「集中力が続かない」「ついボーっとする」のは脳疲労のせいかも…すぐできる対策5つ

「最近、集中力が前より続かない」「仕事中にボーっとしてしまうことが増えた」と感じていませんか?
 つい休憩を取りたくなってしまったり、やらなきゃいけないことを後回しにしてしまったり……。
実はそれ、「脳疲労」が原因かもしれません。無意識のうちにやってしまっている生活習慣が、脳に大きな負担をかけている可能性があります。
「脳疲労」の特徴と、今日からすぐにできる改善方法をご紹介します。

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1. 「脳疲労」ってどんな状態?

「脳疲労」とは、脳が情報を処理しきれずにオーバーヒートしている状態。
体は元気でも、思考力や集中力がガクンと落ちてしまうのが特徴です。
特に40〜50代の女性は、ホルモンバランスの変化によって脳が疲れやすくなるタイミング。
「更年期かも……?」と思っていたあの不調、実は“脳の疲れ”が影響していることも多いんです。

2. 脳疲労のサインって?

①集中力の低下によるミスが増える

うっかりミスが増えた、同じ作業なのに時間がかかるなどは、脳が疲れて処理速度が落ちているサイン。
特にデスクワークでは、同じ姿勢で画面を凝視する時間が続くことで、知らないうちに脳の負荷がMAXに。脳が疲れていると、いつもは間違えないような単純作業でもミスが増えてしまいます。

②感情のコントロールがしにくくなる

ちょっとしたことでイライラする、気分が落ち込みやすいと感じたら、脳の感情コントロール機能が疲れているのかも。
脳疲労が進むと、前頭前野の働きが鈍り、感情のコントロールが難しくなります。この結果、情緒が不安定になり、怒りっぽくなったり不安になりやすかったりします。

③自律神経が乱れる

「寝ても疲れが取れない」「朝起きるのが辛い」そんなときは、自律神経が乱れている可能性も。自律神経は体を活発にする交感神経と体を休める副交感神経の2つがバランスをとりながら働いています。しかし、脳疲労が続くと、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなくなります。
これにより、睡眠や食欲、ホルモン分泌にも影響し、睡眠不足や食欲の低下または過食、頭痛、肩こりなどの不調まで招いてしまうことがあるのです。

3. 脳疲労を溜めないために今すぐできる5つのこと

脳疲労をためないためには、心や体への負担を軽減して休める時間を作ることが大切です。具体的な対策方法を紹介します。

①スマートフォンやパソコンの使用をセーブする

仕事でもプライベートでも手放せないスマホやパソコン。でもその情報量が脳を疲れさせている原因に。
スクロールが止まらないSNS、絶えず届く通知……。これが脳に“休むヒマ”を与えてくれません。
そんなときに取り入れたいのが、25分作業と5分休憩を繰り返す「ポモドーロ・テクニック」です。
タイマーを活用して作業と休憩のリズムを作ることで、脳の回復を促します。
また「SNSは1日3回のみにする」など、自分なりのルールを決めてみて。
集中タイムには通知をOFFにするのもおすすめです。

②質の良い睡眠をとる

睡眠は脳の“メンテナンスタイム”。
浅い眠りでは、脳はしっかり休めません。睡眠の質を高めるには、睡眠環境を整えたり、就寝前の行動を見直したりしましょう。
例えば、画面のブルーライトは脳を刺激し、眠りの質を下げてしまうため、
就寝1時間前はスマホを見ないようにしましょう。また、遅い時間に夕食やカフェイン飲料を摂るのはNG。夕食は就寝3時間前までに摂り、カフェインは午後2時以降は控えることが大切です。
さらに、アロマやぬるめのお風呂で“副交感神経スイッチ”をオンにすると深い眠りに繋がります。

③精神的ストレスを溜めない

40〜50代は、家庭・職場・自分の健康などについて悩みも多い時期。
気づかないうちにストレスを抱え、脳を圧迫していることもあります。気の合う友人と話したり、笑える映画を観たりなど、心がフッと軽くなる瞬間を日常に取り入れ、精神的ストレスを発散しましょう。

④マルチタスクを減らす

あれもこれもと同時に進めようとすると、脳はフル稼働でパンク状態に。「できる人」ほど陥りがちですが、多すぎるマルチタスクは脳にとって“毒”です。
タスクは紙に書き出して、「今やることはひとつだけ」と決めて取り組んでみましょう。作業効率もアップして、一石二鳥です。
また、朝の5分間、深呼吸しながら「今日やること」を紙に書き出してみるのもおすすめ。
頭の中の情報を“外に出す”ことで、脳の負荷が減ります。

⑤脳疲労に合わせた漢方薬を活用する

交感神経が興奮している状態が長く続くと、体力的にも気力的にも疲れやすくなります。脳と神経からくる疲れには、自律神経のバランスを整え、イライラや不眠などを改善する効果が期待できる「加味逍遙散(かみしょうようさん)」がおすすめです。
漢方薬は心と体のバランスを整えて不調を根本から改善します。また、毎日飲むだけで済むので、気軽に試せるのもメリットです。
ただし、体質に合わない漢方薬では、本来期待する効果は得られないどころか、副作用を引き起こす場合もあります。漢方薬を活用する際には、漢方薬に精通した医師や薬剤師などに相談し、自分に合った漢方薬を選んでもらいましょう。

教えてくれたのは…あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子さん

薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)。神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

編集/根橋明日美 写真/PIXTAほか

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美ST