大塚寧々さんの美の秘訣は「しょうがない」と「適当でいい」!?
私を幸せにできるのは私、美容のモチベーションも自分のため。誰かのためでなく、“自分のために綺麗でいること”が心地よく幸せに生きる基準になり、周りをもハッピーにできる。そんな私らしい美しさを更新し続ける女性にフォーカスする連載です。
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《Profile》
1968年6月14日、東京都生まれ。映画「Dr.コトー診療所」やドラマ「あなたがしてくれなくても」「おっさんずラブ-リターンズ-」などに出演。写真家としての一面もあり、多方面で活躍中。
私にとって自愛のイメージは「ほどよいバランス」。自分を甘やかしすぎす、厳しくしすぎず、適度なバランスを取ることが自分を愛し、いたわることに繫がるのではないでしょうか。ゴムに例えるなら、ゆるゆるになりすぎても、張りすぎてもいけない気がします。そのバランスポイントを見極めるのが自愛の要とは思いますが、その感覚は、私の場合はただの勘です(笑)。
ドラマや映画の撮影が続いて疲れてきたなと感じたら、ゆっくりめにお風呂に入るとか、少しだけ遠出して目に入る景色を変えてみるとか。特に「場所を変える」という行為は私にとって大事な自愛ポイント。とはいえ、お休みのたびに旅行ばかりするのもちょっと違う。両親は高齢ですし、夫や社会人の息子の食事作りもあり、日々、家族のケアは欠かせません。でも、そこもバランスが大事で「家族のために完璧なご飯を作らなきゃ」とは思っていません(笑)。「ミートソーススパゲティが食べたい」と言われても自分が疲れていて、玉ねぎをみじん切りして炒めて、という作業が大変だったから「今日はミートソースは無理だけど、そぼろご飯ならできるよ」と笑顔で返します。
同じ挽肉料理ならそぼろの方が楽ですから(笑)。掃除機をかける気力がなかったら、床用のモップだけにするとか、気になるところだけキレイにするとか。手を抜いてもいいと思うんです。「主婦ならこうしなきゃいけない」と自分を追い詰めるとバランスを崩しちゃう。自愛とはかけ離れてしまうんじゃないかなと思います。自愛ってつまりは自分の感覚を的確に受け止めることでもあると思うので、心と体の声に従って、できないことや無理・我慢は「まあ、いっか」と手放してみるのが大切かなと感じます。
自分で作る野菜と食事。そして何より睡眠確保が、自愛に欠かせないベース
自分が畑で育てた野菜などを使ってなるべく安心安全な食を家族に提供したいなと考えています。決してお料理好きなわけではありませんが(笑)、できる範囲でシンプルに美味しく楽しく食事ができればと思います。それ以外で心がけているのが朝起きてすぐに、窓を開けて家の中に朝の空気、風を通すこと。そのときに光を浴びて自分の体に朝だということをわからせます。
人間って朝の光を浴びると、脳にある体内時計がリセットされて活動状態に導かれるそうですし、結果的には睡眠サイクルも整うのだとか。朝の習慣のおかげなのか、夜寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めるようなこともありません。私にとっては睡眠というのはとても大事で、睡眠時間が減ってくると疲れを感じやすくなるので、睡眠確保には気を遣っています。
あとは、好きな香りを生活の要所要所で取り入れることも大切にしています。場所を変えると気分が変わって自分をいたわれる、というのと同じように、香りが自分の中のスイッチを切り替えてくれるような気がします。つまりは五感を大事にするということかもしれません。自分自身の感覚に素直に耳を傾けて、繊細に感じ取って、寄り添ってあげる。少しでも違和感を感じたら「テキトウでいいじゃない」と声をかけて、尖りそうになる感覚を緩めてあげる。
それでもモヤモヤしたら、別の視点を作ってみます。ミートソースじゃなくてそぼろでいいじゃない、って感じで(笑)。だいたいのことは、そんなふうにゆるく捉えたり、考えたりするのが、私には大切なのかもしれません。そう思うこと、思えること自体も自愛精神を支えてくれるのではないでしょうか。
《衣装クレジット》
オーガンジープルオーバー¥52,800 パンツ¥63,800(ともにペレック/ショールームリンクス)中に着たT シャツ¥8,800(ダン)サンダル¥38,500(ロランス/ザ・グランドインク)ブルーオパールリング¥69,300 モスアクアマリンリング¥69,300(ともにアドリン ヒュー)
2024年『美ST』5月号掲載
撮影/須藤秀之(TRAIVAL) ヘア・メーク/福沢京子 スタイリスト/安竹一未 取材/柏崎恵理 編集/菊池由希子
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