【続】「パパ活」を極めた元港区女子の代償。御曹司との結婚に猛反対された末路は…
「港区女子」。それは何かと世間の好奇心を煽る存在。
彼女たちは一体どんな女性なのか? そんな議論が度々上がるけれど、港区で暗躍する素人美女、パパ活女子、あるいはラウンジ嬢など……「港区女子」の意味合いや捉え方は人それぞれ。
そして謎に包まれた彼女たちにも時間は平等、歳をとる。港区女子たちは、一体どんな着地をしているのだろうか。現在アラフォーとなっていると思しき元港区女子たちの過去と現在に迫る。
※この物語は実際の出来事を元にしたフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません
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【続】「パパ活」を極めた元港区女子の代償。御曹司との結婚に猛反対された末路は…
▼由利の20代はこちらから
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不倫の代償
晴れて優希くんと恋人同士になり、私は幸せの絶頂にいた。
しかし計算外だったのは、優希くんの一族が私との結婚に信じられないほど猛反対したことだ。彼の家族は時代錯誤にもほどがある保守的な考えを持っていた。
馬鹿馬鹿しい話だけれど、まずは優希くんと彼の家族が小学校から大学まで通った私立学校の学歴を持っていないと、一族に入る資格はなかったそうだ。選民意識の強い彼の家族は、知らぬ間に私に興信所までつけ、不倫だのパパ活だのと私のことを辛辣に責め立てた。
職業はアナウンサーと言っても、彼らは「水商売」だと言って聞かない。一族で一番権力を持つという優希くんの祖母は「水商売の女との結婚は絶対に認めない。どうしても反抗するなら今後一切の援助は期待するな」と、私の前でハッキリと言い切ったくらいだ。
家族総出の反対に遭いつつも、常に私の味方で「僕は絶対一生由利ちゃんといるから」と断言してくれた優希くんのことは、やはり運命の相手だと思った。
けれどこの争いは想定外に3年近くも長引き、私たちはなかなか結婚できなかった。その間に30歳を過ぎた私は家族争いに消耗しきっていたが、後にも先にも引けない状況で、最終的に私の妊娠が発覚した。
もう思い出したくもない散々な騒ぎになったけれど、結局優希くんの一族は、絶縁という形で私たちの結婚を許すことになったのだった。
夫の父親の情けで与えられたもの
優希くんの家族の頑固さは筋金入りで、結婚式に誰1人参加しないどころか、無事に産まれた孫にすら会おうとしなかった。
優希くんは3兄弟の長男だったのに、家督を継ぐのは弟、そして妹のまだ小さい息子に決まったという。いくら地位やお金があっても、これほど心が貧しい人間がいるなんて私は心底驚いた。そんな中で優しい心を保ちながら大人になった優希くんの存在は奇跡に近い。
「昔から家族とはあんまり気が合わなかったから、ちょうどいい機会だよ。由利ちゃん、本当にありがとう」
彼はそんなふうに言ってくれたけれど、あまりに理不尽で腹立たしい。家族から仲間外れにされ、一人ぼっちになった優希くんを私は一生愛すと誓った。
ただ、優希くんの父親はさすがに息子が可哀想だと思ったらしい。父親は彼名義の西麻布の古いマンションの一室と、子会社の役員というポジションを優希くんに与えた。役員報酬でそれなりの額が毎月もらえるので、それで最低限の生活は保証されることになったのはありがたかった。
そんなふうにして私と優希くんは愛を貫き、なんとか平穏な家庭を手に入れ、しばらくは幸せに満たされて暮らしていた。
「無力」な元港区女子
スターバックスでカフェラテを飲み切っても、私はしばらく席についたままぼんやりしていた。
併設されている蔦屋書店には最新の雑誌が並んでいるけれど、とてもキラキラ眩しい女性誌を手に取れる気分じゃない。
ーーお金が足りない。
自分でもどうしようもないほど、最近私はこの考えに取り憑かれている。
出産後はあまり気にならなかったが、娘が2歳を過ぎた頃、「お受験」という言葉が耳につくようになったのを皮切りに、やけにお金の必要性を意識させられるようになった。
近所のママ友のほとんどは幼稚園受験をしていて、私も娘に安心安全の教育環境を与えてあげられたら……なんて思ったけれど、それには莫大な資金投入が必要だということを目の当たりにし、とても太刀打ちできなかった。
涼しい顔で「うちはインターに通わせることにしました」なんて微笑むママもいるが、インターナショナルスクールの学費は年間300万円以上かかるうえ、休みも長い。私立幼稚園や私立小学校の学費自体はそれほどだが、本気で合格を目指すなると塾代が月に2、30万円もかかるのは普通のことで、年間1000万円使ったなんて声も聞く。
「お金がかかる」「高すぎる」と、お受験ママは困ったように眉根を寄せるが、しかし彼女たちは私より数段グレードの高いマンションに住居を構え、手元にはいつも最新のエルメスやシャネルを持ち、顔周りもハイブランドのジュエリーで飾っている。
やたらと贅沢な旅行や外食に行くこともしょっちゅうで、ママ友のインスタグラムを見るたびに気分が塞ぐ。一体、どこからそんなに無尽蔵にお金が湧いてくるのだろう。
だいたいは夫の財力か実家の太さによるものだが、どちらも持たない私と優希くんの財政状況では、とてもついていけない。近所の六本木ヒルズにやってきても、好きにレストランに入ることもショッピングすることもできないのだ。
私は港区での暮らしに、すっかり打ちひしがれていた。今の私は、完全に無力だった。
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取材/山本理沙 イラスト/黒猫まな子
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