モデル歴30年の高垣麗子さん、改めて「モデル」という仕事をどう考えていますか?
インフルエンサーやYouTuberの登場で、市場が「話題性」や「個」を重視する流れへと変化しつつある中で、発信する側に境界線がなくなってきた今、長く第一線で活躍してきた高垣さんのプロのモデルとしてのアイデンティティとは?
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「発信」ではなく、「表現」するのがモデルだと思う
――モデル歴30年を迎えるにあたり、今改めて「モデル」という仕事をどう考えていますか?
「私にとってモデルという仕事は、自分を出すのではなく、オーダーに最大限応えながら喜んでもらいたいという想いが変わらず根本にあります。もちろん“私らしさ”も重要ですが、まずは求められていることに応えられることが喜びなんです」
――その考え方は、スタートからずっと変わらないものですか?
「24、5歳の頃ですが、求められるイメージに対して『本当の自分はこうじゃないのに!』という気持ちが強まり、マネージャーさんと喧嘩したことも。あれはきっと、第一次反抗期(笑)。その時『まず、求められているということは幸せ。そして、何を求められているのか考えてみたら』という言葉をもらい、自分のことを客観視できておらず、自分本位な目線になっていたことに気づくことができました」
――30年続けてきて、求められていることに応えることができるようになってきたと感じますか?
「やはり今でも全て分かるわけではないです。撮影時間は限られていて、その時間内で表現をすることがプロだと思っていますが、自分に納得いかない時もありますし。けれど今は、人見知りを少しだけ克服できたことで、撮影中に仲の良いスタッフさんに疑問があれば尋ねてみたり、意見交換しながら撮影を進められるようになりました。それは私の中で進歩だなぁと感じています」
――ずっと順風満帆に感じますが、もがきながら試行錯誤を繰り返してきているんですね。
「転機のようなタイミングがいくつかあり、1つは、Ane Canのセミヌード表紙。マネージャーさんと年末に必ず行う総括で、今足りないものは色気なのでは? という話になり、そこを表現してみようということになりました。当時の編集長に企画を提案し、撮影に向け、筋肉と脂肪が程よくついた健康的な体を目指してトレーニングをストイックに頑張ったことをよく覚えています。何か変えたいという強い思いではなく、常に模索しながら、違ったら軌道修正していこうというスタンスで、その時々に必要だと思うことをするようにしてきました。“今何が必要なのか”、“どうなっていきたいか”、“何が足りないか”、それを考え続け、皆と話し合うようにしています」
タンクトップ¥13,200(ミースロエ) スカート¥176,000(デパリエ/デパリエ 伊勢丹新宿店)サンダル¥37,400(ピッピシック/ベイジュ)ハット¥45,100(ヴァン・パルマ/ショールーム ロイト)ピアス¥15,400(ココシュニック)リング¥41,800(リューク)
撮影/馬場わかな モデル/高垣麗子ヘア・メーク/今関梨華 スタイリスト/竹村はま子 取材/柿本真希(Lita)
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