元フジ・三田友梨佳さん「幼稚園から私立校。❝敷かれたレール❞に葛藤した時期も」
フジテレビアナウンサーとして、報道やスポーツ、バラエティ番組で活躍してきた三田友梨佳さん。2023年にフジテレビを退社し、現在は1歳半の男の子の子育てに奮闘しながら、フリーアナウンサーとして活動中です。局アナの仕事と同時並行で続けた妊活やその後の出産、育児についてお話を伺いました。
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局アナの仕事をしながらの妊活は大変でした……
──三田さんは2020年に結婚し2023年に出産。現在育児の真っ最中です。不妊治療を経ての妊娠だったと聞きましたが、ほぼ毎日、しかも生放送のニュース番組を担当しながら、妊活するのは大変だったのではないでしょうか?
どんな仕事でもそうだと思うのですが、不妊治療との両立は、本当に大変ですよね。タイミングを見計らって薬を服用したり、病院に行きたいけれど外せない会議がある……とスケジューリングに悩んだり。私の場合は、職場で一人、妊活中であることを打ち明け、相談することのできる上司がいました。スケジュールや体調面の相談ができたことはもちろん、職場に理解してくれる方が一人でもいるということにとても救われました。それから1年半ほど不妊治療を続けて妊娠。妊娠発表については、かなり葛藤がありました。安定期に入ったとはいえ、不安な気持ちがなかったわけではありません。私自身が妊活中におめでたいニュースに触れたときに、なかなかよい結果が出ない自分の状況と比べて落ち込んでしまった経験も思い出しました。とはいえ、生放送のキャスターという職業柄、見た目の変化は隠しきれないし、体調の変化で休むことがあるかもしれないし……、迷った末、会社と相談して妊娠発表に至りました。
つらかった生放送中の悪阻
──妊娠や出産をめぐる日本の医療・保険制度など、妊活を経て思ったことはありますか?
私は2021年〜2022年の間に妊活をしていたので、不妊治療が保険適用になる前と後の両方を見てきました。不妊治療は時間がかかり治療費もかさむので、保険適用になって負担が減ったのはとてもありがたかったです。その上で、今後は改善されていくのかもしれませんが、もう少し柔軟なシステムになってほしいという思いもありました。たとえば、検査や治療のオプションが必要になった際、保険適用と自由診療は併用できないので、オプションを希望する場合原則すべて自費負担になります。不妊治療は原因を特定するのが難しく、オプション検査や治療が必要なケースも少なくないと思うので、0か100かではない幅広いサポートが受けられるようになればいいな、とは感じました。
──お仕事を続けながらの妊娠生活でしたが、悪阻など体調面はいかがでしたか?
私はどちらかというと食べ悪阻のタイプ。食欲はないのですが空腹になると気持ちが悪くなるので、食べられるものを少しずつ、常に口にしていました。助けられたのはコンビニの梅おにぎりとパイナップル、そしてサイダー系の飴です。私は安定期に入るまでの妊娠初期がいちばん辛かったので、仕事中はコソコソと一人で会議室に入って食べていました。安定期に入り、妊娠を公にしてからはだいぶ落ち着きましたが、ニュース番組のスタッフの女性が、気分が悪くなったときに使えるようにとスタジオの見えないところに小さなバケツを用意してくださって。幸い使わずに済みましたが、その気遣いと優しさがとてもうれしく、心強かったことを覚えています。
以前は「専業主婦になりたい」と思っていました
──その後、出産され、現在育児の真っ最中である三田さん。ご自身は共働き家庭で育ったと伺いましたが、育児中の今、子ども時代を思い出して考えることはありますか?
以前は「結婚したら完全に仕事を辞めよう」と思っていたんです。両親が共働きで帰りが遅かったので、母の帰宅を待ちわびて玄関で寝てしまう……といった、ちょっと切ない記憶も。学校帰りに友人宅に遊びに行くと、お母さんが揚げたてのドーナツを作ってくれて、「いいなぁ」と憧れたり。そういう記憶が鮮明に残っているので、子どもができたら家にいよう、と昔は思っていました。でも、親と同世代になった今になって振り返ってみると、母は与えてしまう寂しさ以上に愛情をたっぷりと育ててくれました。そしていつも明るく自分らしく生きることの大切さを見せてくれていたなと思い返します。また、家では祖父と過ごす時間が長かったり、週に2回は日本舞踊のお稽古に行くなど、幅広い世代の方と出会って学ぶ機会が多かったように思います。親と接しているだけではなかなか学べない社会性が身についたような気がします。
結婚や育児にいろいろな憧れがありましたが、私も最終的には母と同じように育児をしながら働く道を選ぶことになりました。今年のパリ五輪では、単身で10日間ほど現地出張に。オリンピックのキャスターの仕事は滅多に訪れないチャンスですし、私がアナウンサーを志したきっかけであるくらい、特別な存在。お話をいただいた際に夫や家族が「ママになったからといって、目標や夢をあきらめなくていい!」と背中をドーンと押してくれて、長期出張デビューを果たしました。夫や家族や周りのサポートに助けられて、1歳半の息子も私の心配とは裏腹にたくましく過ごしてくれました。
公立?私立? 子どもの将来について夫婦で話すこと
──ご自身は幼稚園から大学まで、附属校のご出身です。ちょっとまだ気が早いですがお子さんの進路についてはどのようにお考えですか?
子どもの進路については、我が家もまさに悩んでいる最中です。私自身、幼稚園から大学まで附属校に通った感想としては、受験勉強に時間が取られないので自由に使える時間が多く、興味があることを追求できたのはすごくよかったと思っています。一方、夫は関西の公立校出身で、高校、大学受験を経験しています。自ら受験にチャレンジして進路を選びとっていくことも学びが多いと思うので、夫婦でメリット・デメリットを共有しながら話し合っています。でも、どんな道を歩んだとしても、子どもはどこかで悩んだり、葛藤したりすると思うんです。私自身も、高校時代は親に敷かれたレールの上を歩んでいるのではないか? と葛藤を感じ、今までと違う環境に身を置きたいと思うこともありました。海外留学をしたのもそれが大きなきっかけです。今となっては親が私のために尽くしてくれた環境に感謝の気持ちでいっぱいですが、思春期の頃は素直になれなかったのでしょうね。親となった今、子どもには私の理想の生き方ではなく本人が望む生き方を歩んでくれたら、と願っているので、まずはいろいろな経験をさせてあげたいです。そして、本人が望んだときに背中を押してあげられる親でありたい、今はそう思っています。
PROFILE
三田友梨佳(みた・ゆりか)さん
フリーアナウンサー。1987年生まれ。青山学院大学卒業後の2011年にフジテレビに入社し、アナウンサーとして数々の番組に出演。2023年に退職し、現在はフリーアナとして活躍中。一児の母。
ベージュシャツ37,400円 オフホワイトツィードスカート132,000円(マディソンブルー)パンプス130,900円(セルジオ ロッシ)ピアス770.000円(ブチェラッティ)
【衣装お問合わせ先】
マディソンブルー 03-6434-9133
ブチェラッティ 03-4572-4561
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取材・文/亀井ゆりこ 撮影/秋山博紀 ヘアメーク/土橋大輔 スタイリスト/杉山朱美