じめじめ梅雨にひんやり! サイコ・ホラー系韓国ドラマ4選

立っているだけで汗をかき、ベトベトする季節・梅雨。じっとりする季節に必要なのは、なんといっても涼! 今回は観るだけで背筋が凍る恐怖で北極並みの涼をとれる「サイコ・ホラー系韓国ドラマ4選」。怖い怖いと言いながら、怖いもの見たさで病みつきになると話題となった作品を紹介します。

人の恨みが1番怖い。オカルトホラードラマ『悪鬼』

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【STORY】

悪鬼(アッキ)とは、日本や中国、朝鮮半島に伝わる人間に対して悪をばらまく鬼。貧しい生まれでぱっとしない人生を送るク・サニョン(キム・テリ)は、亡くなった父親の遺品を受け取ったことで、周囲の人々が悪鬼に取り憑かれ次々と死んでいく。不可解な事件に巻き込まれる中、悪鬼を見ることができる民族学教授ヨム・ヘサン(オ・ジョンセ)と出会い、自分を呪っている存在を知る。悪鬼に関する真実を追いながら、自分が知っていた世界とは違う世界と向き合っていくが・・・

スリラーものというとゾンビものが多い韓国ドラマとしてはやや珍しいオカルトホラーミステリー。そう、不気味さと、ぞぞぞっと背筋が凍る怖さで、じめっとした毎日を冷っとさせる作風です。このドラマで凄まじいのは、何と言っても主演のキム・テリの演技。ネタバレになるので詳しいことは言えませんが、4役を演技分ける怪演ぶり。間延びすることなく、最終回まで違和感なくドキドキさせられるサスペンス要素のある脚本と共に、ぐっと没入させる演技力は、作品をただのオカルトだけではない、心に迫る深さを引き出しています。エンタメ的に「怖い!!!」と思って見るのも、この作品の魅力ですが、それと同時に誰もが抱いてしまう他者への妬みや羨ましいという思いからくる人間の心の弱さもメッセージとして伝わってきて考えさせられます。本当に残酷なのは果たして悪魔なのか、人間の心なのか?!  怖いもの見たさで1度見たら中毒的に気になる非現実的な世界観を、暑さを忘れたい時にぜひ。

怖いけれど気になるサイコパスが暗躍「調査官ク・ギョンイ」

Netflix シリーズ「調査官ク・ギョンイ」独占配信中

【STORY】

夫の死後、無気力となり家に引きこもってゲームに明け暮れる元刑事のク・ギョンイ(イ・ヨンエ)。警察時代の後輩で今は保険会社に勤める後輩ナ・ジェヒ(クァク・ソニョン)から頼まれ、事故偽装された連続殺人事件の解決に挑むことに。アマチュアの演劇俳優をするソン・イギョン(キム・ヘジュン)は、愛らしい見た目で裕福な暮らしをし、明るい笑顔が印象的な女性だが、実は連続殺人鬼という裏の顔があった・・・

ブレない情熱で真相を追求する世捨て人VS.天使のような魅力的なビジュアルで人々を惑わすサイコパス。という今までにありそうでなかった一風変わったサイコサスペンス。事件を追うというサスペンスな展開の中に、そのおしゃれで新鮮な演出、かっこいいOST(劇中音楽)がアクセントとなり、1話から病みつきになる作品です。イギョンは、殺人に理由を考えない、いわゆるサイコパスですが、本当は悪い子ではないのでは? と思わせる屈託のない笑顔、天真爛漫な雰囲気。それが、どうしようもなく恐ろしくゾクッとしながらも、テンポがよく簡単にはわからない真実を追って見進めてしまうはず。「殺される理由」のある人は、いとも簡単にやめていくイギョンに対して、どうして生きるべきなのかを作品を通して問いかけていくギョンイ! 曇天が続く毎日でテンションが上がらない時に見たとしても、見終わるころには、前を向いて「生きたい」と思わずにはいられないはず!

