ママたちが尊敬!『おさるのジョージ』の“黄色い帽子のおじさん”から学ぶこと
好奇心旺盛なジョージのどんなイタズラも失敗も、広い心で受け止める黄色い帽子のおじさん。なぜそんなに寛容でいられるの?今回は「黄色い帽子のおじさんメンタルを手に入れたい!」の気持ちを集めました。
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拝啓“黄色い帽子のおじさん”様。
「黄色い帽子のおじさんへ」ママたちの声集めました!
「その接し方、見習いたい!」
黄色い帽子のおじさんへ
ママたちからのファンレター
ママたちが大尊敬!
“黄色い帽子のおじさん”って?
アニメ「おさるのジョージ」に登場する、全身黄色い服を着ているおじさん。ジョージの親友であり保護者のような存在で、共に生活をしている。VERY読者の間では、黄おじ=「怒らない」で有名!
おじさんのジョージへの接し方を見て、子どもの「やってみたい」という好奇心を止めず、思いっきりやらせてあげるよう心がけています。「汚れたら自分が掃除しないといけない」「そんなことしたら怪我するかも」と、後のタスクや不安が頭によぎるけど、黄色い帽子のおじさんを思い浮かべて無心で一緒に遊ぶようにしています。まるで“悟りを開いた”ようにジョージのことを褒めて認めて肯定するおじさんは子育ての最高のお手本です。自分も心にゆとりを持って子どもたちと過ごしたいと思います。
嶋津直子さん(3歳・8カ月男の子のママ)
ジョージが泥だらけで家の中を走り回っていても、怒らずどうして泥だらけなのかを考えるおじさん。私だったら即お風呂ですが、おじさんはまず先に原因を考えます。頭ごなしに決めつけて怒ることがないので、すごいなぁと観ていました。失敗した時に失敗を見守りながらも、またチャレンジを促しているところや、諦めない心や、成功体験を作ってあげようとするところ、私もそういう声かけをできたらいいなと思いました。
光本亜里加さん(5歳・4歳女の子のママ)
朝、ジョージが台所をめちゃくちゃにしてパンケーキを作っていたのを、片付けは後にしてジョージにお礼を言いパンケーキの朝食を楽しんでいた。あー、このくらいの心の余裕が私にもあればな…と思いました。おじさんに色んなところに連れて行ってもらってたくさんの経験ができる賢いジョージも、ジョージのハプニングを楽しめるおじさんも、とっても素敵です!いつまでも仲良くすごしてね。
永智美さん(6歳男の子・4歳女の子のママ)
部屋中が水浸しや泡だらけになっても、ジョージが一生懸命行動したそのことにまず注目して認めているおじさん。私なら部屋の状態を見てすぐに怒ってしまうと思う。イライラしたり子どもに怒ってしまいそうになった時は、こんな時、おじさんなら何て言うかな?と一旦考えて育児をしていきたいと思います!
神田あゆみさん(7歳男の子・8カ月女の子のママ)
おじさんは、とにかく全然怒らない。さすがにため息はついてるけれど、ジョージが毎回色々やらかしても、なぜそうしたか考えた上で納得いくまでやらせてあげている。上手いタイミングで助言してあげる。育児をしているとイラッとしてしまい、息子達にすぐ怒ってしまうことが多々ありますが、一旦一呼吸置いてから発言することで頭ごなしに怒ってしまうのを防げる。最後までやらせてあげることで納得し、思考や行動の可能性を広げてあげられるかもしれないと考えるようになりました。これからも育児の為になるヒントを沢山ご教授下さい!
原田知子さん(4歳・1歳男の子のママ)
何をしても怒らない、否定的なことを言わないおじさんは、ある意味究極。ジョージは好奇心旺盛なだけで、決して悪気はなく、ひたすらジョージの意思を尊重して見守る黄色いおじさんの姿勢を、私はずっと子育ての参考にしていました。ただ、下の子が生まれたり、仕事も始めて自分に余裕がなくなってくると、なかなか難しく感じています。度が過ぎたものは怒ってもいいと思いますよ(笑)!
角野恵子さん(9歳・3歳男の子のママ)
文化人も気になる!「黄色い帽子のおじさん」の正体とは?
おじさんは『無怒菩薩』。
悟りを開いているんです
黄色い帽子のおじさんを知ったのは、まだ自分の子どもが小さかった頃でした。テレビで観るおじさんを「全く怒らない変わった人だな」と思いましたが、その言動を見ているうちに、私は彼を『無怒菩薩』と呼ぶようになりました。悟りを開いた者は金色に輝きますが、仏教では黄色=金色。おじさんは帽子どころか全身が黄色く、破天荒なジョージにも常に肯定的な言葉を掛けて、怒らない。そんな彼は“怒らない”を世に広める、現世の菩薩であると考えたのです。
ちなみに、黄色い帽子のおじさんは第25回みうらじゅん賞を受賞しています。無怒菩薩に縋りたいと気づいてからは、おじさんグッズも持ち歩くようになりました。イラッとすることは世の中に多々ありますが、おじさんを見ると「怒っても無駄だよ」と気持ちを鎮めることができます。小さいお子さんの育児が大変な方たちも、推し活としておじさんグッズを持ち歩くことをお薦めします!物事のイラつきの原因は実は子どもではなく、自分の都合通りにいかないことだったりします。育児はその代表格なので、心の修行をさせてもらっているのだと考えましょう。おじさんのことを心に置いて、自分と向き合う。そんな風に修行を楽しんでほしいと思うのです。
イラストレーターなど みうらじゅんさん
1997年、造語『マイブーム』が新語・流行語大賞を受賞。『ゆるキャラ』の命名者としても知られ、独自のフィルターで様々なものの収集・創作を行う。また、仏教好きでも知られる。
ジョージを信じておじさんは
挑戦を後押ししています
こども家庭庁『はじめの100か月の育ちビジョン』では、幼児期までの子どもの成長に大切な要素として、安心と挑戦の循環を挙げています。安心とは、子どもが家庭内で安心に浸っている状態を指し、挑戦は、そこから飛び出して発見・冒険に向かうことを示します。挑戦した先で不安があれば親が受け止め、元気の燃料補給を行うことで、また子どもは好奇心の塊となって次の挑戦に向かうことができます。黄色い帽子のおじさんは、ジョージの挑戦の後押しが非常に上手です。子どもが小さいほど親は安心の方へ注力しがちですが、おじさんはジョージの好奇心が萎まないよう、多少のことには目を瞑り「人のために」と行動するジョージの背中を押しています。
挑戦を見守る親は、黒子であり応援団です。陰ながら支え応援するというスタンスでいると、子どもは自然と自分の可能性を広げます。でも時には親の許容範囲を超えることをするので、おじさんのように寛容になれず、怒りの感情が出てしまうことがあっても仕方ありません。時間を置いて「ママはあのときこんな風に困っちゃったよ」と、話をしましょう。気持ちを受け止め合うことで、また一緒に次の挑戦に向かうことができると思います。
東京大学大学院教育学研究科・教授同付属発達保育実践政策学センター長
遠藤利彦さん
発達心理学・感情心理学を専門とし、親子関係・家族関係と子どもの社会情緒的に造詣が深い。Eテレ『すくすく子育て』のコメンテーターとしてもおなじみ。
\Eテレ毎週土曜午前8時35分より放送中!/
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取材・文/金剛加奈絵 編集/本間万里子
*VERY2025年5月号「拝啓 “黄色い帽子のおじさん” 様」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のもので、変更になっている場合や商品の販売が終了している場合ございます。