大木優紀さん（43）が満足していたテレビ朝日のアナウンサーを辞め、全く違う挑戦をした理由とは？

18年半の務めたテレビ朝日を退職し、40歳でベンチャー企業へ転職した大木さん。楽しかったアナウンサー生活をやめるきっかけは夜中に読んだ記事だったとのこと。実際に転職したときの想いや、異業種への転職への葛藤について語っていただきました。

出産し復帰するタイミングでもう席がないんだと気づき、自分の強みとは何か考え始めました

アナウンサーになったきっかけは大学の先輩から「大木さん、アナウンサー職が合うと思うよ」と言われたことでした。憧れの職業ではあったけれど絶対アナウンサーになりたい！という強い気持ちではなかったので、公認会計士の資格をとったりして就活に備えていました。アナウンサー試験は一般企業より内定が出るのが早いので、早々にテレビ朝日（以下、テレ朝）から内定をもらい、18年半局アナとして在籍させていただきました。若い時はバラエティやスポーツのお仕事が多く、徐々に情報、報道へ移行していきます。いろいろな部署を経験させていただいたので、毎回学ぶことが多く、飽き性な私ですが、全く飽きずにお仕事ができました。一言で言うと「とても楽しかった！」18年半でした。

入社して7年目に結婚・その後2年後に妊娠をし、産休に入りました。お休みするときにはレギュラー番組を全て手放すのですが、出産して新しい生活が待っていることにワクワクしていたので、レギュラーがなくなることに関して重く考えていませんでした。復帰するころになり、もう席がないんだと気づき焦りましたね。新人のときは一通りいろんなことを試す場を設けてもらえるのですが、もうそのサイクルにも乗れない年齢で。つまり子どもを2人産んで36歳で復帰するときにはもう何も残ってない状況だったんです。

このときが本当の意味でこれからは自分のスキルで仕事をしていかなければいけないと将来を考え、腹をくくった瞬間だったと思います。自分が他の人より優っている強みってなんだろうと振り返り、一文一句間違うことなく読むニュースを読む方ではなく、コメンテーターの方の話を聞いたり、ボード見ながらゲストの方とニュースの話をしたりする方が向いているのかもと気づきました。そのタイミングで、ABEMAにてニュースを深堀しながら、コメンテーターの方と2人でじっくりと話すお昼の生放送番組を担当することになりました。タイミングもあり、これはご縁だと思いました。今までは原稿を正しく読んだり、わずか5秒の中でどれだけの情報を詰めた原稿を読めるかどうかの世界だったのですが、この番組はアナウンサーに任せてもらえる時間も多く、こんなに自分の言葉で話せる現場があるんだと感じ、今までのアナウンサーとは違った体験をさせていただきました。

夜中に読んだネット記事に感銘を受け、気づいたら応募していました

出産後36歳で復帰してからも、当時フリーになるという考えは全くなく、アナウンサーとしてならテレ朝でと思い続けていました。ただ、漠然とアナウンサー以外のお仕事もしてみたいなという気持ちもありました。アナウンサーとして培ったスキルは偏ったものでもあるので、一般職としてのスキルをイチから身につけるのも楽しそうだなと。アナウンサー以外のお仕事をしていたらどんな人生だったのかなと考えたこともありましたね。

コロナ禍で大好きな海外旅行に行けない日々が続くなか、海外旅行事業で創業するという会社の記事を読みました。たまたま寝付けない夜でスマホを触っていたときに出てきた記事だったのですが、それが今の会社の社長が書いた記事だったんです。海外旅行は「不要不急」のものではあるけれど、でもそこにあるかけがえのない価値を私自身は痛感していました。コロナ禍から回復していく世の中にその価値を広める仕事をしたい…そんな価値観がピッタリと一致する感覚がありました。こういうところで働いてみたいと強く感じてしまい、そのままHPの応募フォームから応募しました。夫には今思うと相談くらいしてもよかったかなって思ったのですが、伝えた時にはもう私の気持ちは固まっていて。こういう会社があって、面白そうだなと思っているんだ…で、実は今日面接なんだよね！と報告という形で伝えました。夫は「本当に受けるの？」とすごく驚いてましたね（笑）。テレビ朝日の上司に退職を報告したときも「20代そこそこなら止めたりしていたかもしれないけど、もう大木のことだから決めたことなんだろ？」と理解し尊重してくれたんです。そこから新しい人生が始まり、もうすぐ入社して3年です。

