亜希さん「毎食手作りでなくても子どもは育ちます」球児の息子との弁当エピソード

いつも明るく、飾らない姿が印象的なモデルの亜希さん。野球でも活躍する二人の息子のためにつくったお弁当は、公開されるたびに大反響を呼び、レシピを公開した書籍『亜希の「ふたが閉まるのか?」弁当』も発売中です。タイトル通り「ふたが閉まらない弁当」ほどドカ盛りの弁当誕生秘話や忙しい日のおすすめレシピまでたっぷりと伺いました。

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ネット上でお弁当にツッコミが入るともっと大盛りにしたくなります

──亜希さんといえばやはり「お弁当」。Instagramで公開される、豪快で食欲をそそるお弁当のファンも多く、ついに著書も発売されました。「はみ出してナンボ」の精神で、大盛りごはんの上にソースかつだけをドーンと載せたお弁当には、清々しささえ覚えました。

私の弁当は豪快さが売りです。Instagramにお弁当の写真を載せるとネットニュースに取り上げられることが多いのですが、そこにつくコメントを読むのが好きなんです。「これで本当にふたが閉まるの?」と思われることも多いのですが、「閉まるんですよ」と心の中で返信しながらもどんどん大盛りに(笑)。気づけば本のタイトルにもなったように、蓋はのっけるだけになっていました。常にネットニュースのコメントを張り合いにして、お弁当をつくっています。

──彩りや栄養バランスを気にしすぎて、お弁当作りにプレッシャーを感じる人も多いかと思います。

息子たちに作るお弁当にはソースカツと白米がメインで野菜がないこともあります。炭水化物や肉が多いぶん、我が家では夕食にサラダが多かったり煮物が多かったりと、一日トータルで栄養バランスを考えればよいのかなって。でも人って野菜を食べない日がたまにあっても別に大丈夫だと思うんです。そんなに気にしなくても、どこかで帳尻は合うはずです。食べるのは自分の家族。どんなお弁当でもそのご家庭の「我が家流」。持論ですが、それを貫くと、幸せがくっついてくるんじゃないかと思います。

 

料理の腕に自信がなくても大丈夫。一つひとつのお弁当が家族の思い出になる

──書籍冒頭には、この10年間で亜希さんがInstagramにアップした400枚以上のお弁当写真の一部が掲載されています。一つ一つにご家族の歴史を感じ、胸が熱くなりました。

こうやって本にしてもらったことで、改めてお弁当の写真は我が家の財産だと思いました。私が子どもたちに残せるのはこれくらい。私にとってはもはや「遺言」みたいなものです。先日行ったイベントの参加者のお話も胸に残っています。その方はお弁当だけを載せるInstagramをやっているそうですが、フォロワーは娘さん1人だけ。写真をアップすると、必ず娘さんが「いいね」してくれると教えてくれました。何回アップしてもいいねのハートはひとつだけれど、こんなに素敵な親子の会話はありません。あとから見返したら、娘さんにとっての最高のレシピ本になると思います。お子さんの入園や入学でお弁当づくりを始めた人は、写真にとって残してあげるのもいいかもしれないですね。お子さんにとって、お弁当は何にも変え難い存在だから。

──料理が苦手な人の場合、お子さんから反応がないと不安に感じることもあるかもしれません

私だって、「おいしくできた!」と思っても子どもから反応がないと、「チッ」って思いますよ。昔はいちいち感想も聞いていましたが、「うん、おいしかったよ」で終わり。だからあえて聞かないようにしています。でも面白いことに、お弁当に市販の味付け済みの鶏肉を焼いて入れたら、子どもたち2人から同時に「今日のお弁当はなんかいつもと違う」というメッセージが来たことがあったんです。普段は何も言わなくても私の味を覚えてくれているんだな、気持ちが伝わっているんだなと、うれしくなりました。同じものを食べても、感じることは人それぞれ。自分ではあまりおいしくないと思っても、子どもにとってはそれが大好きな味かもしれない。自信を持ってつくればいいと思います。

 

外食や買い食いの日があってももちろんOK

──いつも料理を楽しんでいる印象ですが、亜希さんでも手抜きしたい、サボりたい、と思うようなことはありますか?

