望月理恵アナ(52)体調不良とうつ症状に苦しんだ47歳、更年期とわかって上手く付き合う方法を探して
更年期、という季節は誰にも訪れる。それならその時期の不安定なお天気とうまく折り合っていけばいい。そう考えて笑顔を絶やさないフリーアナウンサー・望月理恵さん。曇り、雨、土砂降り、ぐずついた天気との付き合い方とは?
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望月理恵さん PROFILE
1972年2月8日、兵庫県生まれ。1994年、「世界ふしぎ発見!」(TBS)のミステリーハンターとして活動開始。2004年から2022年まで「ズームイン!!サタデー」の司会としても活躍。現在は「DayDay.」(日本テレビ)、「newsランナー」(関西テレビ)に出演中。また、糖質オフに特化したブランド「NOILLY」(https://www.noilly.jp)のプロデュースも行っている。
体調不良とウツ症状に苦しんだ47歳
急激な体調不良に苦しんだのは47歳の時でした。朝起きられず、ずっと倦怠感がまとわりつき(*1)、吐き気や胃痛、腹痛でトイレから出られない日々。仕事へ行くのも辛い時期でした。病気を疑い、内科、消化器内科に行くと胃腸炎と診断されるのですが、薬を飲んでも一向に良くなりません。八方塞がりの時、知り合いが〝分子整合栄養医学〟を専門とするクリニックを紹介してくれて、わらにもすがる思いで受診。様々な検査の結果、女性ホルモンが70歳レベルまで枯渇していることが判明しました。臓器や脳の異常ではなくエストロゲンの減少が原因だったんだ、これは早めに来た更年期なんだとわかると、それまで不調と不安でウツ気味だった心に希望の光が差し込んだ気がしました。
【*1・倦怠感】
更年期はホルモンのバランスが崩れ、自律神経のバランス異常になりやすいため、だるかったり、疲れやすくなったりすることも。規則正しい生活と適切な睡眠、食生活に気をつけた上で、どうしても不調が改善しないようなら婦人科で相談を。
更年期が原因と知って、逆に晴れ間が見えた
— モッチーの愛称で人気のフリーアナウンサー・望月理恵さんは、「ズームイン!!サタデー」のMCとしても活躍。番組内のコーナー「スナック モッチー」では持ち前の気さくさでゲストの本音や意外な一面を引き出す、インタビューの達人として人気に。そんな望月さんが「その頃はげっそりして酷い顔だった」と振り返るほど、5年前は不調の真っ只中にいて先が見えなかったと語ります。
職業病というか、いつも口角を上げて笑顔でいるのが当たり前なので周囲からは「大丈夫だよ」「いつも元気じゃない!」と言われて、〝笑顔キャラ〟が崩せない自分にも苛立ちました。少しでも不調を訴えようものなら「そんなことないよ~」「頑張って!」と受け流され、「誰もわかってくれないんだ」とかえって気持ちが落ち込んで。病院に行っても悪いところが特定できない、原因がわからない〝病名のない病気〟というのはとても不安になります。
そんな時にホルモンが原因の不調だと判明し、クリニックでDHEAというサプリメントを処方してもらいました。そのクリニックは、病気を治す対症療法ではなく、未病を早めに発見し、体に足りない成分を補うという考え方。血液検査や生化学、栄養学に基づいて分析し、ミネラル、ビタミン、栄養素の過不足を判断、体内環境を本来あるべき姿に整える治療法です。
処方していただいたDHEAは若返りホルモンで、体の中の炎症を抑えたり、インスリンの働きを助けたり、筋力を保つ効果があるそうで、そのサプリメントを2~3カ月飲んだところで、体調が改善して治療はフェードアウト。
ただ最近は手指のこわばり(*2)があります。それも更年期症状の一種だそうで、朝起きて指が固まっていたら、手を開いたり閉じたりしています。全体的な滞りは痛みに繫がるので、全身の血行を良くすることを心がけています。
私は好奇心旺盛で知識や情報をわりと敏感にキャッチする方なのですが、こと、更年期に関しては意外にノーマークで(笑)、ちょっと反省しています。昔と違って今は情報がすぐに検索できる時代。40代前半からもっと更年期関連の知識を収集しておけばよかったなと思います。
【*2・ 手指のこわばり】
典型的な更年期症状のひとつ。「朝、手がこわばってものが握れない」「ビンのふたが開けられない」「関節が太くなり、変形した」などの手指の腫れや痛み、しびれは関節の動きをスムーズにしていたエストロゲンの急激な減少によるもの。サプリメントで改善することもあるので、まずはエクオールのサプリメントなどを始めてみるのもおすすめです。
