこう見直す

「しっかり保湿をします。特に肌内部の水分が逃げないようにすることが大切。何が刺激になるか分からないので、使うアイテムはなるべくミニマムに。お手入れ時の摩擦には注意が必要です。手とコットン、どちらで塗っても大丈夫ですが、コットンなら肌当たりが良く、厚手のものを選び、横に滑らせるのではなくスタンプ塗りを。化粧水は溢れるほどたっぷりと、その後クリームなどを塗布したら、その後にコットンやシートでパックをするとさらに浸透力が高まるのでお勧めです。手で塗る場合は、目元や鼻周りなど些細な塗り忘れに、特に気をつけましょう」

カサつきやすい場所の対処ケアは?

鼻の下
顔のパーツにより皮脂の分泌量や皮膚の厚みも違います。特に鼻下や口周りは皮脂分泌量が少なく、水分を保つ機能が弱い傾向に。構造的にも塗り忘れしやすいので特に保湿を意識して。

眉間
眉間や小鼻周りのカサつきは脂漏性湿疹の可能性も。これは、疲れやビタミンD不足などにより、マラセチアという皮膚常在菌が増えることが原因です。皮膚常在菌のバランスを整えて。

目の周り(花粉時期の涙による)
目周りも皮膚の厚みが薄く、皮脂分泌が少ない部分。特に春先は花粉症によって目元をこすったり、涙の塩分も放置すれば刺激になります。痒みを抑え、涙は優しく拭う。マメに対処を。

3:化粧品の選び方で気をつけることは

肌を立て直すためには、保湿ケアが基本になります。そのためまず保水力の高さを念頭に成分を選びます。水分と油分の両方を含むものなら浸透力も高まり、肌の中に水分を貯えられます。さらに抗炎症、肌荒れや皮膚常在菌のバランスケアなどの成分に注目して選ぶことも効果があります。

◻︎セラミドと浸透するヒアルロン酸配合をチェック
◻︎皮膚常在菌(マイクロバイオーム)のバランスを整える
◻︎肌荒れ改善には保湿と抗酸化が大切
◻︎剤形にこだわらず水分と油分が両方必要
◻︎ヘパリン類似物質を取り入れる

先生に聞きました!「何故、突然に肌が荒れるのですか?」

「肌荒れとは、バリア機能が乱れ、炎症が起きている状態です。主な原因は、花粉の物理的な刺激やアレルギー、紫外線や大気汚染、体内の不調、ストレス、加齢などによる活性酸素の蓄積など。女性ホルモンの低下と自律神経の乱れも要因と考えられます。つまり、皮膚も体の一部だから体調と同じように悪くなることがあるのだ、と考えてください。見た目はなんともないけれど、肌の中が乾燥しきっている“隠れアトピー”の方もいます。また、清潔好き、美容の頑張りすぎで人工的な肌あれに自らを追い込む人も多く、洗い過ぎや過剰なケアにも注意が必要です」

坪内利江子先生
銀座スキンクリニック院長

日本医科大学卒業後、同大皮膚科に勤務し、医局長・講師に。ハーバード大学で3年間レーザーの基礎臨床研究を行い、’05 年に現クリニックを開院。皮膚科専門医の視点で治療に当たる。

2024年『美ST4月号掲載
撮影/河野 望 取材/大山真理子 編集/石原晶子

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