私が朝早く出るときなどは、学食で食べてもらっています。高校生の下の子も、お弁当がないと困るという感じではないかも。「絶対にお弁当持っていって」と言うつもりもないし、そんなことをされたら子どもも重たいと思う。コンビニで買ってもらうこともあります。毎食手作りしなくてはと意気込まなくても、子どもは育ちますから大丈夫。お弁当づくりって、張り切りすぎると電池切れするんですよね。今日は豚肉、明日は鶏肉で明後日はエビなんて考えてしまうと、絶対疲れる。基本的に、鶏肉ときゅうりが冷蔵庫にあればなんとかなります。本にも書きましたが、焼きうどんもおすすめ。キャベツでも玉ねぎでも、冷蔵庫の残り野菜とうどんを炒めて麺つゆで味付けするだけ。週の中日に買い物に行かずに1食分つくれただけで、宝くじにでも当たったみたいに得した気がしませんか?

 

──揚げ物が面倒なら、買ってきたトンカツをアレンジしても……?

いいと思います。私のソースカツ丼も、タレとご飯が命なのでそこにこだわれば市販のカツでもぐんとおいしくなります。一つだけアドバイスしたいのは、カツは薄めのほうが味の馴染みがいいということ。分厚いトンカツの場合は薄くスライスしてください。

 

家族のためにとつくったお弁当が私の人生の栄養になった

──最後に、お弁当づくりに励む読者へのメッセージをお願いします。

「おわりに」にも書きましたが、子どものためと思ってつくってきたお弁当も、振り返ってみるとすべて自分のためだったと気づきました。コツコツ続けてきたことは私の生きてきた証しで、人生の栄養になっています。めんどくさいとか言いながらも繰り返していくことで、いつか自分なりの答えが見えてくるかもしれません。VERY読者のお子様にはまだ難しいかもしれませんが、ご飯もドーンと盛ると作っているほうもそれだけで元気になりますよ。とにかくドカ盛りなので成長期のお子さん以外は食べすぎ注意!ではありますが(笑)。

PROFILE 
亜希(あき)
1969年、福井県生まれ。2019年にモデル業を引退。現在はアパレルブランド「AK+1」のディレクターを務めながら、テレビのコメンテーターや料理家として活躍。大学生と高校生の男児を育てている。食べざかりの息子たちに作る豪快な料理や、明るく飾らない人柄が、幅広い世代に人気。日テレ系の情報番組「DayDay.」にて木曜レギュラー(隔週)として活躍中。YouTube「亜希の母ちゃん食堂」配信中。オンラインサロン「まどい家の人々」も好評。著書に『亜希のことば 私を笑顔にしてくれるヒト・コト・モノ』(講談社)、『家 ごはんと野球』(CCCメディアハウス)ほか。

『亜希の「ふたが閉まるのか?」弁当 ~母ちゃんと息子2人、笑いと涙の18年の弁当記録~』

(オレンジページ)

今話題の亜希、待望の初弁当レシピ&エッセイ。テレビや雑誌で活躍中の亜希さん。じつは18年にわたり、野球に励む2人の息子さんに豪快弁当を作りつづけてきました。おいしさもボリュームも規格外のレシピは、見るだけでおなかがすいて元気になれるはず! 充実のエッセイ&コラムも必読です。

取材・文/樋口可奈子 撮影/秋山博紀

ワンピース、ニット(エーケー ワン/ビームス、ゴールドカラーネックレス ※二連のうち1本着用 ¥17,600、シルバーカラーネックレス¥62,700(ともにMARIHA)

【衣装お問合わせ先】
ビームス
MARIHA 03-6459-2572

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