心の天気予報とうまく付き合う
— 私はネガテイブ寄りのネガティブな性格」とは言いつつも、元来の知的好奇心と行動力で「どうすれば不安定な自分を落ち着かせることができるか」、その方法を複数持つことに舵を切ります。
更年期の時期は、言ってしまえば心の天気がどんより曇り、または雨、または土砂降りという状況。パッとしない空模様がデフォルトなんです。晴天になるのはホルモンがとことん低値安定してからで、それまではアップダウンの激しさに翻弄され続けるのは仕方のないこと。無理に晴天を望まず、ぐずついた天気でも楽しめることを見つけて自分をご機嫌に保つ方がいい。そう考えたら自分が楽しくなる方法をたくさん持てばいいんじゃないか? と思い至りました。
心や頭がザワザワした時は瞑想代わりに絵を描いたり、三味線を弾いたり、一人旅をしたり。今年に入って高千穂や福井や京都など一人で計画して行く旅も楽しんでいますし、神社仏閣巡りも大好き。たまに朝から開いている気軽なスペインバルのBNC grocへも。友人に会えたりしますし、何よりお料理が美味しくてついつい行ってしまいます。
また、自分の体は口から入れるもので作られていると思うので食にもすごく興味があって、自分で作れるものはなるべく作るように。食へのこだわりが高じて糖質オフのカレーのプロデュースも始めました。栄養士さんとフードコーディネーターさんとのプロジェクトで「NOILLY」という糖質オフに特化したブランドを立ち上げ、被災地に送る支援などもさせていただいています。
運動して筋肉をつけることも大切とは聞くのですが、筋トレはしていません。ゴルフは好きで練習をしたり、コースに行ったりはするのですが、トレーニングは苦手(笑)。よく「胸は遺伝、ウエストは食生活、お尻は努力」と言いますが、私は全部放置(笑)。どうしても、食べる・飲むがメインとなっているので、将来的には体を動かす楽しみも増やした方がいいのかもしれません。
更年期は情報戦
— 体調や気分が土砂降りなのを嘆いても変わらない。天気を受け入れてそれなりに過ごせる方法を複数持つ」。そんな、目からウロコの乗り切り方を伝授してくれた望月さんですが、実は一昨年、体をさらなる異変が襲います。
一昨年、あるイベントでインタビューを受けて、それが終わった時でした。異変を感じて、恐る恐る椅子を見たら穿いていた白いパンツから血が滲んでいました。急に生理が来たのかと思いましたが、普通の量じゃありません。婦人科を受診すると大きな子宮筋腫が見つかりました。当時こぶし大以上の大きさがあったようです。どうりで下腹が出てきたなあ、太ったなあとは思っていたのですが、まさか子宮筋腫がそこまで大きくなっていたとは。先生によると「今50歳だから、そろそろ日本人女性の平均閉経年齢です。閉経したら自然と小さくなっていきますから手術しないでこのまま様子を見ましょう」とのこと。
更年期症状についてはホルモン補充療法という方法もあるのですが、ホルモンを与えると筋腫のエサになってしまうので、補充療法は見送っています。でも行きつけの婦人科の存在は体と心の大きな支えです。
今は至る所に情報があふれている時代。その情報も感度を磨いていないと引っかからないですし、引っかかった情報をさらに取捨選択する力も養っていかなければならない。更年期について情報アンテナを張っていたら、不調に悩んで右往左往する時間や体力を無駄にせずに済みます。
40代に入ったら誰にでも訪れる更年期を頭の片隅において、自分は何をしている時が楽しいのかを考えつつ、居心地の悪い環境は思い切って捨てる、不安定になってもそれなりに自分の体調やメンタルを保つ方法を複数用意しておく。そうすると、どんよりとしたお天気とうまく付き合っていけるのではないでしょうか。
〈TOP写真〉ブラウス¥29,700スカート¥39,600(ともにBEIGE,)イヤリング・右左ともに¥25,300ネックレス¥28,600(すべてGARNI)バッグ¥98,100(STRATHBERRY)インナー、サンダル、ともにスタイリスト私物〈ゴルフ写真〉トップス¥42,900スカート¥49,500グローブ¥6,050ソックス¥5,500(すべて1PIU1UGUALE3 GOLF)靴・スタイリスト私物
撮影/須藤秀之(TRIVAL) へア・メーク/堤 紗也香 スタイリスト/今井聖子(Canna) 取材/柏崎恵理 撮影協力/靖山画廊、青山パークナイン
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