ExWHYZ mayuの「日々、ぼやき。」#3 休職

©Takuya Iioka/光文社

4人組ガールズグループExWHYZ(イクスワイズ)のメンバー・mayuさんのエッセイ連載が再開!
ラジオ番組での「リスナーお悩み相談」が核心を突きすぎる……と高いコメント力が話題の彼女が、JJ世代の一女性として等身大の“もやもや”を赤裸々に綴ります。

こんばんは、ExWHYZのmayuです。

タイトルの通り、今年の6月末からお休みをいただき、約5ヶ月経って先日復帰いたしました。

再びJJの連載をさせていただけるとのことで、本当に感謝しています! ありがとうございます! 嬉しい!

 

お休み中は正直しんどかったです。笑

物理的にも精神的にも、わたしは本当に苦しい時どうやって他人に助けを求めたらいいかわからない人間なんだなってことがわかりました。

具合がかなり悪かったので、そんなわたしと関わって悪い影響を与えたら嫌だなっていうのもあって人と会うことを遠ざけていたし、お休みしてすぐは特に、手を差し伸べてくれる人の手を握り返すことができないくらい自分の生きる力が底を尽きていて、そんな自分にも嫌気がさしてしまってとにかく1人でいました。

ただ自宅で横になっていて、たまにコンビニに行って食べるものを買って、一日の中でのピークは犬との散歩でした。活休前〜活休後2ヶ月くらいまでは活動限界がすぐにやってきて、そうなるとめまいが止まらなくて、一歩踏み出すたびに地面がぐにゃぐにゃに感じたのですがそれでも散歩は頑張りました。

お風呂に入る体力も無いけど、さすがに気持ち悪くて何日かに一度は入って、でも髪を乾かすってなった時には立っていられなかったので、出来るだけ体力が減らないように、仕方なしに髪の毛も切りました。

ごはんの食べ方もわからなくなって、おなかも空かなくなって、気付けば5kg痩せました。そのせいで別の体調不良もありました(今は食べられるようになって徐々に戻っています)。

何をやっていたかも覚えてないくらいだけど、とりあえず一生懸命生きていたと思います。

 

そんな中で少しずつ体力が戻ってきて、人と関わりたいと思いつつも、わたしは迷惑な存在だろうから……と思って声はかけられずにいたのですが、心配してくれて連絡をくれたりする人が何人かいて、その人たちに少しずつ頼っていく練習をするようになりました。

例えば、本当に苦しくて何かを吐き出さないとダメな時、「でもこれを生身の人間に投げかけることはできない」と思って、一人でボイスメモに向かって泣きながらおしゃべりをしていましたが、思い切って電話をかけてみて、そしたら繋がっただけでなんか安心して別に何を話すわけでもなかったけど嬉しかったりとか。
大丈夫かな、大丈夫そうだな、ありがたいなを繰り返して少しずつ人に頼るようになりました。

今は自分の正直な気持ちを逃さないようにしつつ、周りの人に「わがままで申し訳ないなあ」と思いながら自分なりに頼ったり自己主張したりすることを意識して過ごしているところです。

そうしていたらなんだか小さな一喜一憂ができるようになってきました。

 

今までは何か特別な理由が無いと落ち込んだりしちゃいけないような気がしていたけど、本当に小さいことでも気にしちゃう自分がいることに気付けるようになってきました。

人って、夜とか不安になったりするの本当なんだね。

わたしは「夜って考え事しちゃうよね〜」と言われるたびに、「朝も昼も夜も関係なく考えてるし、夜のまやかしで出てくる程度のやつと同列で語ってくれんなよ」って正直思っていました。笑

思春期に落ち込みが酷すぎて布団から動けなかった時期のことが今でも強烈に残っていて、あの時間は永遠だったから、もうあんな風になりたくない!っていうのも強くて。

それからは、起こること全てに理由をつけて自分が最善であろうと思うことを考えて対処し、とにかく前進するようになりました。
その中で、寂しい、悲しい、虚しい、怒りなどネガティブとされている感情になること自体が間違いで、自分の青さや弱さの証明(=恥)かのように思っていたんだと思います。

だからそれを感じないように頭と身体を動かし続けていて「そう思うってことはこういうことだから、じゃあこうしたらいいよね」みたいに、理論で自分を納得させて、気まぐれに揺れ動く心を置いてけぼりにしていた気がします。

行動出来るのは大切なことだけど、気持ちを素直に感じて、それによって時に歩みが遅くなってしまう自分を半ば諦めだとしても見守りながら進んでいけるのも大切なことだな、と今は感じています。

 

コンプレックスに思っている自分の一部も、今まで精一杯自分なりに生き延びるために身に付けてきたものだし、その側面が出てくる力が強ければ強いほど一生懸命だった証拠だとわたしは思うので、掻き消すよりもその自分に「よく頑張りました! おつかれさま!」って言いたいです。
その上でこれからの自分が生きていくのに苦しい部分は少しずつ小さくして、新しい生き方をまた手に入れていけばいいのかなって思います。

変わろうとする時には迷いが出てきたり、変われない自分につい苛立ってしまったり悲観的になってしまうこともあるけど、何だって安定するまでは不安になるものだし、正解は無いし。

それでも歩んでいる自分やそんな人をただ応援したいです! そしてなにより楽しみたい。
皆さんが素直に居られる時間が出来るだけ多かったらいいなと思います。わたしはそれが叶うのがライブの時間だと思うし、だからわたしはわたしに出来ること、やりたいことをがんばります!

 

ここからまた、よろしくお願いします!!

 

©mayu/WACK、光文社

profile/mayu (ExWHYZ)

2017年8月に事務所の先輩グループBiSHのイベントでお披露目された「EMPiRE」の初期メンバーとして活動をスタート。同グループは2022年6月に突如解散し、同じメンバーで「ExWHYZ(イクスワイズ)」を結成。2023年5月には、所属事務所・WACKのグループとしては初となる日本武道館ワンマンライブを開催し、成功させる。EMPiRE時代から作詞や振り付け、チームのまとめ役を担うコアメンバー。また個人としても、冠ラジオ番組にコンビニご飯のコラム執筆など、マルチに活躍。現在は、5大都市6公演の『ExWHYZ TOUR 2024 ‘HOPE’』を開催中
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photo/Takuya Iioka
styling/Erika Abe
hair & maku-up/Yuri Ikeda[éclat]