——キャリアや年齢を重ねる中で、仕事観の変化はありますか?
仕事観の変化はめちゃくちゃあります。パフォーマンスの質を高めるためには、時間的にも精神的にも余裕が必要だと感じています。短い期間で高いクオリティを求められる世界であることは理解していますが、物理的に不可能な瞬間もある。それを乗り越えるべく全力を尽くしますが、もっと曲を聴き込んだり、踊り込むことに時間を費やせるといいな、と。結成当初には考えられなかったくらいのスピード感で環境が変わっていくのは勢いがあっていいと思うし、忙しいのはうれしいこと。ですが一方で、昔に比べると乗り越えるべき壁がどんどん高くなり、求められる速度も速くなった。限られた時間や環境の中で、妥協せずに最高の作品を作るためにできることを模索するようになりました。

——CLASSY.読者の中には、壁にぶつかったり、失敗をして、自信を失う人も少なくありません。長谷川さんはそんな場面にどう向き合っていますか?
実際に僕もしんどいことやイヤなことをいろいろ経験してきましたが、今感じるのは、それらを経験していない方が怖い、ということ。いいことも悪いことも、挑戦した結果だと思うんです。どんな結果も経験になるし、学びになる。「苦労は買ってでもしろ」という言葉があるように、僕は辛いことを知らないままキャリアを重ねる方が怖い。僕らのグループはデビュー前に活動休止期間があり、どん底を味わいました。でも今となってはその出来事が生かされていると思うから、試練として与えられていたんだな、と捉えています。グループとしても個人としてもどんどん挑戦していいし、その結果が悪くても受け止めて次に活かせばいい。そうやってポジティブに変換していくことが重要だと思っています。

——一緒に働いていて「この人、シゴデキだな」と思うのは、どんな人ですか?
気持ちがすごく大事だな、と思っています。例えば「なんでこんなことをしないといけないんだろう」と感じる仕事でも、その先に思い描く自分の理想像にフォーカスすれば、きちんと気持ちが乗る。気持ちが乗っていないまま仕事をしている人って一目瞭然だし、「これを経て、君は何を成し遂げたいんだ？」と思ってしまう。仕事ができる人は、やりたい・やりたくない関係なく気持ちが乗っていると感じます。会話していても、行動を見ていても、「こうしたいんだな」という意志が伝わってくる。どんな仕事に対しても、向上心や熱量を高く持てる人と一緒に働きたいです。