転職するまで仕事で “決める” という経験がなく、決断を迫られることに最初は戸惑いました

アナウンサーのときは私自身が “決める” ということがなく、転職してからとても苦労しました。アナウンサーのお仕事はスタッフさんが企画発案から各所との調整まで済ませ、多くのスタッフの目を通し、幾重にもチェックが入った原稿を私が、視聴者の方へ伝えるという流れなんです。なので、私が何かを決めるということをしてこなかったのですが、今の会社に入って「大木さん、決めてください」と決断を迫られることが多くて、初めはどう決めたらいいのかわからず戸惑っていました。今まで転職のことも含め自分のことは決断してきましたが、他のことについては決める立場になかったので、決める難しさ、アナウンサー職との違いに気づいた瞬間でもありました。

18年半の今までのアナウンサースキルを活かして働ける職業なら満足度も高いのかもしれないですが、新しい挑戦のなかでまだ3年目で試行錯誤の日々です。今は広報のお仕事を担当していて、それはアナウンサーとしてやってきたからこそできることだと思うのですが、容易ではないこともたくさんあって、まだまだ成長していかなければならない時だと感じています。たまに「私と働いてよかった」と言ってもらえる瞬間があり、それがやりがいになっています。アナウンサーとしてはやり切った気持ちが強いので、違う業種で40代からでも新しいことに挑戦できている今がとても幸せです。

大木優紀さんprofile

海外旅行予約アプリ『NEWT』PR。1980年、東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後テレビ朝日入社。２度の産休、育休を取得しながら18年半アナウンサーとして『GET SPORTS』『やじうまテレビ！』『くりぃむナントカ』『スーパーJチャンネル』など担当。2021年にテレビ朝日を退社し、2022年令和トラベルに広報として入社、2023年4月より執行役員に。小学生の長女・長男の２児の母。

Q.大木さんが今熱中して働いている旅行会社NEWT（ニュート）のサービスって？

今はみんなスマホを持っているけれど、その中の立野ショート動画15秒で海外や世界の絶景を満足するのはどうなのかと。私は実際に行って体感することを強くオススメしています。日本が今世界的な存在感を失いつつあって、劣等感や焦燥感があるなかで、特に若い方がその場に立たずして行った気になっているのは勿体無いと感じています。少しでも海外に行きやすい価格で気軽に行けるようにパッケージツアーを旅行代理店としてアプリを通じて提供しています。従来のパッケージツアーのイメージってバッチをつけてみんなで一緒に行動する、空港で「〇〇様」と書いたカードを持った人が待ってる、お土産屋さんに寄らされる、というもの。これは若い方の萎えるサービスなんです。これがパッケージツアーのイメージを悪くさせてしまっているんです。私が広報を務めているNEWTのサービスはそうではなくて、自由度の高い旅行になるようにツアーを組んでいます。店舗もなく、現在は大きな広告は展開していないので、価格を相当下げて提供できています。ぜひご覧ください。https://newt.net/

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ブラウス￥9,350(ドレステリア／ドレステリア渋谷スクランブルスクエア店)スカート￥17,600(アルページュストーリー)シューズ￥35,200(ピッピシック／ベイジュ)ピアス￥121,000バングル￥96,800＜ともにウノアエレ＞リング￥13,500＜ワンエーアールバイウノアエレ＞(すべてウノアエレジャパン)

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アルページュストーリー https://ap-story.jp
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ドレステリア渋谷スクランブルスクエア店 03-6419-7115

撮影／浜村菜月（LOVABLE）　ヘア・メーク／本多遥香（ROI）スタイリスト／小川真央　取材／小出真梨

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