【マイラバ】My Little Lover・Akkoさん「世間のイメージと実際の私が乖離していて…」人気絶頂当時の苦悩
今年でデビュー30周年を迎えるMy Little Loverのボーカリスト、Akkoさん。30年前、いたって普通の音大生だったAkkoさんは、音楽プロデューサーである小林武史さんとの出会いをきっかけに鮮烈にメジャーデビュー。その透明感溢れる歌声は瞬く間にヒットチャートを席巻し、平成のJ-POP全盛時代の顔となりました。「あまり周年は意識していません。毎年コツコツやるだけですね」と穏やかに語るAkkoさんの芯の強さこそ、今もなお色褪せない存在感の源だとスタッフ一同感服。今回のインタビューでは、Akkoさんの音楽活動にかける熱い思いを語っていただきました。
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《Profile》
1973年1月10日生まれ。東京都出身、神奈川県育ち。5歳の頃からピアノを習い始め、国立音楽大学へ進学。1995年にMY LITTLE LOVERのボーカルとして『Man & Woman/My Painting』で鮮烈にデビュー。以降『Hello, Again 〜昔からある場所〜』をはじめ大ヒット曲を連発し、1st Album『evergreen』が300万枚のセールスを記録。平成のポップスシーンを代表する存在に。現在は、定期的にAkkoプロデュースによるアコースティックライブ“acoakko live”をはじめ、精力的にライブ活動を行う。デビュー30周年を迎える2025年は、4月18日より『My Little Lover ☆ acoakko live, 30th Anniversary Celebration』と題し、東京と大阪でビルボードライブを開催。詳しくは公式サイト(https://mylittlelover.net)へ。Instagram:@mllakko(https://www.instagram.com/mllakko/)
ソロプロジェクトへの転換とライブへの挑戦が、大きなターニングポイントでした

4月18日から30周年記念のビルボードライブを開催します。まずは大阪、そして東京で開催させていただくのですが、観客の皆さんにはどうやったら喜んでもらえるか、楽しんでもらえるのか、そのことばかりを考えています。あとは毎回ライブに来てくださる方もいらっしゃるので、その方々には「新しいものを見せたい!」という想いも強くあります。
普段あまり「〜周年」ということは意識していません。30年だろうが32年だろうが37年だろうが、毎年コツコツこなしていくだけですから、キリの良いタイミングにだけお祝いモードになることに釈然としなくて(笑)。ですが周りの方々から「30周年ライブやりましょう!」と言ってもらえることは、素直に嬉しいですね。
実はライブをコンスタントに開催するようになったのは2006年頃からです。それまではレコーディングなどの楽曲制作に追われていましたし、プライベートでは子育てもありとにかく多忙。物理的に時間を取るのがどうしても難しい状況でした。でもライブをしないまま終わりたくないと強く思っていたので、移籍を機にチャレンジしてみることにしたんです。
思い返してみれば、あのタイミングは私にとって大きなターニングポイントだったと思っています。3人グループだった“マイラバ”が私のソロプロジェクトになり、スタッフも入れ替わり、もう手探り状態。舵取りを自分でしていかなくてはならない責任は重く、とても不安でした。ですが自分の気持ちと向き合って、上手くできるかは別として目の前のことに納得できるまで取り組み続けることで、次第に不安の中にもやり甲斐を感じられるようになっていったんです。
「コツコツ正直に納得できる過ごしかたをしたら、きっと楽しいことしか残らない」
以前ライブのMC中にふと口をついて出た言葉なのですが、今の私の、30年やってきたことへの一つの答えだなと思っています。
30年、辞めたいと思ったことは一度もない。なにより今が一番心地よい
30年マイラバを続けてきて、仕事で「やってみたい、やりたい!」と思うことが整ってきました。それを自分のペースで追求できるようになり、何より信頼できるバンドメンバーやスタッフさんにも恵まれ、気づけば今がいちばん心地よい。20代の頃は無知だし、無知だからこそ乗り越えられた壁はいくつもありますけれど、何をやりたいのか考える時間すらありませんでした。矢継ぎ早にレコーディングをして、今では考えられないペースで新曲やアルバムをリリースしていた時期も。テレビの音楽番組にもたくさん出演させていただきましたし、目の前のことをこなすのに必死でした。辛かったことですか?ないです。周りの方々にサポートしていただいていたし、睡眠時間は確かに少なかったけれど移動中などの隙間で寝られていましたし、やっぱり結論、音楽という仕事が大好きなんです。だから辞めたいと思ったことも多分一度もないですね。
今になってようやく、「職業、ミュージシャンです!」と胸を張って言えるように

唯一ストレスがあったとすれば、それは世間の方々が思うMy Little Loverとしての私と実際の私が乖離していたことです。メディアに出ることで皆さんに知っていただけてはいるのですが、私のほうから見る景色ではいまいち自分の実態を感じられないというか…。マイラバのAkkoが歌ったり表現したりすることを、見て聴いてくださる方々がどう受け止めていらっしゃるのかがわからずにいました。だからCDの売り上げ枚数や、楽曲が何週もヒットチャートの上位にいるといったことを人から言われても、全然ピンとこなかったんです。
レコード会社を移籍してグループからソロになり、ライブをするようになって、徐々にその乖離が縮んでいくのを実感しました。ライブは私の歌や表現がダイレクトに伝わるし、私自身も、見て聴いてくださる方の反応を感じられますから。ライブの場数を踏んで、自分自身の舵取りで色んな現場を経験することで少し自信がついてきたし、そうなると新しい表現欲も出てきます。
楽器の演奏も、最初はグロッケンやピアニカ、タンバリンなどを相棒に歌っていました。36歳の時に出演した『¥トシガイ』(日本テレビ)という番組で「年齢と同じ枚数の一万円をお渡しするので、人生を豊かにする買い物をしてほしい」と依頼され、36万円でギターを購入。全く弾けませんでしたが猛練習してライブで演奏するまでになり、その後作曲を始めるきっかけにもなりました。そうするうちに、今度は鍵盤も弾いてみようかなと。5歳からピアノを習っていましたし、バンドミュージシャンからも「ピアノ弾けるんだからやりなよ」と背中を押してもらって。信頼されていると感じて嬉しかったですね。それで数年前からライブで弾き語りもするようになったんです。そうするともっと上手くなりたいと思うし、弾き語りのレパートリーも増やしたくなる。いずれ一人でライブができるようになりたい、それが次の目標ですね。「職業、ミュージシャンです!」って、胸を張って言いたいので(笑)。
《Information》
【Akkoさんの最新ライブ情報をCheck!】
「My Little Lover ☆ acoakko live, 30th Anniversary Celebration」
2025/5/1(木)・2(金) ビルボードライブ東京
[1st stage] 開場16:30 / 開演17:30 [2nd stage] 開場19:30 / 開演20:30
【チケットの詳細はこちらから】
Billboard Live TOKYO https://www.billboard-live.com/tokyo/show?event_id=ev-20483
※衣装はすべてスタイリスト私物
撮影/古水 良(cheek one) ヘア・メイク/中野明海 スタイリスト/行定幸治 取材/キッカワ皆樹 編集/浜野彩希
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