テニスプレイヤー・伊達公子さんが出会って5年、51歳で再婚を決めるまで

人生が長くなった今、40代はまだ折り返し地点手前。後半をともに生きるパートナーを得たいという方が増えています。今回は、40代以降で結婚された方々にお話を伺いました。すると、若いときとは異なる、豊かで味わい深い結婚の形が見えてきたのです。

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伊達公子さん テニスプレイヤー
54歳・東京都在住

人生後半は共通の趣味や感覚を持つ人と
歩いていきたい

元世界ランキング4位のテニスプレイヤー伊達公子さんは、’22年1月に51歳で結婚されました。ご主人と出会ったのは、前の結婚を解消した直後の46歳のとき。

「人生百年だとして、まだ半分ですから、ともに生きるパートナーは欲しかったんです。そこで、友人に『いい人がいたら紹介して!』と声をかけました」。

伊達さんが出した条件は、食べることが好きで、運転が好き。一緒に旅行に行けること。仕事に情熱を持っていること。離婚経験があってもいいけれど、子どもがいるならある程度成人に近いこと。引っ張ってほしいので年上、となかなかの多さ。ところが、それならぴったりの人がいると紹介されたのが、有名中華料理店の統括総支配人である今のご主人でした。

「スーツ姿で店に立つ姿は見掛けたことがあったのですが、穏やかで、仕事に誠実そうというイメージがありました。でも、初めて会った日に質問攻めにしてしまい、引かれてしまったんです。それが片思いの始まりでした」。

興味を持ったら突き進む性格の伊達さんは、その日から猛アタック。ランチに出かけるなど、うまくいきそうになっては、距離をとられ、の繰り返しでした。避けられているのかなと連絡するのを諦めかけていたとき、自分が運転する車のすぐ前に、たまたま彼の車がひゅっと入ってきました。「そんな偶然滅多にないですよね? ご縁だと思い、もう一度、連絡をとったのをきっかけに交流が再開。半年がかりで振り向いてもらいました。地に足をつけて、物事を見たり、考えたりできる人だと感じてくれたそうです」。

その1年後には、同居を開始。「周囲からは入籍を勧められましたが、籍を入れる必要性を感じないまま、5年ほどが過ぎました。彼は帰宅が遅いので、夕食は先に済ませることにしていましたが、コロナ禍で彼の帰宅時間が早まると、一緒に食卓を囲めるようになったんです。それは、それまでに経験したことのない楽しい時間で、自然と入籍しようという気持ちが一致しました」。

今は生活リズムに時差はあるものの、休日にスキーや登山、旅行やグルメなど共通の趣味を楽しんだり、家でまったり過ごして散歩をしたりと、豊かな日々を送っています。「年をとったら、日向ぼっこしながら、並んで本を読んで過ごすのが二人共通の理想なんです」。

伊達さんは、「結婚を2回したおかげで、人生を2度楽しめている」と言います。「26歳で最初に結婚したときは、自分の中に古き良き日本の女性像しかなく、テニスでは自立していても、二人の暮らしの中で自立する、という発想がなかったんです」。

そんな彼女に、「公子はどうしたいの」といつも聞き、自分を持つことはいいことなのだと理解させてくれたのが元夫のミハエル・クルムさんでした。「37歳で現役復帰したのも、彼が背中を押してくれたおかげ。人生観がいい方向に変わり、それが、今の自分らしさになっています」。

離婚を経験すると、もう失敗したくないと、恋愛や次の結婚に消極的になる人もいますが、伊達さんは「離婚は失敗ではない」と言います。「もし別れが修羅場だったとしても、たまたま二人の相性がその時期良くなかっただけのこと。次のパートナーとの間には、ハッピーなことがたくさん待っているはずです。いきなり結婚はハードルが高いので、いい人と出会えたら、一緒に暮らしてみるのはおすすめ。年を重ねた分、互いを尊重しあえるようになっているものです。家を建てるのも3回目でようやく理想が叶うっていうでしょ? 結婚も同じかもしれないって思うんですよ」。

<編集後記>ハッピーオーラ全開でこちらまで幸せな気分に

ご主人の話をするときの伊達さんは、乙女で可愛らしく、コート上の姿とは別人のようで驚きました。感動したのが、46歳で一目会って恋に落ち、気持ちを抑えることなく「だめなら引き返せばいい」と突き進んだ情熱と行動力。大人ぶって斜に構えがちですが、伊達さんのまっすぐな恋愛に、40代まだまだいけるぞ! と勇気を貰えました。(ライター 秋元恵美)

ブラウス¥95,700(ウィークエンド マックスマーラ/マックスマーラ ジャパン)ピアス¥803,000 リング¥1,430,000(ともにシャンテクレール/シャンテクレール 東京店)

撮影/平井敬治 ヘア・メーク/小菅 孝 取材/秋元恵美 ※情報は2025年6月号掲載時のものです。

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