パーツモデルの第一人者・金子エミさん「ダウン症の長男が世界水泳銅メダル」!その子育てとは

子どもが生まれた時、あるいは何年か経った時、はじめて直面する子どもの「障がい」や「難病」──。皆さん一様に、驚きや混乱に包まれたとおっしゃいます。「一体何が起きているの?」「この後、この子はどうなるの?」……そんな不安の中から立ち上がり、力強くそれぞれの人生を歩む親子たちのお話を聞きました。

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金子エミさん パーツモデル、美容家
54歳・埼玉県在住

パーツモデルの第一人者。長男・カイトさん(27歳)は、ダウン症スイマーで、ビーズインターナショナルにアスリート社員として所属しています。

優しい心と強い魂で世界水泳銅メダル!
ダウン症の息子の「好き」が今を紡ぐ

パーツモデルの第一人者として活躍する金子エミさんの長男・カイトさん(27歳)は、ダウン症スイマー。’24年シーズンの米国・英国2大会で日本人初の金・銀メダルを獲得、世界ダウン症水泳銅メダル、3大会でトリプルメダルという日本男子初の快挙を成し遂げました。

そもそも、カイトさんが水泳を始めたのは11歳の頃、次男の通うスイミングスクールに障害者クラスがあることを知ったエミさんは即日申し込み、幼い頃からのお風呂好き&健康な体作りが目的でした。

その後、背泳ぎの素質を認められ、泳ぐことが大好きなカイトさんはアスリートに転向。国内の競技大会への参加や世界大会でのメダルを目指すようになったこの13年間で、地球1.2周分もの練習に付き添い一番近くで応援してきたのだそう。ダウン症の人に多いとされる心肺機能のリスクはカイトさんにはないものの、健常の人より筋肉がつきにくく落ちやすいことから、食事メニューや睡眠・休息には細心の注意を払ってきたのだとか。

パーツモデルの健やかな爪や肌を育む、良質なタンパク質豊富なメニューや知見も、カイトさんのトレーニングにフル活用。濃密で質の高い練習ができる環境を探し、カイトさんの特性を受け入れてくれるスイミングスクールと出会い、心技体が整ってめきめきとタイムを更新。

週に6日の送迎負担や集中合宿なども考慮して、ついに昨年練習拠点の埼玉にお引っ越し。カイトさんの「好きなこと」で「世界でメダルを取る」というロック(笑)な目標を大切に育てた結果の念願の金メダル!「私なんて金メダルをもらったことはないですし、カイトのおかげで世界様々な地へ連れて行ってもらえて、私の方こそ夢を見させてもらっています。カイトに感謝ですね」。

「今でこそカイトと二人三脚ですが、産後、私には育てられないと絶望して……。親友から『超おしゃれなダウン症の子に育てたらいいんじゃない』と言われ、それならできるかもと思って、私なりに一緒にファッションも楽しんできました。その様子がアパレルのビーズインターナショナルの目に留まり、4年前にアスリート採用され、カイトは正社員・プロスイマーになりました。こういう事例が今後、次世代に夢や希望を与える存在になれればとも思います」。

昨年金メダルを取り、大満足なカイトさん。いつか競技生活を終えた後のセカンドステージを、エミさんは視野に入れ始めたとか。月に一回、団体での藤井清美さんの演技指導や、滑舌・発声・音程〜歌や踊りのレッスンなど、別の「好き」の力を伸ばしたり、現在建設中の都内の自宅内に「KAITOハウス」というカイトさんが自立して一人暮らし風の生活ができるスペースを設けたり。将来に向けた予行演習を始めています。

<編集後記>息子の終始優しい笑顔が母のサポートの原動力

映画やお笑いなどエンタメが大好きで、キツイ練習の前には「お前が真の王となる」というライオン・キングのセリフに力をもらっていたことを話してくれたり、「ママのまね」と言って手をしなやかに頰に沿わせるポーズで笑わせてくれたカイトさん。プールの塩素で荒れやすい肌もエミさん直伝のケアの賜物でしっとり透明肌でした!(ライター 羽生田由香)

撮影/BOCO 取材/羽生田由香 撮影協力/上尾スウィンスイミングスクール ※情報は2025年3月号掲載時のものです。

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