 

現代社会の闇を暴く痛快感も『トリガー ニュースの裏側』

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【STORY】

警察や検察も解決できなかったような社会問題を鋭く切り込む内容で人気を集める調査報道番組『トリガー』。信念を貫きながら破天荒な調査も迷わず進める調査チームの、リーダーであり番組のアンカーを務めるオ・ソリョン(キム・ヘス)。学歴コンプレックスを抱えながら頑張る末っ子プロデューサー、カン・ギホ(チュ・ジョンヒョク)、自己中心的でポーカーフェイスの新人プロデューサー、ハン・ド(チョン・ソンイル)など、個性的なメンバーで、番組を作ってきたが、ある際どい報道をきっかけに、番組存亡の危機に直面。番組を守る手段として、20年前の有名俳優が行方不明になった未解決事件を解決することになるが・・・

韓国で、自立したハンサムな女性の代名詞とも言える、大女優キム・ヘス。どの作品でも情熱的でブレない女性を演じてきた彼女ですが、『トリガー ニュースの裏側』のソリョンは、まさにキム・ヘスの真骨頂。ドラマ出演は4年ぶりとなる作品ですが、真実で悪事を働く人々を倒していく『水戸黄門』的な展開は痛快そのものです。ただこの情熱的な演技も暑っくるしくなく、なんなら冷っとしてしまうのは、その社会の闇とも言えるおぞましい犯行の数々。ぎょっとするような狂気的な犯行にぞっとしながらも、猪突猛進をみせる調査チームに目が離せなくなり一気見してしまいます。さらに作品にアクセントを加えているのがチョ・ジンマンを演じたチェ・デフン。『おつかれさま』で、嫌味なクズ男ぶりが話題となったチェ・デフンが本作では、比べ物にならないぐらいの狂演を見せているのも、見どころの1つです!

 

誰でもこの被害者になりえる恐怖『誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる』

Netflix シリーズ「誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる」独占配信中

【STORY】

森の奥にある貸別荘を経営する中年男チョン・ヨンハ(キム・ユンソク)は、謎めいた子連れの女性ユ・ソンア(コ・ミンシ)に別荘を貸す。翌日、彼女が別荘を後にすると、不吉な予感がしたヨンハは別荘点検する。彼女が連れていた男のコを殺した形跡をみつけてしまうが、大ごとになることを恐れ、証拠を隠蔽してしまう。良心の呵責の念に苛まれて過ごす中、ソンアが再び現れる。一方、モーテルを経営するク・サンジュン(ユン・ゲサン)は、雨の中モーテルの前で困っている男性にモーテルに泊まるように促すが、翌日、凄惨な殺人事件が起こり・・・

このドラマの何に背筋が凍りつくかというと、ソンアを演じるコ・ミンシの怪演。このドラマで名誉ある百想芸術大賞主演女優賞にノミネートされただけあって、韓国ドラマで話題となってきた数々のサイコパスの中でも、5本の指には入るだろう恐ろしさ。愛らしいビジュアルながら、返り血を浴びながら一心不乱に人を手にかけるその姿は、一瞬目を疑うほど。静かな森の映像と相まって、見ているだけで冷たい空気が身包みます。話が進むほど当初のトーンから飛躍していく展開を静かにゾッとしながら娯楽的見ながらも、それだけでは終わらず、感想を誰かと話したくなるような哲学的なメッセージ性があるのは、さすが韓国ドラマ。現実はタイトル「誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる」の通りなのだろうか? 何か大きい事件や事柄には隠れた被害者や人知れず泣いている人がいるのではないか? 沢山の人が生きるこの世の中で、自分だけのことを考えずに、そういった想像力を働かせて過ごさなければならないのでは? 不穏なニュースが飛び交う現代社会において、どう向き合うか深く考えさせられます。

この記事を書いたのは・・・

STORYライター 味澤彩子

韓国ドラマだけでなくファッション、皇室、美容、カルチャーとさまざまなジャンルを担当するライター。1度ハマるととことん突き詰める生まれながらのオタク気質で、感動する作品に出合うと、スタッフ、俳優、関連する作品を芋づる式に鑑賞し、寝る暇も惜しんで韓流ドラマ三昧。気がついたら、ビジュアル、内容、演出、文化面多方面から語るようになり、韓ドラの1人おすぎとピーコと言われるように。好きな俳優はチュ・ジフン、カン・ハヌル、ソン・ソック。好きな脚本家はイム・サンチュン作家。『私が死ぬ一週間前』『グッドボーイ』をリアタイしながら、『イカゲーム』シーズン3を楽しみにする日々。

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